受けルガチアンチ

ポケモンバトルにエンタメを

【ポケモンSVシングル】スカーフビルドアップ・コノヨザル

 

 新年あけましておめでとうございます。今年も弊ブログをどうぞよろしくお願いいたします。

 告知通り今回からしばらく「受けルガチアンチ新春スペシャル」と題して記事を投稿します。

★本日のおしながき

令和のローブシン

 コノヨザルは突如追加されたオコリザルの進化系で、未だに過去のローブシンを懐かしむ我々第5世代の亡霊がオコリザルに乗り移った姿らしい。

 進化に伴って種族値が大幅に増加し110-115-80-50-90-90(計535)と、バランスが取れた無駄のない配分になっている。やや似た種族値傾向を持つローブシン同様、ビルドアップ+ドレインパンチで長期間の居座りが可能。

 特性は催眠対策に役立つやるき、物理アタッカーに嬉しい威嚇無効のせいしんりょくに加え、夢特性まけんきを持つ。いずれも有用な特性という点もローブシンを彷彿させる。

 5世代環境で有力な構築のひとつであった「ライコウローブ」を模した壁張りサポートのオーロンゲとの組み合わせを比較的見かけるので、何から何まで「令和のローブシン」と呼ぶに相応しいコノヨザルを、未だに5世代環境に後ろ髪を引かれるBWの亡霊独自の解釈で使用してみる。

 

戦術解説

 環境の流行に逆らわず、コノヨザルの優れた持久力に着目してビルドアップ+ドレインパンチをベースに、S種族値90を生かした高速アタッカーとして活用するためこだわりスカーフで使用する。何を言っているのか意味不明だと思うが、もう少しだけ付き合って欲しい。

 マジックルームという技はご存じだろうか。弊ブログでは何度か登場している、発動から数えて5ターンの間は敵味方問わずアイテムの効果が無効になる技だ。この技が有効な間は当然ながらスカーフの効果も失われるので、マジックルームのターン中とターン後の拘りオン/オフを利用した素早さのトリックを仕掛ける

 昨年投稿した記事でマジックルームを使った際に、限定的な拘り解除+積み技も同時に試そうと思ったが、剣盾の場合はDMで一時的に拘り状態を解除できるため、拘りアイテム持ちのポケモンが積み技を使うことはおかしなことではなかった。なので、拘りアイテム+積み技の特異性がより際立つ今作で改めて挑戦する。

 

 基礎知識として、拘りアイテムを持ったポケモンがマジックルームを使用すると、マジックルームのターン終了後はマジックルームしか使用できない(交代を考慮しない場合)。しかし、拘りアイテムを持つ別のポケモンがマジックルーム中に使用した技はターン終了後に固定されず、マジックルームが終了してから使用した技が拘りの対象となる。

 ここまで書けば今回の戦術を理解できたと思うが読者の皆さんの想像通り、マジックルーム中は極力ビルドアップ+ドレインパンチで一般的なコノヨザルとして振る舞い、ターン終了後はスカーフアタッカーとしての立ち回りを目指す。

 以下、使用個体。

 コノヨザル@こだわりスカーフ

 シンプルなDS振り。自分で補強できないDに厚く、マジックルーム終了後はスカーフアタッカーに転じるのでSに。マジックルームと合わせた独特な立ち回り以外は特記することはない。テラスタイプはゴースト環境であることを考慮して無難なノーマル。

 マジックルーム要員はクレッフィゴチルゼルを準備した。クレッフィにはひかりのかべゴチルゼルにはリフレクターを覚えさせているので、相手のパーティを見てどちらか一体のサポート要員を選出したい。

 

実戦レポート

 解説する試合のパーティと選出。

 初手マスカーニャサザンドラだとゴチルゼルでサポートできないのでクレッフィから。

 初手はクレッフィルカリオ

 マジックルームから入り、特殊型だったのでひかりのかべも張った。

 ルカリオはどうだんを連打していたので、クレッフィから素引きでコノヨザル。マジックルームのターンは残り2なので、最低でも2回ビルドアップを積んでからスカーフコノヨザルに切り替えていく。

 ルカリオを流す際にビルドアップを積んでキョジオーン登場。積まれたり回復されるとジリ貧になってしまうので、もう一度ビルドアップを積みたいところを我慢してちょうはつから。偶然の産物ではあるが、スカーフ持ちでありながらちょうはつで相手の起点にならない小回りの良さもマジルならでは。このターンのてっぺきを阻止してマジックルームのターンが終了。

 キョジオーン、ルカリオは一貫するドレインパンチで処理。

 ルカリオとコノヨザルはS種族値が同じ90、こちらは準速なので数値上ではルカリオに先手を取られる可能性があったが、マジックルームが終了してスカーフの効果が戻っているので、ルカリオもスカーフを持っていない限り先手を取れる。

 さすがにサーナイトに対してドレインパンチを連打するのは分が悪いので、一旦クレッフィに引いて拘りを解除した。

 ふんどのこぶしに切り替えてサーナイトを処理。ここも準速コノヨザルは最速サーナイトに抜かれてしまうが、スカーフを持っているので上から叩けた。対戦ありがとうございました。

 解説する試合のパーティと選出。

 初手キラフロルコータスが見えているが、こちらはバンギラスを見せているので前者を読んでクレッフィから。晴れ選出なら引けるようにバンギラスとメインのコノヨザルも選出。

 初手クレッフィキラフロル

 何はともあれマジックルームから入り、キラフロルのだいちのちからを耐えてひかりのかべを残して退場(マジルターン残り3)。

 死に出しコノヨザル。壁があるのでビルドアップを選択、キラフロルからガブリアスへ(マジルターン残り2)。

 ガブリアスの出し方が流行っているらしいドラゴンテール持ちに見えたので、ダメージレースで不利にならないようドレインパンチで小突く、ガブリアスは可能な限りコノヨザルに触れる回数を少なくするためつるぎのまいを選択(スクショ2枚目、HP減少はさめはだ接触分)。

 マジックルームのターンが残り1、相手のガブリアスはダメージ量的にドレインパンチをもう一回耐えられるので、次のターンからスカーフの効果が戻ることを考慮して再度ビルドアップ

 素のS関係はガブリアスの方が上回っているため、相手視点では次のターンも先に動けるように映っているのでこのターンもつるぎのまい。積み比べなら遂行速度が+1分早い剣舞が有利なので、マジックルーム+スカーフを考慮しなければ間違った選択ではないと思う。

 マジックルームの効果が切れ、このターンからAB+2ずつのスカーフコノヨザルに変身する。このターンも自分が先に動けると思っているガブリアスに対し、先制でドレインパンチを叩きこんで撃破。

 キラフロルも倒してラスト一体はピカチュウ

 ピカチュウが格闘タイプを半減以下にできるテラスタルを使用しなければコノヨザルで全抜きできるが……

 ピカチュウは電気テラスタルだったので、そのままドレインパンチを通して勝ち。対戦ありがとうございました。

 相手がどのようにSを振っていたのか定かではないが、準速コノヨザルでは抜けない最速キラフロルやピカチュウ、そもそもS種族値で劣るガブリアスをマジックルーム前後のスカーフオン/オフのトリックで抜き去ることができ、戦術の真骨頂を発揮できた。また、マジル中に積んだコノヨザルがスカーフ復活後に全抜きしてくれた点も良かった。

 

反省点

 相手のパーティに格闘かゴーストどちらかの一貫性が見えても、テラスタルによるタイプ変化で見えないところから受けられてしまうのが、今作における拘りアイテムの難しさだと感じた。コノヨザルはとても強かったので、マジックルームなどという意味不明な工程を挟まず、素直に壁を張ってサポートしてあげればもっと強いと思う。

 この戦術の核は「積み技を使った=拘りはないだろう」という固定観念を突くところにあるが、マジックルームを使うことで自らヒントを与えてしまう点は弱点か。固定観念に囚われず豊かな想像力を持つプレイヤーにはお見通しだろう。

 

おわりに

 新年一回目ということで、今年は少しでも刺激的な内容をお届けできるように頑張ります。今は新作発売ご祝儀効果で記事を書けばある程度読んでもらえるので、目先の数字欲しさに考察の浅い戦術や勝ち試合を作れない戦術を掲載しないように気を付けます。

 原則として界隈で目立つためや話題性のためにコンボ戦術を組み立てるのではなく、大前提として勝負に勝つための戦術を作らなければいけないので、そこはブレずに続けていきたいです。

 我々がニコニコ動画ポケモン実況を観ていた時代よりもコンテンツの供給が多いので、受け手の見る目が鍛えられているのは間違いない。手を抜けばすぐにバレるし、質を落として数で勝負しようとすればあっという間に愛想を尽かされる。それは自分がコンテンツを見る側になったときにも感じることなので、納得できるものが作れるまで追求する姿勢は継続していきたいです。

 

 それでは今回はこのへんで。何かありましたらコメント欄かTwitterまでお願いします。

 TwitterMなか (@Mnaka_udn0525) / Twitter

 アーカイブはこちら→【ポケモンSV】ポケモン名別戦術記事まとめ - 受けルガチアンチ

 

【ポケモンSVシングル】全抜きラウドボーン

 

 どうも。

 ラウドボーンが強いらしいので自分で使ってみました。

★本日のおしながき

ラウドボーンが強すぎるヤバい

 近年のポケモンは御三家の扱いがやや丁重になり、単なる旅の仲間からランクマの強力なカードになっている。

 例えばバトレボ~BWレートの時代だとゴウカザルエンペルトのダイパコンビや「ラグで詰まないか」の格言まで生んだラグラージを比較的見かける程度だったが、前作ではエースバーンゴリランダー、今作では今のところマスカーニャラウドボーンが人気を集めているように、今や対戦環境の中心に御三家がいるのは当たり前である。

 今作の御三家も専用技や強力な夢特性を持ち、中でも現環境屈指の物理耐久指数を持ちながら特性てんねんで積みアタッカーにも強く、80打点+100%Cアップの専用技を持つラウドボーンはひとつ抜けた存在といえる。

 今回はそんなに強いならちょっと使ってみようということで、なんとなくラウドボーンを使ってみる。

 

戦術紹介

 具体的なデータが公式発表されていないので印象で語ることになるが、環境のラウドボーンはHBに厚く割いた物理受け、積みエースストッパーとして多く使われているように思う。それでいてC種族値110から確定Cアップのフレアソングを飛ばしてくるので、打点が低く遂行速度の遅い耐久ポケモンと比べて異質なのが分かる。

 今回着目したのはその「C種族値110」と「確定Cアップのフレアソング」である。威力80の一致技で攻撃しつつ打点を上げられるので、全抜きエースとしての適正も非常に高いポケモンである。特に「他者の積みは許さず自身は一方的に積む」といった傍若無人っぷりは強烈であり、積みサイクル系のパーティを多く見かける現環境に於いて適性のあるエース候補といえる。

 

 問題はS種族値66という足の遅さである。高耐久・高火力の重戦車系ポケモンの宿命といえるが、逆にいえばその足の遅さは武器にもなる。

 前回の段階では隠していたが、ドータクンをサポートしたパーティにはラウドボーンも入っており、同じくミミッキュトリックルームから展開する裏選出として待機していた。現環境の傾向からラウドボーンの火力よりも搦め手を意識しているところに、火力を出せるラウドボーンで奇襲をかけていく。

 基本の動きとしてはガブリアスステルスロックを撒いて0.5~1.5体削る(優先度は削り<ステロ)、ミミッキュトリックルーム+その場面に必要なサポート、トリル下でラウドボーンがスイープといったトリル軸の基本的な動きをするだけ。ギミックもコンボもない正直言って面白みのない遊び方をする。

 以下、使用個体。

 ラウドボーン@のどスプレー

 トリル下での運用なのでHCベース、Hは実数値191で16n-1、Cは特化、残りをBに振ってSは最遅。HBは同じ16n-1で比較すると191-141(残り努力値最大)、207-124(同)だと物理耐久指数は前者が26,931で後者が25,668になるので、前者の方が固くなる。物理受け運用ではないので素直にHPに割いた方がバランスは取れるが、そもそも特殊にそこまで信用を置けないラウドボーンを特殊に当てること自体が少ないので物理耐久指数を優先した。

 フレアソング+のどスプレーで1ターンに2度Cを上げられるのは時間制限のあるトリルエースと相性が良いと感じたので採用。やや前提となる部分があるので炎が等倍以上の相手と対面させる、ラウドボーンに繋ぐまでのガブリアスミミッキュの削りが重要になる。

 テラスタイプはテラバースト前提となる。炎+霊の範囲で大体等倍以上を取れるが、主にドラゴンを意識した昔ながらのめざ氷感覚で採用した。具体的に当てたい相手としてカイリューボーマンダサザンドラセグレイブなどが挙げられるので岩でも良さそうだが、そうすると地面が抜群のままなので非トリル下での選択肢が狭まってしまう。また、セグレイブはテラ地面が主流のようなので岩だと墓穴を掘ってしまう。素の状態で炎や格闘技が飛んで来ないラウドボーンの元タイプとも相性がいい。

 

実戦レポート

 解説する試合のパーティと選出。

 トリル下でラウドボーンを抜けるポケモンがパッと見でいないので。

 初手はガブリアスドラパルト

 剣盾環境ならミミッキュに引いたと思うが、当たるドラパルトが特殊ばかりだったので襷もあるしステルスロックを優先。ドラゴンアローが飛んで来たら死に出しミミッキュでカバーできると思ったので居座った。みがわり→おにびガブリアス弱体化。

 ウルガモスで起点にしにきたが、ステロガブなのでがんせきふうじがあって助かった。ちょうのまいを何度積まれてもSは据え置きのまま、そもそもラウドボーンがいるのでそこまで脅威ではない。あさのひざしで回復を挟むも、堪らずテラスタルを使用した。

 次のあさのひざしのタイミングでミミッキュに交代、トリックルームからラウドボーン召喚を狙う。

 ここから捲らなければいけない。裏は火傷してアタッカーとしてはほぼ機能しないガブリアスミミッキュなので、エースの奮闘が求められる。

 ウルガモスには1発目のフレアソングを耐えられてしまったが、逆にいえば安全な対面でCを三段階(フレアソング*2+のどスプレー)上げられたのでパワーは十分。

 トリックルームラストターン、まずはロトムから出てきた。

 相手はウルガモスにテラスタルを使用したので、ロトム+ドラパルトには相性通りの攻撃技を選択すればいい。両者に一貫するシャドーボールロトムを撃破。

 ちなみに、特化ラウドボーン+3シャドーボールH振りロトム(157-127)に対して159~187ダメージなのでかなりギリギリ。環境的に少数だと思われるが、チョッキやHDだった場合は耐えられた。

 最後の1体ドラパルトみがわり+おにびを見たのでたたりめもあることを考慮し、ラスタルを使用。ドラパルトの攻撃を耐えればほぼ勝ちの状況でりゅうせいぐんを耐えて返して勝ち。対戦ありがとうございました。

 なんとしてもガブリアスを起点にしたい相手の焦りで早めのテラスタルを誘発できたが、そもそもラウドボーンの可能性を考慮した場合、早々にウルガモスにテラスタルを使用する必要は無かったと思う。ロトムとドラパルトのテラスタイプ次第だが、やや助けられた節があるのでもう一試合。

 解説する試合のパーティと選出。

 初手デカヌチャン、拘りスカーフorメガネのサザンドラorロトムのうちどれか一体が来ると読んで、いずれにも対応できる襷ガブリアスからミミッキュ、全体的にゴーストの通りが良いのと氷テラバーストでサザンを刺したいのでラウドボーン

 初手ガブリアスデカヌチャンだったので、とりあえずじしんから入るとロトムに引かれて、トリック警戒でがんせきふうじを押した。ロトムハイドロポンプを外したので余裕があると見てステルスロックを押したらデカヌチャン。

 またロトムに戻して~とやっているうちにロトムがテラスタルフェアリーを使用。こちらは安定行動をしているだけだったが、悉く攻撃を透かせるので気持ちよくなったのだろうか。ロトムに対しては余裕があるのでミミッキュに引き、ここからラウドボーンを召喚する手はずを整える。

 ミミッキュが倒されて死に出しラウドボーン

 基本的に安定行動しかしないのでデカヌチャン対面でフレアソングサザンドラに引かれる。

 このサイクルでサザンドラを倒すということは氷テラバーストが要求される。サザンドラを除外してもトリックルームターンは残り1、相手はロトムを切ってトリルが終わるターンにデカヌチャンを出してデカハンマーを選べばいい。とはいえ、ここはサザンを倒さなければいけないのでテラスタル

 サザンドラとデカヌチャンを処理してトリックルームターン終了。ロトムではなく先にデカヌチャンが来るということはデカハンマーを採用していない、ステロ+電磁波+アンコール+はたきおとすのような構成だったか。

 氷ラウドボーンがロトムハイドロポンプを耐えて返して勝ち。対戦ありがとうございました。

 先発ガブリアスの攻撃をいなすためにテラスタルを早々に使用したのがこちらにとって有利だった。サザンドラに鋼テラスタル等を使う余地が無かったので、氷テラバーストで刺せた。デカヌチャンのデカハンマーがない、もしくは相手が自分の勝ち筋を把握できていなかったことが幸いした部分もある。

 尤も、A252デカヌチャンデカハンマー今回使用したラウドボーン(191-141)が氷タイプだとしても164~194ダメージなので、やや有利な乱数で耐える。ただ、先発で起点を作るデカヌチャンがどう努力値を振るのか分からないので何とも言えない。

 

反省点

 環境でも人気のポケモンを3体使っているので当然強い。記事を読んだ方も「そらそうよ」と思うだろう。

 正直ラウドボーンのテラスタイプはよく見るフェアリーで十分だと思うが、そこは独自性と奇襲性を出したいと思って氷にした。防御タイプとしては率直に言って弱く、炎+霊との補完性もそこまで高くないので、ただの逆張りで終わっている気がする。

 ただ、非トリル下でフレアソングを積まなくともカイリュー地震を等倍で受けつつテラバースト氷で返せたのは良かったが、良くも悪くもその程度だった。

 

おわりに

 年内の戦術記事は本記事をもって終了します。今年も一年ご愛読ありがとうございました。次回は2022年を振り返る総集編を予定しておりますので、一緒に弊ブログの2022年を振り返りましょう。

 

 それでは今回はこのへんで。何かありましたらコメント欄かTwitterまでお願いします。

 TwitterMなか (@Mnaka_udn0525) / Twitter

 アーカイブはこちら→【ポケモンSV】ポケモン名別戦術記事まとめ - 受けルガチアンチ

 

【ポケモンSVシングル】無限ドータクン(やや有限である)

 

 どうも。

 今回は脇役に回りがちなドータクンが主役になります。

★本日のおしながき

いつだって縁の下の力持ち

 ドータクンといえば高水準のBD、鋼+エスパーの独特なタイプの組み合わせに特性ふゆうorたいねつ弱点タイプをひとつ減らすことができる安定感がウリであり、行動保証のあるサポート役として初出の第4世代から活躍を続けてきた。

 当時は初動のパワーで耐久振りドータクンを一撃で倒せるポケモンが少なかったので、きあいのタスキではなくしめったいわを持つ余裕があり、あまごい+だいばくはつから雨エースに繋げる動きや、トリックルームの始動要員としてバトレボ~BWレートでよく見た記憶がある。

 このように、ドータクンはチームのエースを立てるためのコストとして使われる機会が多く、いつだって縁の下の力持ちとして活躍してきた。つい先日までワールドカップが開催されていたので、サッカー選手に例えるならクロード・マケレレ氏のような存在である。

 今回はいつもチームのために貢献してくれるドータクンを主役として活躍させようと思う。

 

戦術紹介

 今作はテラスタルによる相性の有利不利の逆転が起こりやすく、これまでのようにタイプ受けをする難しさがある。タイプに依存しすぎると思わぬテラスタルで崩されてしまうことがあり、現環境ではアーマーガアドオーといったある程度数値で受けられるポケモンが人気のようだ。

 鋼の相性が見直された第6世代以降のドータクンは従来の炎・地面に加えて弱点に悪・ゴーストが追加されたが、特性をヘヴィメタルにしない場合は実質弱点が3つと優秀な複合タイプである。

 しかし、ドータクンが苦手な4タイプはいずれもメジャーな攻撃タイプであり、特に近年は優秀なゴーストタイプが毎世代登場するので、第5世代以前より縛りの関係が増えているようにも思える。

 そこで、今回は特性ふゆうドータクンラスタル電気を使用し、耐性の減少と引き換えに弱点を消すことで安定感のある数値受けとしての活躍を狙いたい。

 

 問題点として、ドータクンじこさいせいはねやすめのような高速回復技を覚えない。ねむるを覚えるが安定して使えるのはカゴのみと合わせられる1回のみ、リサイクルを覚えるが特性しゅうかくと違って使った木の実を回収するのに一手要するので遂行速度が遅い。

 ふゆう+テラ電で弱点を消したところで高速回復技がない、決め手になるようなパワーも無いので数値があってもゴリ押しに弱い。それでは安定感がないので、ドータクン単独で動かすよりもチームワークの力で生かす方法を考えたい。

 

 今回はミミッキュの手厚いサポートからドータクンを出撃させる「ミミタクン戦術(直球)」を遂行する。

 天敵ドリュウズがいない環境なので厚い行動保証からトリックルームを決めやすく、さらにおにびによる物理に対する永続デバフひかりのかべによる特殊に対する一時的な誤魔化しを施し、ドータクンへと繋いでいきたい。

 ドータクンはトリル下で多くのポケモンに対して先行できるので、てっぺきorめいそうで対面のポケモンに先回りして耐久バフを得たい。これらの技をと相性のいいアシストパワー(SVで新規習得)とボディプレスを適宜絡めつつ、無限に居座ることを目指す。

 回復ソースはたべのこしなので回復量は毎ターン緩やかながら、ミミッキュのサポートと自身のバフがあれば3~4ターンは猶予があるのでその間に仕上がるように立ち回りたい。基本的にテラスタルは温存し、サーフゴーソウブレイズといった明確にドータクンの弱点を突きに来るポケモンと対面して初めて電気タイプにチェンジ。

 以下、使用個体。

 ドータクン@たべのこし

 特に仮想敵はいないのでシンプルにHD特化。てっぺきめいそうの遂行速度を考えると後者の方が遅いので、少しでもベースとなる数値を高くするためにD特化にした。

 トリル下で動かすので最遅でもいいが、電気タイプになる前の不意のイカサマで痛手を負わないようにAを下げた(現状A0厳選が難しいので)。

 耐久バフの増加=技の威力増加につながるアシストパワーボディプレスは素の火力が低いドータクンと相性が良く、さらには攻撃範囲の補完(主に悪タイプへの打点)もできているので、この点は第9世代ならではのドータクンの強みだと思っている。

 

実戦レポート

 解説する試合のパーティと選出。

 ダグトリオステルスロック+おきみやげからセグレイブが見え隠れするので、ダグトリオを起点にできるドータクンから。保険としてサポートのミミッキュ、スイーパーにドドゲザンを選出。

 初手ドータクンドドゲザンだったので一旦ミミッキュに引いてトリックルーム+おにびからドータクンに戻した。

 悪タイプが弱点なのでテラスタルを使用、電気+ふゆうで弱点が無しに。火傷したドドゲザンを起点にてっぺきを積む。

 拘りトリックをしに来ましたというのが見え見えのロトムが来たのでボディプレスに切り替え、ゴリ押しでロトムを突破。

 2サイクル目のドドゲザンもボディプレスで突破。

 ロトムと撃ち合ったので回復が追い付かず、ファイアローを削ってドータクンが陥落、最後は総大将ドドゲザンに締めてもらって勝ち。対戦ありがとうございました。

 解説する試合のパーティと選出。

 初手キラフロルガブリアスステルスロックを撒きたい選出をするならアドバンテージなのでこちらもドータクンから。同様に保険としてミミッキュ、この2枚だと初手キノガッサに対応できないので次回の記事で登場するポケモンを3枚目のカードに選出。

 初手ドータクンキラフロル

 キラフロルの一致ウェポンはどちらも半減以下、サブにだいちのちからがあってもふゆうでケアできるのでめいそうから。ステルスロックを撒いたのちガブリアスにスイッチ。恐らくキラフロルに有効打はないと読んで交代読みてっぺきを押しておいた。

 ガブリアス炎テラスタルが多いと感じるので(あくまで個人の印象)、ここでテラスタルを使用しつつてっぺきを選択。相手視点でふゆうたいねつは見えていないのでじしんが飛んできた。

 余裕があるので攻撃技の打点を上げるためにもう一度てっぺきを選択、ガブリアスからキラフロルに交代。次のターンにアシストパワー(ランク上昇8つ=威力180)でキラフロルを撃破。

 イッカネズミネズミざんを10発耐えてボディプレスで返す。

 結果としてネズミざんが等倍になったのでガブリアス対面でのテラスタルはプレイングミス。10回当たった中で一度も急所に当たらなかったのは運が良かった。

 最後はアシストパワーガブリアスを倒して勝ち。対戦ありがとうございました。

 初手の対面ががっちり嵌ったのでドータクン1体で完封することができた。繰り返しになるがガブリアス対面のテラスタルは早とちりで、結果的にイッカネズミ対面で危険な橋を渡ったので、10連続技で一度も急所を引かなかった運の良さがあったことは認めなければいけない。

 

反省点

 回復ソースがたべのこしなので、急所被弾時や鉢巻眼鏡などによる初動から火力を出せるポケモンと対峙したときの立て直しが難しく、攻撃を受ける回数が多くなる分急所を引く確率も上がるので、その点に関しては文句を言えない。

 あとはシンプルにトリックちょうはつによる妨害耐性がない、ミミッキュ1体を犠牲にして遂行速度の遅い受けポケモンを出すので、ドータクンで相手を止められない場合は3体目にかかる負担が大きいのが難点か。

 今回のテーマである「ドータクンを主役に」という点では満足だが、勝率という点ではドータクンをサポートの回した方が良さそうだ。

 

おわりに

 今作はポケモン一体につきタイプの数だけ使い方がある(とはいえ重複する部分はあるけれど)ので、一見同じことをするだけでもちょっとした差異があってそこが楽しさとか奥深さにつながるのでしょうか。

 これから公式の統計やプレイヤーの構築記事が出回ると「このポケモンはこのテラスタイプ!」「じゃあそれを読んでこのテラスタイプ!」みたいなメタが回り始めると思うので、これまで以上に情報収集のアンテナを張り巡らせる必要がありそうです。

 

 それでは今回はこのへんで。何かありましたらコメント欄かTwitterまでお願いします。

 TwitterMなか (@Mnaka_udn0525) / Twitter

 アーカイブはこちら→【ポケモンSV】ポケモン名別戦術記事まとめ - 受けルガチアンチ

 

【ポケモンSVシングル】毒ネコダチョウ

 

 どうも。

 今回は第9世代では初めての毒菱で遊びます。

★本日のおしながき

最後の砦・どくびし

 突然で恐縮であるが、弊ブログの三種の神器とは何か。

 こだわりハチマキ、こだわりメガネ、いのちのたま?いいや、それは役割論理の話だろう。弊ブログにおける三種の神器とは「メロメロ」「どくびし」「キョダイヒャッカ」であることは、読者の皆様は周知している筈だ。

 しかし、今作SVではメロメロの技マシンが削除され、ダイマックスが無いのでキョダイヒャッカ(使用者が場を離れても継続するバインド)がない。三種の神器のうちふたつが失われている、まさに飛車角落ちの状態である。

 

 とはいえ、どくびしは健在だ。

 現環境ではキョジオーンサーフゴーといった状態異常(毒)に耐性を持つ新ポケモンカイリューサザンドラといった浮いている既存のポケモンが人気だが、よく考えてほしい。ザシアンや日食ネクロズマ、ムゲンダイナといった毒菱が効かないポケモンだらけの剣盾末期環境も生き抜いてきたので、今の環境程度なら全く問題ない。

 今回は対戦初心者のプレイヤーにも役に立つ、毒菱を使った正統派のコンボを解説する。

 

戦術紹介

 どくびしと合わせて強いのはまもるみがわりによる遅延戦術が代表的。

 第4〜5世代で使っていたのは毒菱要員+加速メガヤンマ(めざ炎)+しんりょくジュカイン(めざ氷)のような形で、速いポケモンまもみがで時間を稼ぎ、攻撃圏内までHPを削ったら攻めるオーソドックスなもの。

 現在の環境はラスタルという特異な要素はあるものの、メガシンカダイマックスがない分4~5世代の対戦環境に似ていると感じるので、過去の自分が使用したものに倣って第9世代の毒まもみがを作っていく。

 

 毒菱要員はキラフロルドヒドイデ

 キラフロルは物理技を受けると毒菱を撒く特性どくげしょうを持ち、うまくいけば1ターンで2段階の毒菱を設置できるのが魅力。また、C種族値130と一般ポケモンの最高クラスなのでアタッカーとしても優秀。

 ドヒドイデは高い耐久力に裏打ちされた行動保証が魅力。現在は積みサイクル系のパーティが多いので、くろいきりで起点化を防ぐ手段を持っているところも今の環境に向いている。純粋に強力な電気や地面アタッカーが少ないのも追い風か。

 メガヤンマの枠にはエスパトラを準備した。

 現状では特性かそくを持つ唯一の最終進化系なので、消去法といえば消去法。毎ターンのエンドフェイズ時にSが上がっていくので特性すりぬけ、連続技、先制技、音技が無ければまもる+みがわりで完封できる。

 ジュカインの枠にはマスカーニャ

 この枠の要素を分解すると(1)純粋に素早さが高い(2)みがわりと相性の良い特性を持っているということになり、ジュカインよりもS種族値が3高く、同じく草御三家専用特性のしんりょくを持つマスカーニャがピッタリ。

 

 先発が毒菱を撒きつつ対面のポケモンも毒状態にして、後続がまもみがを繰り返すだけで勝てるようにするのが理想。なので、特性いたずらごころで補助技の優先度が上がるオーロンゲや、圧倒的S種族値を持ち一致たたりめを使えるドラパルトなども相性がいい。

 以下、使用個体。

 クエスパトラ@たべのこし

 HPはたべのこし4回でみがわり1回分回復できる16n+1を作ってできるだけ大きく、Sは最速サザンドラ+1(味方のどくどく前提)、残りはアシストパワーの打点が欲しいのでCに。

 マスカーニャ@チイラのみ

 シンプルにASに振って端数の4をHPに振ることで4n(みがわり3回でチイラのみ発動)になる。速いまもみが使い、チイラ+しんりょく+テラ草で火力を盛れるアタッカー。

 キラフロルはCS、ドヒドイデはSにちょっと割いたHBで特記することがないので割愛。

 

実戦レポート

 解説する試合のパーティと選出。

 パッと見で起点作成デカヌチャン+カイリューウルガモス、セグレイブの積みサイクルに見えるのでキラフロルよりもドヒドイデを優先。つららばりしんそくむしのさざめきなどでまもみがが縛られているのでエスパトラのみを選出、スイーパーにドドゲザンをチョイス。

 初手ドヒドイデウルガモス

 どくびしを撒いてちょうのまいくろいきりでリセットしつつウルガモス自体にも毒を入れることに成功。ジワジワ削られるがどくびしを2段階撒き、ウルガモスに起点にされることは分かっていたので仕込んだアクアブレイクで削って退場。

 死に出しエスパトラウルガモスのHPゲージが毒圏内だったのでまもるを選択して毒殺。

 パーモットに対しても同様。

 みがわりまではないと考えてテラスタルを使用したのか、まもみがで攻撃をいなしつつHPを削る。

 まもるのタイミングに交代を合わせてセグレイブ登場。

 連続技を持っているのでみがわりは使えない、まもるに合わせて竜舞を積まれると負け筋になるので、毒ダメージの蓄積と併せてなんとかドドゲザンの攻撃圏内に入れたい。

 ドドゲザンはテラスタイプが飛行なので、パーモットまで考えると不要になる。つまり、ここはクエスパトラにテラスタルを使用してできるだけアシストパワーの打点を上げたい。

 この時点で能力上昇はS+5のみなのでシンプルに威力120の一致エスパー技程度の火力しか出せず、セグレイブを倒すことはできなかった。

 つららばりをクエスパトラが耐えたのでまもるで遅延、こおりのつぶてドドゲザンで透かしつつ毒ダメージの蓄積で毒殺完了。死に出しの場合ふいうちじゃんけんが面倒なので、クエスパトラが耐えてくれたのが大きかった。

 削れたパーモットを倒して勝ち。対戦ありがとうございました。

 毒菱+まもみがで荒らしてスイーパーで一掃する理想的な動きができたが、せっかくなのでマスカーニャのパターンも掲載する。

 解説する試合のパーティと選出。

 オーロンゲがいるのでいたずらごころによる妨害を受けないマスカーニャ。また、アシパワンウェポンのクエスパトラだと相手のマスカーニャとオーロンゲに対して遂行速度が下がるので選出できない。毒菱を踏まないボーマンダ、毒が効かないハッサムを処理するためにスイーパーのドドゲザン。こちらもロンゲ始動の積みサイクルに見えるので先発はドヒドイデ

 初手はドヒドイデオーロンゲ

 ちょうはつ持ちならドドゲザンに引くことを選択肢に入れつつ、どくびしを撒いた。パーティが積みサイクルっぽいので両壁+捨てゼリフ+ワンウェポンではないかと推察する。

 ロンゲがやることをやったので捨てゼリフが来そうなタイミングでどくどくを押したら素引きからボーマンダにヒット。ラムのみで回復されたので再度毒を入れつつ、起点にならないようにくろいきりを連打。

 まもみがで2体毒殺。

 マスカーニャチイラのみ+しんりょくを発動させた。最後の一体がヘイラッシャなら比較的安全に勝てるか。

 死に出しウルガモス

 まもるに蝶舞を合わせられるとマズいので攻撃。しんりょく込み+1トリックフラワーで草技を1/4で受けられるウルガモスに対して大体半分削れた。与ダメージ的にウルガモスは無振りである可能性が高いが、この条件のトリックフラワーが39.1~46.0%ダメージなので良い乱数を引けた。

 ふいうちの場合は70.8~83.9%ダメージを与えられるが、ふいうち読み蝶舞を通されると危険なので自重した。結果論だが、初めにトリックフラワーで削りを入れておけば蝶舞を使われても毒ダメとふいうちで縛れるので、これで良かったと思う。

 最後は総大将に締めてもらって勝ち。対戦ありがとうございました。

 風船ヒードランのいない環境で格闘ウルガモスは珍しいなと思った。蝶舞から捲られるのを過度に恐れて、マスカーニャのところで一手早まったところは反省したい。猛毒を受けているので積み技から入りにくいことを考慮したら、まもる→ふいうちでも良かったかもしれない。いずれにせよ、ドドゲザンがヤワなポケモンではないので安心してアンカーを任せられた。

 

反省点

 キラフロルを選出した試合もあったが、ドヒドイデが圧倒的に使いやすかった。

 というのも、レジエレキやサンダーといった一致電気アタッカー、ドリュウズランドロスといった一致地面アタッカーがいないので、不一致程度なら2発耐えてしまうドヒドイデの行動保証が強かった。

 キラフロルは物理で攻撃してもらわなければ性能を100%発揮できないので、夢特性ふしょくで鋼+毒対策として採用した方がパーティに選択肢が増えそうだった。

 これに関しては完全に言い訳だが、育成が追い付いていないので使えるポケモンの選択肢が少ない。ドドゲザンはさておき、鋼+毒にあまり強くないミミッキュの枠は毒菱を踏まない具体的なポケモンに対するメタカードを入れた方が強い。

 

おわりに

 クエスパトラのNNはコリジョンルールの導入でパワプロから消えた特殊能力。ブロック○とか体当たりは効果は据え置きのまま、別の特殊能力に生まれ変わったみたいですね。

 コリジョンとかワンポイント禁止、いわゆる大谷ルールの適用とか野球ゲームを作る会社は目まぐるしいルール変更に頭を抱えていそうですね。

 

 それでは今回はこのへんで。何かありましたらコメント欄かTwitterまでお願いします。

 TwitterMなか (@Mnaka_udn0525) / Twitter

 アーカイブはこちら→【ポケモンSV】ポケモン名別戦術記事まとめ - 受けルガチアンチ

 

【ポケモンSVシングル】影武者ヘイラッシャ猫トラップ

 

 どうも。

 今回は通常通り戦術記事を書きます。

★本日のおしながき

パルデアにもケンタロス

 今年の6月にポケモン剣盾の戦術記事として以下のものを投稿した。

 日食ネクロズマの天敵である一撃ウーラオスをメタ対象とした内容で、ウーラオスあんこくきょうだを日食ネクロズマの代わりにケンタロスが受けて、特性いかりのつぼにより労せず攻撃を最大限まで上げようという戦術だ。

 今作SVではなんと、ケンタロスのリージョンフォルムが3種も追加され、おまけに確定急所技を持つ新ポケモンまで新規で登場した。となればさっそくケンタロスを殴ってもらって(パワーを)ギンギンにしてもらおうと考えた。

 

戦術紹介

 今回は現環境で使用率が高いマスカーニャの専用技であるトリックフラワー(草物理威力70+確定急所+必中)を誘導し、ケンタロスいかりのつぼを発動させようというシンプルなものだ。

 しかし、ただそれだけでは誰でも思い付く。面白い絵面が取れてもそれが勝利に繋がらない、戦局を左右するようなものでなければ読者の共感は得られない。そこで以前投稿した原種ケンタロスにはできない、パルデアならではの動きができるように編成することを心掛ける。

 パルデアケンタロスは格闘単、水+格闘、炎+格闘の3種類存在するが、草タイプのマスカーニャに後投げをするのでもちろんケンタロスをチョイス。さらにニトロチャージを使用することで、マスカーニャを処理しつつSを上げ全抜き態勢を整える。

 無論、水ケンタロスで誘って草半減テラスタルを使用してもいいが、あからさまなマスカーニャ有利対面はとんぼがえりを誘発するくさわけは覚えるがニトロチャージは覚えないので、炎ケンタロスで良いのではないかと考えた。

 

 問題は「どのようにしてトリックフラワーを誘うのか」ということだ。

 これはに関しては簡単で、キョジオーンヘイラッシャといった現環境で幅を利かせる草弱点の高耐久ポケモンを見せて選出を誘導すればいい。てっぺきのろいといった積み技に干渉されず、高火力一致技を叩きこめるマスカーニャはきっと来てくれる。

 今回は高い単体性能を誇るチョッキヘイラッシャを使ってみたかったので、このポケモンでマスカーニャを誘いつつケンタロスを展開していけるようなゲームメイクをする。

 以下、使用個体。

 オリジナル版はあんこくきょうだ被弾分ふいうちを透かすために使うみがわりのHBを確保しなければいけなかったのでAに努力値を割けなかったが、草技のトリックフラワーを炎タイプのケンタロスで受けるところから始まるので、シンプルにAS振りにした。Sは準速だと1加速で最速スカーフサザンドラを抜けないので最速。

 現段階では1シーズン分の詳細な数字が無いので印象でしか語ることができず、例えば「草テラスタル+鉢巻トリックフラワーをどの程度考慮すべきか」といったことを測れなかったので、最高火力に合わせるとなると耐久調整が必要になるだろう。

 今回はとりあえず陽気マスカーニャトリックフラワー(H4振り炎ケンタロスに25.2~29.8%ダメージ、草テラス有りだと33.1~39.7%)+じゃれつく(同44.4~52.3%ダメージ)を耐えられれば良しとして耐久は端数の4をHに振るだけにとどめた。

 トリックフラワーの被ダメを見ればA特化なのか鉢巻なのか分かるので、そこを基準に怪しければ炎テラスタルを使用してじゃれつくを半減できるようにした。

 アイテムは襷を考慮し、接触ダメージで削れるようにゴツゴツメットを持たせているのはオリジナル版同様(トリックフラワー自体は非接触)。

 

実戦レポート

 解説する試合のパーティと選出。

 何戦かやって分かったのが、ヘイラッシャを見せていると高い確率でマスカーニャから入ってくるということ。サザンドラマスカーニャ以外であればこれといって不利対面ではないのでヘイラッシャから。裏にはケンタロス、サザンが重いのでバンギラス

 序盤は全カットで。

 初手ヘイラッシャセグレイブボディプレス、死に出しキョジオーンウェーブタックルで削ってバンギラスにスイッチ。バンギがキョジオーンを処理してマスカーニャ登場。

 バンギマスカーニャ対面はトリックフラワーを誘導できそうなのでケンタロスにスイッチ。

 マスカーニャが鉢巻じゃれつくだった場合はバンギ+ケンタに一貫するので交代は悪手だが、こちら3体目は見せていないのでキラフロルまで考慮するとじゃれつくが安牌でもないか。

 トリックフラワーを誘導できた。

 ダメージ量的に陽気テラ草補正込み程度なので2発耐えるが、バンギが砂を撒いたのでちょっと怪しい。鉢巻だった場合は2発受からないので、勝ちに拘るなら死に出しが正解。

 技を撃ち分けられる場合はじゃれつくをケアしたいので、温存した炎テラスを使用してレイジングブルを選択したが降参が選ばれた。ケンタロスのスカーフ読みふいうちの択もあるので、安易に格闘を消すのは負け筋にもなる。対戦ありがとうございました。

 これはラスイチマスカーニャに危険な択を仕掛けただけなので、こんなものでは読者の皆様は納得しないだろう。もう一試合準備したのでそちらも解説する。

 解説する試合のパーティと解説。

 1試合目と同じような並びなのでラッシャケンタ+バンギ。

 初手はヘイラッシャイルカマン

 イルカマンはちょうはつ、こちらはクイタンをケアしてサザンマスカーニャにも通るボディプレス。2手目はボディプレスを見せたのでイルカマン+ソウブレイズに一貫するじしんを選択したらマスカーニャに素引き。理想対面を作れたのでケンタロスにスイッチ。

 相手視点でこちらの手持ちはヘイラッシャしか見えていなかったので、見えていないポケモンへの交代を読むよりトリックフラワーを押す場面だと考えた。しっかりとケンタロスの火力を引き出すことに成功。

 ニトロチャージを積めばスカーフサザンまで抜けるが、いくらSを上げても変身して帰って来るイルカマンのジェットパンチに縛られるので、炎技ケアでイルカマンやまだ見えていないサザンドラへの引きをケアしてインファイト

 死に出しイルカマン。

 前述の通り、イルカマンを除外しない限りケンタロスは縛られ続けるので残しても意味がないと判断しインファイトを選択したが、予想通りジェットパンチ

 これといって不利ではないのでヘイラッシャを再度出撃。イルカマンはビルドアップ+ドレインパンチ型だったが、A特化ヘイラッシャのゴリ押しで赤ゲージまで削る。

 イルカマンの体力ミリ残しでサザンドラにスイッチ。

 ヘイラッシャはテラスタイプ鋼+チョッキなのでサザンにもゴリ押しが効きそうではあるが、相手もテラスタルを温存しているので様子見でバンギラスへ。

 毒テラスタルを使用したサザンをスクショのゲージまで削ったところでイルカマンに引き、サザンを倒すために撃ったかみくだくがヒット。

 1サイクル目でしばき合った影響でバンギが削れてしまい、2サイクル目のサザンのりゅうせいぐんを耐えられなかった。

 動きが拘りだったのでヘイラッシャに鋼テラスタル、チョッキ+半減でもかなり削られたことからアイテムは眼鏡で確定だろう。最後は一致最大打点のウェーブタックルでサザンを処理して勝ち。対戦ありがとうございました。

 

 ケンタロスにトリックフラワーを当てた時点でどれか一体を倒されるのは確定しているのでマスカーニャを切ったのだと思うが、あそこでサザンを切って死に出しイルカマンだとマスカーニャを温存できたはず。

 イルカでケンタロスを除外すれば相手視点でヘイラッシャとバンギをマスカーニャで縛れたと思う。それならこちらもケンタロスを温存する動きをしたと思うので変わらないか。

 

反省点など

 先制技が強い環境なので、サイコフィールドでも展開しておかなければニトチャで加速してもケンタロスで全抜きはできなかった。まったく関係ないところで2回くらい全抜きが決まったので、炎+格闘とサブウェポンの通り自体は良好だった。

 結局これといったシナジーも生めなかったので、いかりのつぼを発動させて満足している凡庸な内容になった点は反省したい。

 

 これは反省ではないが、筆者はバイオレットで遊んでいるので炎ケンタロスが手に入らない。炎ケンタロスを交換してくれたひとりまつり氏の名を、感謝を込めて掲載する。

 同氏は剣盾の伝説環境から動画投稿を初め、末期環境も大体週1のペースを守って投稿を続けたガッツのある投稿者だ。火力指数を追求する戦術、謎コンボを負けを厭わない姿勢で追及し、ただ変わったことをして目立つのではなく絶対に勝ち試合を撮ろうという執念はリスペクトに値する。

 SVでも先日ついに動画を投稿されたので要チェックだ。

 こちらはペリッパー+鉢巻イルカマンの雨選出で受けという概念をぶち壊す火力回。往年のトノグドラを彷彿とさせるナイスコンビ。

 ドドゲザンが一致威力130ででかいきんのたまを投げつける火力シリーズ。なぜかスリーパーまできんのたまを持っているのがミソ。

 1戦目で使用したなげつけるの指数を計算してみると205(A特化仮定)*2.0(A+2)*130*1.5=79,950と、仕様上一回のみの大技になるが非常に高い数値を叩き出せる。マルスケ込みのカイリューを等倍で2/3程度削れるのはすごいパワー。

 

おわりに

 最近ワールドカップを観るのに生活が不規則で身体が怠いです。インフルエンザとかも罹りたくないのでチオビタ飲んで毎日生きています。栄養ドリンクのありがたみを年齢を重ねるごとに実感するのであった……

 

 それでは今回はこのへんで。何かありましたらコメント欄かTwitterにお願いします。

 TwitterMなか (@Mnaka_udn0525) / Twitter

 アーカイブはこちら→【ポケモンSV】ポケモン名別戦術記事まとめ - 受けルガチアンチ

 

【ポケモンSV】ポケモン名別戦術記事まとめ

 

 これまでに投稿した記事をメインとなるポケモンの名前で探せるようにしました。気が付いたら追加する予定なので、比較的新しい記事は掲載されていない可能性がありますのでご注意ください。何かありましたらコメント欄よりTwitterまでお願いします。

 筆者TwitterMなか (@Mnaka_udn0525) / Twitter

【ア行】

・アップリュー

【ポケモンSVシングル】スナノリンゴ 超高速展開重力 - 受けルガチアンチ

・アヤシシ

【ポケモンSVシングル】ガチグマ絶対○すアヤシシ - 受けルガチアンチ

・アラブルタケ

【ポケモンSVシングル】アラブルタケは成長期(AS編) - 受けルガチアンチ

【ポケモンSVシングル】アラブルタケは成長期(HB編) - 受けルガチアンチ

・イーユイ

【ポケモンSVシングル】影武者寿司(イーユイ+シャリタツ) - 受けルガチアンチ

【ポケモンSVシングル】つくってあそぼ ~さいきょうのテツノドクガ(イーユイ)編~ - 受けルガチアンチ

・イキリンコ

【ポケモンSVシングル】総大将は静かに暮らしたい - 受けルガチアンチ

・イダイトウ

【ポケモンSVシングル】すいすい(すいすいではない)イダイトウ - 受けルガチアンチ

・イダイナキバ

【ポケモンSVシングル】イダイナ牙(タスク) - 受けルガチアンチ

・イルカマン

【ポケモンSVシングル】三点交換詰ませイルカマン - 受けルガチアンチ

【ポケモンSVシングル】いともたやすく行われるえげつないイルカマン - 受けルガチアンチ

ウインディ

【ポケモンSVシングル】✞Justified✞ -せいぎのこころ- - 受けルガチアンチ

エルレイド

【ポケモンSVシングル】✞Justified✞ -せいぎのこころ- - 受けルガチアンチ

【ポケモンSVシングル】さいみんじゅつマナー講座 - 受けルガチアンチ

・オオニューラ

【ポケモンSVシングル】超次元殺法・ブリニューラ - 受けルガチアンチ

【カ行】

カイリュー

【ポケモンSVシングル】実質ばけのかわ2枚+マルチスケイルカイリュー - 受けルガチアンチ

・ガチグマ

【ポケモンSVシングル】超次元殺法・ブリニューラ - 受けルガチアンチ

【ポケモンSVシングル】鉢巻+スカーフ+チョッキ全部持ちガチグマ - 受けルガチアンチ

【ポケモンSVシングル】令和のライコウローブ - 受けルガチアンチ

・キョジオーン

【ポケモンSVシングル】スピードフォルム・キョジオーン - 受けルガチアンチ

【ポケモンSVシングル】総大将は静かに暮らしたい - 受けルガチアンチ

キリンリキ

【ポケモンSVシングル】つくってあそぼ ~さいきょうのテツノドクガ(イーユイ)編~ - 受けルガチアンチ

・クエスパトラ

【ポケモンSVシングル】ゆるふわクエスパトラ - 受けルガチアンチ

【ポケモンSVシングル】さいみんじゅつマナー講座 - 受けルガチアンチ

【ポケモンSVシングル】毒ネコダチョウ - 受けルガチアンチ

ケンタロス(炎)

【ポケモンSVシングル】影武者ヘイラッシャ猫トラップ - 受けルガチアンチ

・コイル

【ポケモンSVシングル】コイルハカドッグ - 受けルガチアンチ

・コノヨザル

【ポケモンSVシングル】スカーフビルドアップ・コノヨザル - 受けルガチアンチ

コロトック

【ポケモンSVシングル】捕食者(プレデター)・コロトック - 受けルガチアンチ

【サ行】

・サーフゴー

【ポケモンSVシングル】時限式ふうせんサーフゴー - 受けルガチアンチ

・サケブシッポ

【ポケモンSVシングル】トドロクシッポ滅びサイクル - 受けルガチアン

・シャリタツ

【ポケモンSVシングル】影武者寿司(イーユイ+シャリタツ) - 受けルガチアンチ

・スナノケガワ

【ポケモンSVシングル】スナノリンゴ 超高速展開重力 - 受けルガチアンチ

・スリーパー

【ポケモンSVシングル】自分のことをクエスパトラだと思い込んでいるスリーパー - 受けルガチアンチ

・セグレイブ

【ポケモンSVシングル】ア イ ス ボ デ ィ ・ セ グ レ イ ブ - 受けルガチアンチ

【ポケモンSVシングル】剣 舞 セ グ レ イ ブ - 受けルガチアンチ

ゾロアーク(原種)

【ポケモンSVシングル 番外編】起点作りゾロアーク いちゃもん+アンコールのココが凄い! - 受けルガチアンチ

【タ行】

タギング

【ポケモンSVシングル】タギングル四十八手 - 受けルガチアンチ

・チオンジェン

【ポケモンSVシングル】成長するC - 受けルガチアンチ

チャーレム

【ポケモンSVシングル】パワートリック・チャーレム - 受けルガチアンチ

・チヲハウハネ

【ポケモンSVシングル】こらきしスカーフチヲハウハネ - 受けルガチアンチ

・デカヌチャン

【ポケモンSVシングル】連射可能デカハンマー - 受けルガチアンチ

・テツノイバラ

【ポケモンSVシングル】実録・機動戦士テツノイバラ戦記 - 受けルガチアンチ

・テツノカイナ

【ポケモンSVシングル】削り取るテツノカイナ - 受けルガチアンチ

・テツノコウベ

【ポケモンSVシングル】晴れっぽいツツミコウベ - 受けルガチアンチ

・テツノツツミ

【ポケモンSVシングル】晴れっぽいツツミコウベ - 受けルガチアンチ

・テツノドクガ

【ポケモンSVシングル】超活性テツノドクガ - 受けルガチアンチ

・テツノブジン

【ポケモンSVシングル】帰ってきた霧払い催眠 ~テツノブジンを添えて~ - 受けルガチアンチ

・テツノワダチ

【ポケモンSVシングル】重火力両刀テツノワダチ - 受けルガチアンチ

ドータクン

【ポケモンSVシングル 特別編】緊急ミッション:ドラテガブを完封せよ - 受けルガチアンチ

【ポケモンSVシングル】無限ドータクン(やや有限である) - 受けルガチアンチ

・トドロクツキ

【ポケモンSVシングル】トドロクシッポ滅びサイクル - 受けルガチアンチ

・ドドゲザン

【ポケモンSVシングル】総大将は静かに暮らしたい - 受けルガチアンチ

・ドラパルト

【ポケモンSVシングル】ロックオン偽装ドラパオジ - 受けルガチアンチ

【ナ行】

ヌメルゴン(ヒスイのすがた)

【ポケモンSVシングル】鉢巻Hヌメルゴン(+軽石ロトム) - 受けルガチアンチ

【ハ行】

・パオジアン

【ポケモンSVシングル】ロックオン偽装ドラパオジ - 受けルガチアンチ

【ポケモンSVシングル】帰って来たパルボルト - 受けルガチアンチ

【ポケモンSVシングル】チオンジェン破壊ブラッキー (withパオジアン) - 受けルガチアンチ

・ハカドッグ

【ポケモンSVシングル】コイルハカドッグ - 受けルガチアンチ

バクフーン(ヒスイのすがた)

【ポケモンSVシングル】浮遊バクフーン - 受けルガチアンチ

・ハバタクカミ

【ポケモンSVシングル】(重すぎて)ハ バ タ カ ナ イ カ ミ - 受けルガチアンチ

【ポケモンSVシングル】同担拒否★ハバタクカミ - 受けルガチアンチ

・ハリーマン

【ポケモンSVシングル】毒菱レイスポス★プリティーダービー改 - 受けルガチアンチ

パルシェン

【ポケモンSVシングル】帰って来たパルボルト - 受けルガチアンチ

ファイアロー

【ポケモンSVシングル】さいみんじゅつマナー講座 - 受けルガチアンチ

ブラッキー

【ポケモンSVシングル】チオンジェン破壊ブラッキー (withパオジアン) - 受けルガチアンチ

・ブリムオン

【ポケモンSVシングル】超次元殺法・ブリニューラ - 受けルガチアンチ

・ヘイラッシャ

【ポケモンSVシングル】弱 保 ヘ イ ラ ッ シ ャ - 受けルガチアンチ

ボーマンダ

【ポケモンSVシングル】鉢 巻 ボ ー マ ン ダ - 受けルガチアンチ

ボルトロス

【ポケモンSVシングル】帰って来たパルボルト - 受けルガチアンチ

【マ行】

・マスカーニャ

【ポケモンSVシングル】天然封じマスカーニャ - 受けルガチアンチ

【ポケモンSVシングル】増殖する猫 - 受けルガチアンチ

【ポケモンSVシングル】連射可能デカハンマー - 受けルガチアンチ

【ポケモンSVシングル】毒ネコダチョウ - 受けルガチアンチ

マルノーム

【ポケモンSVシングル】丸ノウム・サディスティック - 受けルガチアンチ

モルフォン

【ポケモンSVシングル番外編】愛人起用モルフォン - 受けルガチアンチ

モロバレル

【ポケモンSVシングル】受 け な い ル ー プ - 受けルガチアンチ

【ヤ行】

・ヤドラン(原種)

【ポケモンSVシングル】ザ・ウォール・オブ・ヤドラン - 受けルガチアンチ

【ポケモンSVシングル】テラ草ヤドランロック ~初手ガッサはアカンすよ~ - 受けルガチアンチ

【ラ行】

・ラウドボーン

【ポケモンSVシングル】全抜きラウドボーン - 受けルガチアンチ

・ラブトロス(化身)

【ポケモンSVシングル】逆ルームサービスおばさん無双 - 受けルガチアンチ

・レイスポス

【ポケモンSVシングル】毒菱レイスポス★プリティーダービー改 - 受けルガチアンチ

【ワ行】

・ワナイダー

【ポケモンSVシングル】ワナイダー+ゴチルガッサ ~不思議空間へようこそ~ - 受けルガチアンチ

【その他コラムなど】

ランクマ人口(シングル)の推移はこちら

【まとめ】ポケモン名別戦術記事一覧 - 受けルガチアンチ(剣盾記事まとめ)

【ポケモンSV】ポケモンSVを1週間遊んでみた - 受けルガチアンチ

【ポケモンSVシングル】マジックルーム構築(マジルパ)について考える - 受けルガチアンチ

 

【ポケモン剣盾番外編】第5回しよマキノカップ 参加してみた ~タイター式雨霰ナンス~

 

 どうも。

 一般ポケモンオタク、奇妙な戦術で仲間大会に参加してみたシリーズの第7弾です。

★本日のおしながき

大会概要

大会名:第5回しよマキノカップ

主催:紫代マキノ 氏

開催:11/12(土)の21:00~23:59

ルール:シングル バトルタワー(NN表示あり)

その他:対戦回数25回

制限:幻、禁伝禁止。準伝(UB含む)はPT内に1体まで。ミミッキュ、ドラパルト、ギルガルド、ラッキーは使用禁止。過去作限定技禁止。

参加者:延べ236名(順位が記載されたのは218名)

 

参加経緯

 先日投稿した「2082年くらいのランクマで流行っていそうなパーティ」という企画記事があり、(1)天候特性を持つポケモンにデフォと異なる天候技を持たせた天候2軸(2)アタッカーソーナンスのスタンダード化といった空想を膨らませてランクマに潜った。

 可能な限り火力を高めたソーナンスのアタッカー運用に可能性を見出し、これを禁伝ポケモンがいない環境で試してみたいと考えていた。

 そこで、11/12(土)に開催される仲間大会を探したところ(a)禁伝使用禁止(b)ダイマックス可能(c)参加の条件に主催者のTwitterフォローやDM必須等の煩雑な手続きがないことが求めていた条件に合致したので、FF外からも歓迎という主催者様の懐の深さに甘え、こちらの大会に参加させて頂く運びになった。

 

デッキレシピ

 オリジナル版から(1)雨フェイク用のパルキアキングドラに、(2)汎用アタッカーのザシアンをガラルヒヒダルマに変更した。

 トノチルドンセットは初手ニョロトノが自分より遅い相手にはあられ→だっしゅつボタンパッチルドン霰へ、それ以外はキングドラへ。

 基本的にはトノグドラで雨への選出誘導をして霰+パッチルドンを展開することを狙いたい。

 メレシナンスセットはメレシーの頑丈トリックルームからくっつきバリで自主退場、ソーナンスでDM。

 前回の記事では戦術面についてほとんど触れなかったが、基本的な勝ち筋は(1)メレシーでトリックルームを貼って最速で離脱(2)トリルターンを4残してソーナンスでDMし3ターンで1体倒す(3)2体目をみちづれで処理(4)3枚目のアタッカーで最後の1体を処理することを狙う。

 ソーナンスで2体倒すのは相手がDMを使用するタイミングにも左右されるので、安定して役割を遂行するのは非常に難しい。仮にソーナンスが2体処理できても3枚目のカードの相性次第である部分が大きいので、正直言って「勝てたらラッキー」程度のロマン戦術と表現して差し支えないだろう。

 ソーナンスの火力の出し方について(a)珠一致ダイサイコ+2撃目からフィールド補正(b)珠不一致ダイナックル+3撃目はA+2で最大火力の2パターンが考えられる。ソーナンス種族値がA=Cなので基礎的な数値は変わらないが、ポイントとしては一致で初撃から火力を盛れて、DMわざにした際の威力(ミラーコートは100、カウンターは75)を考慮すると(a)が最適解となる。

 火力指数で見るとC特化ソーナンス(93)の珠ダイサイコ(100)は初撃が18,135、フィールド補正の1.3倍が掛かる2撃目以降は23,575となり、C特化サンダーの10まんボルト(26,190)程度の火力を出せる。

 一方、A特化ソーナンス(93)の珠ダイナックル(75)は初撃が9,067、A+1になる2撃目が13,601、A+2で最大火力になる3撃目が18,135となり、最大でも珠ダイサイコの初撃と同等の指数にしかならない。DM終了後は能動的に攻撃ができないため、A+2が無駄になることを考えると見栄えはいいが意味がない。

 よって、相手次第ではあるが、DM中の3ターンしか攻撃できないソーナンスのポテンシャルを最大限且つ瞬間的に引き出すのであれば、2撃目から最大火力に到達するダイサイコ連打が最も効率の良いダメージの稼ぎ方になる。

 

大会レポート

 ソーナンスは火力を出すまでに時間が掛かるため、回復技持ちの耐久力が高いポケモン、特に輝石持ちのポリゴン2じこさいせいを連打されるだけで苦しくなった。対禁伝では許容値を超えてしまうが、対一般では十分に活躍可能なガラルサニーゴだったりマホイップといった環境初期~中期くらいによく見たポケモンが多く、低火力ポケモンが主軸だと物の見事に嵌められてしまった。

 使用されたポケモンを見てみるとエースバーンポリゴン2サンダーといった懐かしい面々が並んだ。禁伝環境に慣れてしまうとこれらのポケモンが可愛く思えるが、いざこれらのポケモンが中心の環境になると「ちょっとお腹いっぱいです^^;」と思うのがポケモン対戦の面白いところだ。

 本人は至って真面目に理論と構築を組み立てて対戦に臨んだが、みんなパーティパワーが高くて「禁伝いなければソーナンスでも押せるだろ!」という考えは甘かった。なんとしても勝つことを目的にしていないので(対戦の本質という点では逸脱しているが)、やりたいことはできたし楽しかった。

 

結果と反省

 13戦1-12で217位(R1343)でした。

 21時の大会開始時にパーティを登録しようとして「ソーナンス最遅の方がよくね?」と思い、急遽最遅で育成し直したため出遅れてしまったが、残念ながら問題はそこではなくて最大火力でも特化サンダーの10まんボルトよりちょっと低い火力しか出せないソーナンスそのものである。

 最初の試合をトノチルドン+ヒヒダルマで雨対策を誘導したうえで勝てたので、あとはソーナンスと心中するだけという感じだった。正直ひとつくらいは勝てると思っていたので誤算というか、2082年のトレンドは現代ではまだ早かったのかもしれない。

 とはいえ、ありきたりなポケモンを使って平凡な成績を残すより、振り切ったポケモンで遊んだ方が大会に参加していて楽しいし、普段のランクマとの線引きという点でも楽しめた。飛び入りの参加になったが、参加して良かったと思う大会だった。

 

おわりに

 有意義な対戦の場を設けてくださった主催者の紫代マキノ氏に最大限の感謝と労いを。そして、大会中に対戦してくださった全てのプレイヤーに感謝とリスペクトを。ひとりでも多くのプレイヤーの記憶に残れば幸いだ。

 

 それでは今回はこのへんで。何かありましたらコメント欄かTwitterまでお願いします。

 TwitterMなか (@Mnaka_udn0525) / Twitter

 アーカイブはこちら→【まとめ】ポケモン名別戦術記事一覧 - 受けルガチアンチ

 

※サムネ用画像