どうも。
今回はカードゲームさながらの高速墓地肥やしコンボで遊びます。
★本日のおしながき
シリーズ初の墓地利用効果
今作SVはこれまでにない効果を持つ技や特性が一挙に追加され、ポケモンバトルがひとつ先の時代へと突入した感じがある。例えば、死者蘇生効果を持つ「さいきのいのり」やダブルバトルにおいて特定のポケモンと融合する「しれいとう」など、新機軸の戦略でバトルを楽しめる。
今回注目する「おはかまいり」という技も今までにない効果を持つ技のひとつで、基礎威力は50とかなり控えめながら、ひんし状態になったポケモン1体につき威力が50上昇し、特別な事象を考慮しなければ筆者が主戦とするシングルでは威力150まで上昇する。要するに、ブラックマジシャンガールが持つ墓地のブラマジとマジシャンオブブラックカオスの数*300攻撃力が上がるようなイメージである。
ここまではっきりとした墓地利用効果はこれまでなかったので、早速墓地肥やしコンボと一緒にハカドッグで遊んでみよう。
戦術紹介
今回の戦術はハカドッグかおはかまいりのどちらかだけを強化しても意味がなく、両方の性能を最大限まで引き出しつつ墓地を肥やし、エースを着地させる必要がある。
墓地肥やしというのは任意のカードを手札や山札から墓地へ落とし、墓地で効果が発動するカードでゲームを有利に進めるプレイングに繋げることを指すが、今回は何をどのようにして墓地に落とす(=ひんし状態にする)かを説明する。
この戦術で必要なのは(1)襷やマルチスケイルをケアする、(2)エースとなるハカドッグのスピードを補う、(3)2体瀕死にしておはかまいりの火力を最大にするといった要素である。この条件を満たしつつ、無理のない形でハカドッグへ繋ぎたい。
(1)についてはアタッカーとしての性能も申し分ないガブリアスに先発でステルスロックを撒いてもらいつつ、可能な限り削るもしくは倒してもらってから瀕死になる。
(2)についてはハカドッグの特性すなかきを発動するが、カバルドンやバンギラスといった耐久力があるポケモンだと下手に居座るリスクが生じる。特性がんじょうのコイルにすなあらしを使ってもらい、くっつきバリによる自傷で最速で退場する弊ブログのお家芸*1を発動する。
(3)はガブリアスとコイルが各々の役割を果たしてくれたら自ずと満たすので、場を整えつつ墓地を肥やしてハカドッグへ繋ぎたい。
※*1:【ポケモン剣盾シングル】やわらかメレシー(+痴呆ラグ) - 受けルガチアンチ
(2)のポケモンがコイルである理由について少し。技すなあらしと特性がんじょうを両立できるポケモンは11体いるが、この枠は1ターンで速やかに退場するのが望ましいので種族値の低い進化前ポケモンを使っていることはお分かりだろう。
この条件だとウソハチ、コジオ、コイル、クヌギダマが当てはまり、この4体の無振り耐久指数を比較するとウソハチが14,375-8,125、コジオが12,350-7,150、コイルが9,000-7,500、クヌギダマが13,750-6,875となり、群を抜いて低いHPのお陰でコイルの耐久指数が非常に低いことが分かる(いずれも個体値は31で計算)。
クヌギダマは頑丈を選ぶと砂嵐のダメージを無効化できないのでくっつきバリを持たせる必要はないが、コイルの場合はCが95もあり、進化前の攻撃性能としてはかなり高いものを持っているので万が一のケースを想定して腐りにくいコイルを選択した。
ハカドッグ@こだわりハチマキ
今回はパワーを追求したいのでAは特化、Sはすなかき(砂下S*2)前提なので準速。基本的にはコンセプト通りおはかまいりしか使わないが、万一に備えて鉢巻を押し付けられるトリックなども採用した。テラスタイプもパワーを求めるので同タイプのゴースト。
ゴーストテラスタル鉢巻おはかまいり(150)は火力指数で75,600(168*1.5*150*2.0)を計上する。特化カイオーガの雨下しおふき(150)が74,925なので、いかに理不尽な火力を押し付けられるか伝わるだろう。
実戦レポート
解説する試合のパーティと選出。
ノーマルタイプがいないのでハカドッグにゴーサイン。サーフゴーやミミッキュがゴースト対策でノーマルテラスを使用する可能性はあるが、それを言いだすとキリがないのが今作。ドドゲザンが重いがガブリアスやパーモット、一応けたぐりが使えるマスカーニャなどで表面上は縛れているか。
初手はガブリアス対サーフゴー。
サーフゴーがスカーフだったのでガブリアスはステルスロックを撒く役割のみを果たして墓地へ送られる。
死に出しコイルですなあらしを使用。お相手氏はコイルを特に怪しむことなく攻撃、がんじょうで耐えてくっつきバリで自傷、最短(砂ターン4残し)でハカドッグへ。
ここから捲る。耐久力はさほど低くはないが、すなかき前提のSなので砂が有効な間にすべて倒す必要がある。
まず順当にサーフゴーを破壊。スカーフ最速サーフゴー(149*1.5=223)より砂下ハカドッグ(120*2.0=240)の方がギリギリ速いので、スカーフ持ちがこのポケモンで助かった。
続いてミミッキュも撃破。こればかりはステロで対処できないので辛かった。
+2かげうちを被弾するも無振りでBが120ある耐久力に助けられた。特化+2でも78.9~95.2%ダメージだが、珠やテラスタルがあったら負けていた。
ラストはガブリアス。ステルスロックで襷は剥がれた、スカーフはサーフゴーが持っていたのでノーマルや悪テラスタルでもされない限り勝ち。かなり可能性は低いが、まもるやこらえるでターンを稼がれて砂が終わってしまう、せんせいのツメで捲られるといった負け筋もあるにはある。
無振りガブリアス(183-115)の場合は鉢巻おはかまいり(150)で186~219ダメージになるが、191ガブだの201ガブ、205ガブといったバリュエーション豊かなポケモンなのでここでテラスタルを使用。後発ということは流行のHBではないと思いたいが……
対戦ありがとうございました。
この試合はミミッキュ+ソウブレイズでかげうちを複数被弾する、ドドゲザンが選出されているなど負けパターンも複数想定されたので、選出がややこちらに有利だった点は否めない。
それでもこれをサンプルとして使用した理由はやはり、くっつきバリコイルの存在が大きい。コイルが最速で退場してくれたおかげで砂ターンを4残せたので、ミミッキュで2ターン消費しても最後のガブリアス対面でも砂が残った(尤も、ガブがすながくれだったら負け筋にもなる)。
解説する試合のパーティと選出。
1戦目同様基本タイプにゴースト無効がいない、ブラッキーの主な役割対象である特殊アタッカーがこちらにいないのでハカドッグ選出で。
やることは一緒なので序盤は省略。ステロ+砂を撒いてガブリアスとコイルは墓地に。色違いパーモットかわいい。
パーモットは順当に撃破。ブラッキーがいればここで引く選択肢も考えられるが、来ないということは……?
ニンフィアは耐久振りも多く、所詮は等倍なので油断せずテラスタルを使用して撃破。
HBニンフィア(202-128)だと確定で耐えられるが、ゴーストテラスタルを使用すると221~261ダメージで確定になる。
ラスト一体はガブリアス。ここまでスカーフ持ちが出ていないので、スカーフガブリアスだった場合は攻撃を耐えられなかったら負けだが……
対戦ありがとうございました。
戦術の変遷や問題点
2体潰して1体で捲る系の戦術ではいつも書いている通り、1体に掛かる負担が大きすぎるため安定しない。
例えば、だいばくはつを用いて墓地を肥やす方法もある。だいばくはつが相手のBを半減してダメージ計算をする4世代までの仕様であれば採用も考えたが、いくら威力250技といえど昔ほどの1対1交換における信頼がないので見送った。ノーマルテラスキョジオーンのだいばくはつ→スカーフマリルリ(ちからもち)のまねっこ、のようなルートを初めは考えていた。
他には【ポケモン剣盾シングル】反射技+みちづれだけで試合に勝つことは可能か? - 受けルガチアンチの記事にも書いた、カウンターやミラーコートなどの反射技とみちづれを用いて数を減らす方法もあるが、アンコールカイリューやさほど火力のない耐久ポケモンなど、初手から殴るよりもいなすポケモンが環境に多いと感じたので、後手に回る可能性を考慮してこちらも不採用にした。
また、攻撃タイプとしてのゴーストは半減こそ少ないものの、無効タイプがあるので鉢巻ゆえに不意のノーマルテラスタルで詰むこともある。カイリューはノーマルテラスを積極的に採用できるポケモンなので、この試合は不注意だった。
実戦レポートでいくつかダメージ計算を載せたが、ご覧の通りフルカスタムでもカツカツなので、操縦性重視で鉢巻を外してしまうと捲れない火力が絶妙。
おわりに
補完枠を設けないパーティ3体フルに使う戦術は久しぶりでしたが、ハカドッグが優秀なのでなんとか形になりました。わざわざ墓地を肥やさなくても対面構築的な動きで11交換を繰り返して、自然な流れで出した方が強いと思います。
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