受けルガチアンチ

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【ポケモンSVシングル】スカーフビルドアップ・コノヨザル

 

 新年あけましておめでとうございます。今年も弊ブログをどうぞよろしくお願いいたします。

 告知通り今回からしばらく「受けルガチアンチ新春スペシャル」と題して記事を投稿します。

★本日のおしながき

令和のローブシン

 コノヨザルは突如追加されたオコリザルの進化系で、未だに過去のローブシンを懐かしむ我々第5世代の亡霊がオコリザルに乗り移った姿らしい。

 進化に伴って種族値が大幅に増加し110-115-80-50-90-90(計535)と、バランスが取れた無駄のない配分になっている。やや似た種族値傾向を持つローブシン同様、ビルドアップ+ドレインパンチで長期間の居座りが可能。

 特性は催眠対策に役立つやるき、物理アタッカーに嬉しい威嚇無効のせいしんりょくに加え、夢特性まけんきを持つ。いずれも有用な特性という点もローブシンを彷彿させる。

 5世代環境で有力な構築のひとつであった「ライコウローブ」を模した壁張りサポートのオーロンゲとの組み合わせを比較的見かけるので、何から何まで「令和のローブシン」と呼ぶに相応しいコノヨザルを、未だに5世代環境に後ろ髪を引かれるBWの亡霊独自の解釈で使用してみる。

 

戦術解説

 環境の流行に逆らわず、コノヨザルの優れた持久力に着目してビルドアップ+ドレインパンチをベースに、S種族値90を生かした高速アタッカーとして活用するためこだわりスカーフで使用する。何を言っているのか意味不明だと思うが、もう少しだけ付き合って欲しい。

 マジックルームという技はご存じだろうか。弊ブログでは何度か登場している、発動から数えて5ターンの間は敵味方問わずアイテムの効果が無効になる技だ。この技が有効な間は当然ながらスカーフの効果も失われるので、マジックルームのターン中とターン後の拘りオン/オフを利用した素早さのトリックを仕掛ける

 昨年投稿した記事でマジックルームを使った際に、限定的な拘り解除+積み技も同時に試そうと思ったが、剣盾の場合はDMで一時的に拘り状態を解除できるため、拘りアイテム持ちのポケモンが積み技を使うことはおかしなことではなかった。なので、拘りアイテム+積み技の特異性がより際立つ今作で改めて挑戦する。

 

 基礎知識として、拘りアイテムを持ったポケモンがマジックルームを使用すると、マジックルームのターン終了後はマジックルームしか使用できない(交代を考慮しない場合)。しかし、拘りアイテムを持つ別のポケモンがマジックルーム中に使用した技はターン終了後に固定されず、マジックルームが終了してから使用した技が拘りの対象となる。

 ここまで書けば今回の戦術を理解できたと思うが読者の皆さんの想像通り、マジックルーム中は極力ビルドアップ+ドレインパンチで一般的なコノヨザルとして振る舞い、ターン終了後はスカーフアタッカーとしての立ち回りを目指す。

 以下、使用個体。

 コノヨザル@こだわりスカーフ

 シンプルなDS振り。自分で補強できないDに厚く、マジックルーム終了後はスカーフアタッカーに転じるのでSに。マジックルームと合わせた独特な立ち回り以外は特記することはない。テラスタイプはゴースト環境であることを考慮して無難なノーマル。

 マジックルーム要員はクレッフィゴチルゼルを準備した。クレッフィにはひかりのかべゴチルゼルにはリフレクターを覚えさせているので、相手のパーティを見てどちらか一体のサポート要員を選出したい。

 

実戦レポート

 解説する試合のパーティと選出。

 初手マスカーニャサザンドラだとゴチルゼルでサポートできないのでクレッフィから。

 初手はクレッフィルカリオ

 マジックルームから入り、特殊型だったのでひかりのかべも張った。

 ルカリオはどうだんを連打していたので、クレッフィから素引きでコノヨザル。マジックルームのターンは残り2なので、最低でも2回ビルドアップを積んでからスカーフコノヨザルに切り替えていく。

 ルカリオを流す際にビルドアップを積んでキョジオーン登場。積まれたり回復されるとジリ貧になってしまうので、もう一度ビルドアップを積みたいところを我慢してちょうはつから。偶然の産物ではあるが、スカーフ持ちでありながらちょうはつで相手の起点にならない小回りの良さもマジルならでは。このターンのてっぺきを阻止してマジックルームのターンが終了。

 キョジオーン、ルカリオは一貫するドレインパンチで処理。

 ルカリオとコノヨザルはS種族値が同じ90、こちらは準速なので数値上ではルカリオに先手を取られる可能性があったが、マジックルームが終了してスカーフの効果が戻っているので、ルカリオもスカーフを持っていない限り先手を取れる。

 さすがにサーナイトに対してドレインパンチを連打するのは分が悪いので、一旦クレッフィに引いて拘りを解除した。

 ふんどのこぶしに切り替えてサーナイトを処理。ここも準速コノヨザルは最速サーナイトに抜かれてしまうが、スカーフを持っているので上から叩けた。対戦ありがとうございました。

 解説する試合のパーティと選出。

 初手キラフロルコータスが見えているが、こちらはバンギラスを見せているので前者を読んでクレッフィから。晴れ選出なら引けるようにバンギラスとメインのコノヨザルも選出。

 初手クレッフィキラフロル

 何はともあれマジックルームから入り、キラフロルのだいちのちからを耐えてひかりのかべを残して退場(マジルターン残り3)。

 死に出しコノヨザル。壁があるのでビルドアップを選択、キラフロルからガブリアスへ(マジルターン残り2)。

 ガブリアスの出し方が流行っているらしいドラゴンテール持ちに見えたので、ダメージレースで不利にならないようドレインパンチで小突く、ガブリアスは可能な限りコノヨザルに触れる回数を少なくするためつるぎのまいを選択(スクショ2枚目、HP減少はさめはだ接触分)。

 マジックルームのターンが残り1、相手のガブリアスはダメージ量的にドレインパンチをもう一回耐えられるので、次のターンからスカーフの効果が戻ることを考慮して再度ビルドアップ

 素のS関係はガブリアスの方が上回っているため、相手視点では次のターンも先に動けるように映っているのでこのターンもつるぎのまい。積み比べなら遂行速度が+1分早い剣舞が有利なので、マジックルーム+スカーフを考慮しなければ間違った選択ではないと思う。

 マジックルームの効果が切れ、このターンからAB+2ずつのスカーフコノヨザルに変身する。このターンも自分が先に動けると思っているガブリアスに対し、先制でドレインパンチを叩きこんで撃破。

 キラフロルも倒してラスト一体はピカチュウ

 ピカチュウが格闘タイプを半減以下にできるテラスタルを使用しなければコノヨザルで全抜きできるが……

 ピカチュウは電気テラスタルだったので、そのままドレインパンチを通して勝ち。対戦ありがとうございました。

 相手がどのようにSを振っていたのか定かではないが、準速コノヨザルでは抜けない最速キラフロルやピカチュウ、そもそもS種族値で劣るガブリアスをマジックルーム前後のスカーフオン/オフのトリックで抜き去ることができ、戦術の真骨頂を発揮できた。また、マジル中に積んだコノヨザルがスカーフ復活後に全抜きしてくれた点も良かった。

 

反省点

 相手のパーティに格闘かゴーストどちらかの一貫性が見えても、テラスタルによるタイプ変化で見えないところから受けられてしまうのが、今作における拘りアイテムの難しさだと感じた。コノヨザルはとても強かったので、マジックルームなどという意味不明な工程を挟まず、素直に壁を張ってサポートしてあげればもっと強いと思う。

 この戦術の核は「積み技を使った=拘りはないだろう」という固定観念を突くところにあるが、マジックルームを使うことで自らヒントを与えてしまう点は弱点か。固定観念に囚われず豊かな想像力を持つプレイヤーにはお見通しだろう。

 

おわりに

 新年一回目ということで、今年は少しでも刺激的な内容をお届けできるように頑張ります。今は新作発売ご祝儀効果で記事を書けばある程度読んでもらえるので、目先の数字欲しさに考察の浅い戦術や勝ち試合を作れない戦術を掲載しないように気を付けます。

 原則として界隈で目立つためや話題性のためにコンボ戦術を組み立てるのではなく、大前提として勝負に勝つための戦術を作らなければいけないので、そこはブレずに続けていきたいです。

 我々がニコニコ動画ポケモン実況を観ていた時代よりもコンテンツの供給が多いので、受け手の見る目が鍛えられているのは間違いない。手を抜けばすぐにバレるし、質を落として数で勝負しようとすればあっという間に愛想を尽かされる。それは自分がコンテンツを見る側になったときにも感じることなので、納得できるものが作れるまで追求する姿勢は継続していきたいです。

 

 それでは今回はこのへんで。何かありましたらコメント欄かTwitterまでお願いします。

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