どうも。
お正月休みで暇なので少しだけ。
★本日のおしながき
増殖するG(Garchomp)
昨年末くらいから、とあるガブリアスが流行しているらしい。ステルスロック+まきびしからドラゴンテールを放つ、昔は「昆布型」と呼ばれたスリップダメージ+強制交代技を組み合わせたものだ。
このような「上位で流行」といった謳い文句が付いているものは動画等が公開された頃には一世代前くらいの流行になっており、下位に浸透する頃には全く違った型が流行しているというのは世の常だが、言葉の魔力にあてられて模倣するプレイヤーが増えるのであれば、それはそれでマーク屋としては有難いことこのうえない。
ドラテガブを分析する
ドラテガブを完封するためにはまず要素を分解して考える。
適当に「ガブリアス ドラゴンテール」で検索すると、およそ11年以上前にポケ徹さんの育成論コーナーに投稿されたものが出てきた。当時BWの環境なのでこれでは現代の参考にはならないだろうと却下。
文字は速読ができるが動画は観なきゃいけないので正直面倒くさい。適当に流し見してあとは実際に自分がランクマで対戦した経験から分析すると、HBに振ってステロ+まきびし+ドラゴンテールまでは確定で、じならしかじしんを選択している。アイテムはオボンのみで場持ちを良くしているケースばかり(アイテムを確認できた場合に限る)なので、レッドカードを過度に警戒する必要はないと感じた。
これだけ分かれば十分で、性質上初手で出てきて展開して荒らせるだけ荒らして裏のアタッカーでスイープするのがシンプルな使い方だと思うので、今回は初手ガブリアスに合わせてTODを目指す。
ドラテガブを完封しよう
いくつかの要素に分けて考える。
要素1
TODを目指すので対面のロックが必要。ガブリアスに対して特性かげふみやとおせんぼうといった要素で交代を縛るのが第一。新ポケモンマフィティフの特性ばんけん+くらいつくも可能性はある。
要素2
ガブリアスの交代を縛ってもドラゴンテールで流されてしまうので、次にその対策を考える。
ほえるやふきとばしのようにちょうはつで防げないが、逆にいえば攻撃(ダメージ)を受けなければ交代の効果も生じない。つまり、ドラゴンタイプを無効にできるフェアリータイプを用意するのが簡単だろう。
現状では特性きゅうばんを持つポケモンがいないので特性での対策は不可、ねをはるを使えるポケモンはあるものの、とおせんぼう等と両立できるポケモンがいない。
要素3
ドラゴンテールをフェアリータイプ(フェアリーテラスタル)で無効化するとして、次は一致地面技をどう躱すか考えなければいけない。TODを狙うのであればガブリアスとの対面を崩さず、HP割合での判定勝ちをしたいので可能であれば地面技も無効化しなければいけない。特性ふゆうで無効化するのが定石だが、フェアリーテラス+ふうせんの外付け要素でとおせんぼうを使えるポケモンを無理やり通してもよいかもしれない。
これらの要素を総合した結果、完璧に条件を満たすポケモンとして真っ先にドータクンが思い浮かんだ。シンプルにとおせんぼうで交代を縛れる、鋼+エスパーなのでドラゴンテールを無効化できないがフェアリーテラスタルを使用すれば無効になる、地面技をタイプではなく特性ふゆうで対策できるので、ドラゴンテール+地面技ツーウェポンのガブリアスに対して完封できる性能がある。
なおかつ、先発で出すドータクン自体がトリックルームやステルスロック、両壁などの展開要員に映るのでガブリアスが引いてくるとは思えない。そもそもドラゴンテールがあるのだから「何か変なことをしたらドラテで流せばいい」という過信を誘えるため、初手フェアリーテラスタル+とおせんぼうを決めやすそう。
育成した個体がこちら。
ドラテ+地面技で決め打ちするなら攻撃を受けないので努力値を振る必要はない。性格もAが上がらなければなんでもよい。特性はふゆう一択。
技に関して、まずはTOD用のとおせんぼうは確定、いやしのはどうでわるあがき対策ができないので眠ってもらってPPを節約させるためのさいみんじゅつもほぼ確定。20分経過させなければいけないので空撃ち用のPPが多い技としてきんぞくおん、最終的にHP割合の多さで勝利するためにHPを(倒さない程度に)削るためのロックブラスト。
ロックブラストの採用理由は可能な限りガブリアスに対する最小打点でHPを削り、特性さめはだによるスリップダメージを防ぐため非接触技が好ましいので。また、2~5発当たる特性から技のモーションが1発ずつなので最大の5発当たればそれだけ時間を進められるのもTOD向き。
実戦レポート
同じことをするだけなので今回は1試合だけ解説します
解説する試合のパーティと選出。
対戦相手が初手にガブリアスを出しやすいように、対面でガブリアスに対して有利なポケモンを入れず、なおかつ特性かげふみを持つゴチルゼルを入れることでドラゴンテールの需要を上げる組み方をした。
ドータクンの持ち物について、さいみんじゅつの命中率をサポートするこうかくレンズかフォーカスレンズでいいが、何を勘違いしたのかぼうごパットを持たせているのはミス。
この対面を作れたのでガブリアス側が不穏な空気を察知して引かない限り、初手フェアリーテラスタル+とおせんぼうで対面ロック完了。
ドラゴンテールはフェアリータイプで無効。これでもう、ずっと一緒だよ…
既知のことだと思うがドラゴンテールは優先度が-6なので鈍足のドータクンでも先に動ける。
たくさん撒き物を撒かれてしまったが、そもそもドータクンに交代する意思がないので問題はない。
じしんは特性ふゆうで無効。
ツーウェポンのもうひとつががんせきふうじなどの別タイプだとTODを成立させられないので、素直に降参をしよう。
非接触且つ倒さない程度の打点でガブリアスを削る。こちらはダメージを受けないので、最終的なHP割合で勝つための条件は整った。あとは試合時間の終了を待つだけ。
今回使用したドータクン(A実数値90)でガブリアスがHB振りと仮定すると、ロックブラスト一発当たりのダメージは3~4なので、オボンまで加味するとPPを使い切ってもガブリアスを倒すのは逆に難しい。
今回対面したガブリアスはPPを増やしていないと仮定するとドラゴンテール(10)、じしん(10)、ステルスロック(20)、まきびし(20)で合計60になる。わるあがきで脱出されると困るので、眠らせて可能な限りPPを使わせないようにする。
試合終盤の残りPPはこんな感じ。きんぞくおんは使いきれないくらい余った。
念のためドータクンとガブリアスでロックしたまま終盤まで来た証拠として。
対戦ありがとうございました。時間切れまで付き合ってくれた対戦相手氏に感謝とリスペクトを。
反省点
なし。完璧だった。
おわりに
やっていることは陰湿極まりないが、その裏には分析と理論があることを理解していただき、ポケモンというゲームの「自分で考える楽しさ」を知ってもらえたら嬉しい。
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