どうも。
今回はマルヤクデのキョダイマックスわざ、キョダイヒャッカを用いた戦術について。
★本日のおしながき
やり残したことがある
これまで様々な戦術を通して「組み合わせと工夫でポケモン対戦は何でもできる」という楽しさ、魅力を僅かながらでも発信してきた。その中にはベストな形で世に送り出せたとは言えないものも幾つかある。
およそ2か月前にレックウザを主役とした戦術で紹介した、バインド+積み戦術もそのひとつであり、ダイマックス及びダイマックスわざというシステムが存在するこの世代に完成させたい戦術として燻り続けていた。
これを完成させない限り第9世代に進むことはできないと思っていて、いろいろと考えた結果答えは自分で書いた記事に落ちていたので遂にこの戦術を完成させるときが来た。
戦術紹介
まず、この戦術の肝となるキョダイヒャッカ/サジンについて軽く。
マルヤクデ/サダイジャのキョダイマックスわざであるキョダイヒャッカ/サジンは追加効果として、バインド効果を付与することができる。このバインドで与えるダメージは他のバインド効果と同じく最大HPの1/8だが、通常は使用者が場から離れると解除されるところ、場から離れても継続する特殊なバインドになっている。
そこで、積みエースが有利対面で積めるようにバインドを残して早々に去ってしまおうというのが前項で掲載した記事リンクの内容となる。
問題点として、継続ターンは4~5ターンと通常のものと変わらず、使用者が倒されるのを待っているとターンに無駄が生じてしまう、それを嫌って素引きした際にエースが被弾するといった問題を抱える。
さらに、キョダイマックスわざの威力が高くて思いのほか削ってしまう、バインドダメージと合わせて相手が倒れてしまい有利対面ロックが解けてしまうなど考察不足が露見してしまった。
それを解決するために今回用いたのがだっしゅつボタンによる超高速展開であり、貴重なDMターンを1ターンで捨てるという大胆な戦術を試みた。

バインド+だっしゅつボタンを扱うにあたって気を付けなければいけないのは、当然ながらバインドする前に脱出してはいけないということ。必要な要素としては(1)バインド対象よりも先に動くためのS操作、(2)先制技対策のサイコフィールド、(3)確実に攻撃してもらうために補助技を封じるちょうはつの3点だと考えた。
これらの要素を1体で完結するのは極めて難しいので、先制技が飛んで来たら事故だと割り切り、エレキネット/こわいかお/でんじはといったS操作技を網羅してちょうはつも使用できる化身ボルトロスと組むことで解決する。
最後に、バインドするためにDMを使用するので積みエースはDMを必要としなくても戦えるポテンシャルを持つポケモンであることが必須となる。
戦術の工夫
今回使用したマルヤクデはこちら。


まず、絶対に先制でキョダイヒャッカをまき散らして即脱出するために最速にした。化身ボルトロスのこわいかおでS操作をする場合はS-2なので純粋に2を掛けて1引いてS実数値255までのポケモンから先手を取れる。
このマルヤクデは相手を倒すことが目的ではなく、むしろ相手を倒さずに積みエースにつなぐことが目的なので、キョダイヒャッカの威力をできるだけ下げる必要がある。そこで、Cを個体値0+性格補正で考え得る限り最小にし、キョダイヒャッカの媒体をひのこにすることで威力90に抑えた。

最速時のS実数値が7高いサダイジャではない理由として、キョダイサジン(地面)と違って無効タイプの無いキョダイヒャッカ(炎)の方が相手を選ばずに選出できるため。ヒードランなどのもらいびは仕方ない。

ボルトロスは基本的にこわいかおでS操作をするが、いたずらごころ依存なので一撃ウーラオスやイベルタルにはエレキネットでSを下げることを目指す。
本来はボルトにもだっしゅつボタンを持たせたいが、今回はマルヤクデの優先度が高いため対面性能を強化するきあいのタスキを採用した。
実戦レポート

今回解説する試合のパーティと選出。
相手のパーティはトップにグラリザを置いているのとバンギが見えているので、積みエースはルギアよりもジガルデを出したい。自陣の禁伝がどちらも白キュレムに弱いので、さすがに適当過ぎたと反省。初手は何が来ても仕事ができるボルトロス、コンボパーツのマルヤクデを選出。

いたずらごころ持ちの化身ボルトロス、相性有利のルギアが見えているので初手にバンギラスが来るのは想定内。ボルトはASベースのばかぢから採用型なので爆アド。
バンギはHDが多いと思うのでH振りのみ想定で計算するとA167ボルトのばかぢからはH振りのみバンギ(207-130)に232~276ダメージで確定一発。

バンギラス処理→グラードン繰り出し。
ここからは戦術を遂行するために決まった行動を淡々とこなす。仮にグラードンが準速(S142)でも最速マルヤクデで抜けないのでこわいかおでS操作をする。


ボルトロスが倒されたのでマルヤクデで次の行動へ。
グラードンはちょうどジガルデで起点にできそうなポケモンなので、キョダイヒャッカでしっかりとバインドをする。このときマルヤクデが倒されるならそれでも構わないが、TOD勝負になった場合は少しでも頭数を揃えておきたいので脱出してくれた方が助かる。


マルヤクデが脱出してジガルデへ。
発動から数えて4~5ターンなのでグラードンのバインドは最低でも残り3、Sは2段階下がっているのでこの間にジガルデで可能な限り積む。


グラードンはパワーがあるが、ジガルデも固いのでバインド中に複数回とぐろをまくを使用できた。その間グラードンはバインドダメージを受け続けるので、ジガルデが攻撃をしなくてもHPが削れていく。


ここで相手のパーティを思い出してほしい。グラードンと組んでいるリザードン、こちらの禁伝2体に有利な白キュレムのどちらかだと仮定すると、ジガルデはSで負けているのでみがわりを残した状態でグラードンを倒したい。
みがわりが攻撃を耐えるところまでBを上げられたのでみがわりを選択、グラードンはちょうどバインドダメージで倒れる残りHPだったので急所に当たってみがわりが破壊されなければ良し。


最後は白キュレム。そらそうよ。
ここでの勝ち筋はみがわりが残っているうちにへびにらみで麻痺状態にし、運を手繰り寄せる以外に何もない。あとみがわり1回分残っていたHPと自分の運を信じるしかない。


対戦ありがとうございました。
この試合に関して後語りすると、初手のボルトバンギ対面で早々に3対2にできたことが大きかった。ボルトロス=でんじはの印象があるのでグラードンから入ってきてくれたこともポイントで、白キュレムからだとどうしようもなかった可能性が高い。あとは運が良かったの一言に尽きる。
個人的に「運負けをした」と言わないようにしていて、なぜかというと運が絡むシチュエーションにしてしまった時点で自分のミスだから。初手から素催眠やヤケクソ一撃必殺技といった事故は流石にきついが、例えばサンダーに対して「接触しなければいけない」とか「ぼうふうを撃てる」シチュエーションを作った自分が悪いということ。
へびにらみの麻痺が通れば勝てるかもしれないというシチュエーションを通せた時点で可能性は残せたので、胸を張って「運勝ちしました」と言うしかない。
萎え落ちしてもおかしくない状況で勝敗が付くまで試合を続けてくれた対戦相手に感謝とリスペクトを送りたい。
反省点
選出可能な3体すべてを絡めたコンボ構築なので動き方がパターン化されている、一方通行なので対応力が無いことが大きな欠点となる。また、一体ですべてを対策できるポケモンなど存在しないので、積みエースが通るかどうかは相手の選出依存になる。
シーズン序盤なので3~4桁帯から始まって(序盤なのでハリボテ順位であるが)、ボルトのS操作からヤクデバインド自体は大体どの試合でも通った。そこからジガルデなりルギアなりが積んで全抜きできるか、という勝負で悉く力負けした。
キョダイマックスわざでバインドする以上嘆いても仕方ないが、最後にDMが残っていればやりようはある試合が多かったので、やはりアド損の方が大きい戦術であると実感した。
例えば、ジガルデと組んでいるミミッキュ(スカーフトリック、でんじは)が1体でこなす仕事量をボルトロス+マルヤクデの2体で分担し、さらにDM権まで使用していると書けばどれだけのアド損が生じているか伝わるだろうか。
ミミッキュ+ジガルデの2体+もう一体の禁伝に加えてDM権を残せることを、わざわざ複雑にして再構築していると考えると構築として弱い、弱すぎる。
とはいえ、常人では思い付いても実行には移さないだろう戦術を最後まで追求し、完成形までたどり着けたことは反省というより純粋に評価したい。
勝負なので手っ取り早く勝つことを求めるのも正論だが、コンボ戦術を考察・構築して実戦で成立させたときの達成感や多幸感を味わうことができるのも、ポケットモンスターというゲームをやめられない理由である。
おわりに
ここまで来るのに本当に長かった。ジョニィ・ジョースターではないが「ありがとう」それしか言う言葉が見つからない。
それでは今回はこのへんで。何かありましたらコメント欄かTwitterにお願いします。
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