どうも。
構築記事が出る時期を避けて投稿したかったので時系列的にはS2の内容です。
★本日のおしながき
開発も匙を投げる搦め手戦法
少し前の話になるが「ダイマックス(以下、DM)は我々に何をもたらしたのか」ということについて少し考える。
DM中は自分の攻撃が必中になり、スキルスワップやアンコールといった補助技を無効にするなど「小細工をせずに勝負をしなさい」という、ある種開発からのメッセージめいたものを感じた。
これにより多くの搦め手戦法は環境から姿を消した……と思いきや、全くそんなことはなかった。ラッキーは堂々と小さくなるし、弊ブログではスキルスワップが頻出するし、DMの意義は環境が進むにつれて「強いポケモンをさらに強く使う手段」というものになっていった印象がある。
DMは抑止力にはなるものの根本の解決には至らず、搦め手戦法に対するメタに開発も匙を投げたのか、今作ではなんとカイリューにアンコールを授けてしまった。これは「もうどうとでもなれ」というメッセージだと解釈したので、今回はやりたい放題やらせていただく。
戦術紹介
今回の戦術を端的にいえば「猫を増殖する」ということになる。
「おいおい、増殖バグはご法度だぜ」と思うかもしれないが、なにもそんなインチキ行為はしない。あくまでも試合中に増殖、要は分身をするところがポイントだ。

今回の肝は「いかにマスカーニャにかげぶんしんを使わせるか」という点にある。DMが失われた今、ドゲザンなど一部の技を除いて回避可能なので、回避率を上げて試合を優位に進めることを目指す。
とはいえ、マスカーニャは典型的な高速アタッカー気質なので打たれ弱い。ちいさくなると違って遂行速度が遅いので、味方のサポート無しに積むのは非現実的だ。
そこで、マスカーニャにかげぶんしんを積む猶予を与えるため、積みアタッカーと相性の良い戦術として度々紹介している「拘りトリック+いちゃもん」を使う。
拘りトリックは起点作りの手法として一般的に用いられるが、ここにいちゃもんを組み合わせるとどうなるか。弊ブログでは何度も紹介しているが改めて説明すると、いちゃもんは直前に使用した技(厳密にいうとPPを消費した技)を連続で繰り出せなくなるので、一種の技しか繰り出せなくなる拘り状態と組み合わせることで拘っている技とわるあがきを交互に繰り出すことになる。
つまり、わるあがきのターンと拘っている技を繰り出すターンに合わせて行動を選択することで大抵のポケモンを強引に起点にできるという理論だ。

マスカーニャ@たべのこし
耐久を振ってどうこうというポケモンではないので、AS振りのアタッカーをベースにした。みがわりやたべのこし用にHPの調整をしていないので、しっかり使う場合はAを削って割くとよいだろう。
とても遂行速度の遅い戦術なので被TODが予想される。それを防ぐために予めどくびしを撒いてから展開するので、自身のやどりぎのタネと併せて火力の補助として活用したい。攻撃圏内に入ればトリックフラワーで削ってもいいので、A振りにした意義としては被TODを防ぐために処理速度を上げる点にある。
特性はみがわりと相性の良いしんりょく、テラスタイプは特に仮想敵がいないので火力の補助になる草。これも細かく仮想敵がいる場合、例えばラウドボーンを見るのであれば水や炎などに変えてもよい。
サポートをするのはこれまで毒菱要員として最も使い勝手が良かったドヒドイデ、トリック+いちゃもんを一枠に圧縮できるオーロンゲ。
従来は拘りトリック要員といちゃもん要員を分解して構築していたが、現環境の火力水準や遂行速度を考慮するとオーロンゲで圧縮できると考えたので一枠に。浮いた枠は被TOD対策として有用などくびしを撒けるポケモンにした。
実戦レポート

解説する試合のパーティと選出。
電気が多いのでドヒドイデを出しにくい部分はあるが、弱点を突かれても一発は耐えるので先発、後発にオーロンゲ。積みエースがマスカーニャなのでファイアローが鬼門か。きりばらいで回避率を下げてくる場合はかげぶんしんとの相性も悪い。
押し付ける拘りアイテムについてスカーフだとS逆転が起こり得る、鉢巻だとわるあがきの火力が上がるので眼鏡を推奨する。

初手ドヒドイデ対バチンウニ。カイリューを見せているのでステルスロックを撒くワルビアルか、斥候として優秀なドラパルトだと思っていたので、さてどうするか。
今作はライジングボルトが無いので一回は動ける、Sもドヒドイデが上なのでまずはどくびしを撒き、びりびりちくちくを被弾。これといって痛手ではないのでどくどくを入れてからオーロンゲへ。
後の展開でやどりぎのタネを嫌ってサイクルを回すのであれば、1回目のスリップダメージの観点からどくびしは+1で止めた。


想定していたよりもバチンウニの火力が無いのでオーロンゲにスイッチ、トリックで眼鏡を押し付けたらバチンウニはでんじはを選択しておりジバコイルにスイッチ。
理想は拘りアイテムを持ったポケモンに当てたいが、一応ジバコイルが素で眼鏡を持っている可能性も考慮していちゃもんを当ててラスターカノンで倒される。

死に出しマスカーニャ。
ジバコイルのアイテムが分からないが、直前に繰り出した技はラスターカノンなので次に出す技は電気技が濃厚になる。ボディプレスがあったら裏目だが、ここは強気にかげぶんしんを選択した。


やどみがルートに入った。
ラスターカノンと10まんボルトを撃ち分けていたので前者のターンにみがわり、後者のターンに(本体を晒していても)かげぶんしんを選択。拘りアイテムを付与していなくても受けられる技/受けられない技を交互に繰り出させるという点でいちゃもんの強さが出た。

本体を晒した状態で2度程10まんボルトを回避してくれたので、みがわりを置くHP管理に大きく寄与した。要するに、ジバコイル対面はかなり運に恵まれた。


ジバコイルのHPが1/3程度になったところで相手がTODを視野に入れ始めたのか、やや時間を使うようになっていた。こちらはオーロンゲが倒れているので数的優位を取るためかジバコイルからバチンウニに交代。
とはいえTODにはまだ早く、バチンウニは毒でHPが削れていくのでかげぶんしんを重ねて回避率+6のパーフェクトマスカーニャが誕生した。

同じく数的優位を作るためにバチンウニを残して再びジバコイル、かげぶんしんを積み切ったのでトリックフラワーで攻撃。
この時点で残りポケモン数は同じ、残HPもさいせいりょくで回復したドヒドイデとHP満タンのマスカーニャがいるので、大きく削れたバチンウニを残した相手の方が判定で不利。どくびしのサポートとマスカーニャ自身の火力を確保したことが生きた。


3枚目のカードはパーモット。勝ち筋は数的優位によるTODしかないと切り替えたのか、マスカーニャのみがわりを剥がすことよりもさいきのいのりでジバコイルを蘇生することを優先。


パーモット→ジバコイル、回復したHPをトリックフラワー1回で赤ゲージまで削れたので次のターンで倒せる。温存したバチンウニかパーモットに変えても同じことなので次のターンをしのげなければ残ポケモン数は同じ、HP割合で不利になるところで降参が選ばれた。対戦ありがとうございました。
TODに切り替えたところから立ち回りが非常に丁寧だった。バチンウニとパーモットのHPをギリギリまで残して時間を使いつつ、パーモットで再度数的優位を作るなど、自分の勝ち筋を徹底して追っていたので最後まで気が抜けなかった。

解説する試合のパーティと選出。
1試合目が良い試合だったので十分かもしれないが再現性の確認のために。


初手ドヒドイデ対デカヌチャンから始まって同じタイミングでオーロンゲとレアコイルに交代、ラスターカノンを耐えられないのでオーロンゲに悪テラスタルを使用してからトリック→いちゃもん。


ラスターカノンで拘った状態でいちゃもんを受けたのでレアコイルはわるあがき。この戦術のミスマッチはわるあがきが必中であるという点にあるが、この状況で長くは居座らないだろうし被ダメージ的にも余裕があるので(この対面は)良しとする。


デカヌチャンに戻すも攻撃が当たらない。こちらもトリックフラワーが半減される、鋼タイプでどくびしが効かないのでやどりぎのタネでスリップダメージを蓄積させるしかない。


デカヌチャンとやり合って本体を晒したうえにみがわりを置くHPが足りないタイミングでマニューラ登場。こおりのつぶてを回避してトリックフラワー+毒ダメージで撃破。

対戦ありがとうございました。
かげぶんしんを積み切っていない、レアコイルとデカヌチャンはどくびしを踏まないので、多分続けていたらこちらが負けたと思う。マスカーニャのHP管理も厳しく、たべのこしの回復分でギリギリみがわりを置けたので、なんとか戦意を喪失させられてラッキーだった。
反省点
ただ単に強引にかげぶんしんを積むのではなく、攻撃できないターンの補助としてどくびし、積みやすくするために拘りトリック+いちゃもんという下準備をしっかりできた。しかし、相手のパーティの5/6程度が毒菱を踏むような構成は殆どなく、マスカーニャ自身が鋼や飛行を呼びがちなので、自陣でのミスマッチをもう少し見直したい。
実戦データの収集について少し述べると、最初の数戦でポンポンと上手くいって勝ち試合も作れたが、例えばコインを5回投げるうち1~2回目が表でも3~5回目が裏であることは可能性上あり得るので「収集した実戦データが本当に表か?」と疑い、それからかなり苦しい戦いを強いられた。
最初の数戦は「影分身を1回しか積んでいないのに2連続で躱した」とか「相手がマスカーニャを純アタッカーである前提で動いた」といった要素が強く、こういう試合を掲載すると読者も「それは戦術が機能しているといえないのでは?」と思うし自分自身が読者や視聴者になっても思う。
自分ではそれが当たり前だと思っているのでズルズルと順位が下がる原因だが、好きなマスカーニャを使って遊びたかったので、それなりにやりたいことを表現できたと思う。負けたら構成がいびつ、勝っても傍から見れば運なので自分も相手も得るものが無い勝負になりがちなのは反省したい。
おわりに
3部は承太郎を除けばポルナレフが好きです。静の承太郎と動のポルナレフというパーティ間での対比も良く、J・ガイル戦やヴァニラアイス戦など主人公級のエピソードがあるので好きな方も多いのでは。単独行動に走りがちな割には花京院やイギー、カメオ戦はアブドゥルと組んで戦うシーンが多いのもいいですね。
それでは今回はこのへんで。何かありましたらコメント欄かTwitterにお願いします。
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