どうも。
四災が解き放たれた今だからこそ、せいぎのこころが輝くときなんじゃないかと思います。
★本日のおしながき
イントロダクション
ここ最近のディンルーについて、数字上は大きく変わらないはずだが準伝初解禁となったS5よりもステロふきとばし型(以下、昆布型)の遭遇率が上がっているように感じ、データを確認してみた。
ステルスロック:60.9-67.1-64.4(%)
ふきとばし:52.8-53.0-44.6(%)
オボンのみ:48.5-52.5-50.5(%)
たべのこし:13.5-14.4-13.2(%)
とつげきチョッキ:27.7-24.4-23.6(%)
こだわりハチマキ:2.6-2.3-2.2(%)
腕白+慎重:57.2-62.8-61.1(%)
意地+勇敢:38.5-33.3-34.5(%)
わかりやすい要素を8つ、3シーズン分並べてみたが、確かにS6ではステロふきとばしの採用率が最も高くなり、昆布型が持っていそうなたべのこしやオボンのみの採用率も呼応するように伸びている。
S7の数字は暫定なので何とも言えないが「昆布型の遭遇率が上がった」という筆者の感想は、データ的には間違っているといえる。ただし、明確なアタッカー要素としてとつげきチョッキ+こだわりハチマキの採用率が30%程度あったS5と比較して下がっているのも事実である。
また、性格面を見てもオフェンスに重きを置いたものより、ディフェンス面の強化を重視したものが選ばれるようになっていることからも、環境のディンルーの役割が徐々にディフェンス(サポート)寄りになっていることが伺える。
「ディンルーはまだ型が定まっていなくて、エラーの確率(アタッカー型)が3割程度あるならちょっかいを掛けられない」と避けてきたが、ここらで少しディンルーをからかってみようではないかと試みた。
実戦レポート
ステロを撒きたいディンルーは相性を無視した耐久を盾に強引に先発しがちなので、セグレイブやウェーニバルを見せていてもお構いなしに出てくる(はず)。初手エルレイドで勝負をかけるが、ゴーストタイプで詰む(後述)のでハバカミディンルーを添える。
初手エルレイド対ディンルー。ただし、サーフゴーやミミッキュが見えているので、格闘技読みで下げてくるのはある程度確率としてはある。
まずはエルレイドのくろいまなざしでディンルーをキャッチ、ディンルーは順当にステルスロック。カイリュー+サーフゴーにディンルーを加えた並びがレギュレーションCのスタンダードらしく、模倣品が多く出回っているのでこれらと組んでいて先発してくるのは、恐らく初手ステロだと思った。
キャッチしたら次にやることは(1)じしんによる削りのケアと(2)ふきとばしによる対面ロック崩しのケアであり、これらを1ターンで完了する方法として飛行テラスタル+ちょうはつが挙げられる。飛行テラスの意義についてはもうひとつあるが、それは順を追って解説していく。
ありがちな昆布型ディンルーの構成として、ステロふきとばし+ツーウェポンでじしん+カタストロフィがある。飛行テラスのもうひとつの意義として、じしんは無効化されるので撃てない、補助技はちょうはつで選択できないので、カタストロフィの選択を半ば強制させられるところにある。環境のエルレイドの特性はきれあじが最も多いので、悪技を撃つリスクを考える必要は殆どない。
さらに、エルレイドの持ち物をたべのこしにすることでカタストロフィの仕様上倒されることはない。
ただし、カタストロフィとじしんのPPが切れてしまうとちょうはつで補助技を封じる都合上わるあがきが出てしまう。そうなるとエルレイドが突破される可能性が出てくるので早急に準備を整えてディンルーを突破する必要がある。
最後に削れたHPをドレインパンチで回収しつつディンルーを処理。じしんのPPが切れるとカタストロフィしか選べないので強制的にエルレイドのAを上昇させ、かげぶんしんを積めるだけ積んで後続へ。
パオジアンに上から動かれようと、弱点を狙われようと当たらなければどうということはない。
対戦ありがとうございました。
お気づきだと思うが、このエルレイドはゴーストタイプに打点がない。パオジアンより先にミミッキュを出されていると苦しいのはこちらだった。
とはいえこれにはある程度の説明がつく。エルレイド対ディンルーで対面ロックをしてたっぷり遅延したことで、このまま試合が終わると相手は数的不利で負けてしまうので、早急にエルレイドを処理するためにパオジアンから出したのではないかと推察する。
このまま続けた場合、ちょうはつでミミッキュの補助技を縛りつつエルレイドが倒れるまで粘り、ハバカミで皮を剥いでディンルーで詰める動きをすれば勝てると思う。
解説
ポイント1 きれあじの台頭
今作のエルレイドは新特性きれあじの獲得で、従来は中火力止まりだった攻撃技が大幅に強化され、アタッカーとして本格的になった。
四災ポケモンの解禁もあり使用率が大きく跳ね上がり(S4→S5で57→37位、その後は徐々に落ちている)、採用理由も明確なため役割誤認を招きやすいと感じた。
S5~S7(S7は暫定)に限定して見てもエルレイドの特性はきれあじ一択(99.0-98.9-99.7%)なので、1%未満のせいぎのこころを隠しやすかった。
ポイント2 飛行テラスの万能性
飛行テラスの意義として(1)じしんのケア、(2)カタストロフィの強制と実戦レポートで述べた。
(1)について、S7のディンルーが採用しているじしんとカタストロフィを除いた攻撃技はヘビーボンバー(21.2%)が最多であり、僅差でテラバースト(20.7%)となっている。もちろん可能性として排除はできないが、30%ならエラーの可能性をやや考慮したくなる数字、20%なら目を瞑ってもいいと考えているので、飛行テラスから積みの起点化を目指した。
反省・改善点など
初めは素直につるぎのまいを積む方向で考えていたが、ディンルーを縛って技選択の自由を奪う要素としてくろいまなざし+ちょうはつが必須なので技スペースの2枠は潰れるのが前提となる。
となると、つるぎのまい+ワンウェポンになってしまい、エルレイドの中途半端なSも相まって死に出しででてくる高速ポケモンに潰されてお終いである。これだけ手間をかけて起点を作って積むのであれば、それでは意味がないと思い考え直した。
であれば、ディンルーの悪技(実質カタストロフィ一択)を受けてAを上げてもらい、ツーウェポンにするかもうひとつ積み技を入れるか、といった流れで今回使用したエルレイドが誕生した。
さらに、わるあがきが出てしまう前に積んでディンルーを処理しなければいけないので、できるだけディンルーに通りのいい技を選択する必要があり、ゴーストタイプが来たら味方に丸投げをしようという形になった。従って、今回のエルレイドはTODによる勝利を目指すものではなく、あくまでも積みの起点としてディンルーを利用するというのが正しいだろう。
おわりに
英語は学校で習う程度しか分からないんですが、正義の心はシンプルにJustice Heartでいいのかな~と思っていて、ポケモンwikiで調べたらJustified(正当化された)でした。
有名な種牡馬にジャスティファイ(Justify)という米国産馬がいて、この馬の馬名は「正当化する」という意味だそうで。日本でも先月の青龍Sを勝ったユティタムなど産駒が走っているのでジャスティファイのことを調べたことがあって、単語の意味として覚えてはいました。
なので「正義」というよりも「(正しいか正しくないかは別として)正当化する」という意味の単語は、イメージするところの正義(悪を打ち負かすヒーロー的な)と違ったので、そういったところが他言語でポケモンを遊ぶ楽しさでもあるのかなと思います。
特に今回のエルレイドは悪と見なされるディンルーよりエグイことをしていて、自身の行為を正当化して「正義」とする、といった点で「Justified」という言葉は言い得て妙だと思いました。
筆者→Mなか (@Mnaka_udn0525) / Twitter
アーカイブはこちら→【ポケモンSV】ポケモン名別戦術記事まとめ - 受けルガチアンチ
おまけ
せいぎのこころウインディで遊びましょう。
ウインディの場合は仮想敵がパオジアンになるんですが、この試合はパオジではなくディンルーの相手をすることになりました。
ダラダラと紹介しても仕方ないので序盤は端折りますが、壁貼ってブリムオンを倒してディンルーに倒されてといった感じでドラパルトが退場します。
チオンジェンから出したかったんですが、積みアタッカー型なのでふきとばしの可能性を考慮してウインディを。とにかくやるしかないのでノーマルテラスタルからおにびで被ダメをできるだけ低く。狙いとしてはじしんの火力<カタストロフィの削りになるように。
狙い通りカタストロフィを撃たせ、せいぎのこころ発動。
S7のウインディはいかく(94.6%)、もらいび(5.1%)といずれも四災ポケモンに強そうな特性を持っており、夢特性のせいぎのこころは僅か0.4%なんですね。
相手のディンルーはふきとばしではなくすなじごくで拘束してくるタイプだったので、割合ダメージ+スリップダメージでの押し切りを図るも、こちらもあさのひざしで粘ってカタストロフィを4度引き出しました。
このウインディはほぼAB振りなので、+4テラスしんそくで飛ばせると思いきや耐えられてしまって驚愕。
後続のサーナイトを飛ばして勝ち。頑なにディンルーを引っ込めないので、後出しの効かないポケモンが控えているのはなんとなく分かっていましたが、カイリューだったらキツかったかな。対戦ありがとうございました。
おわり