どうも。
たぶん強いです。
★本日のおしながき
構築記事の影響力
読者の皆様は構築記事をどれくらい読むだろうか?
現代のポケモンバトルは情報戦の様相を呈していて、筆者が最も心血注いでレート対戦をしていた5世代の頃よりも情報の拡散や流行り廃りのサイクルが早く「知らない」は「勝てない」時代になったのだ。
そういう意味でいうと今回のテーマである「オーロンゲ+ママンボウサイクル」も知らなければ攻略が難しいテーマだと思う。
前期(S14)最終4位を記録したプレイヤー氏がポケ徹さんに投稿したパーティがあり、レンタルも公開していることからS15の序盤~中盤は同じ並びのパーティを何度か見かけたプレイヤーは多いのではないだろうか。
ねこだまし+すてゼリフで削り+デバフを入れてサイクルを回すオーロンゲ、優秀な水単タイプでさいせいりょくを持ちクッションとして優秀なママンボウを軸に回し、拘りアタッカー(当該記事では鉢巻パオ、眼鏡ツツミ)を通す。また、TODに強いグライオンも組み込まれており、受け2+攻め1や受け3といった選出の柔軟性もあって、知らなければ崩すイメージを持ちにくい。
同じ並びを何度も見たので恐らくレンタルであることは感じていたが、この構築自体を知らなかったので崩す手段がなく「うーん、時間掛かりそうだから何手かやってダメそうなら降参でいいやw」くらいのスタンスだった。
だが、そうも言っていられない程度に見かけたので、これが流行りなら何かメタカードを用意しても面白いかもしれないと考えた。
聞こえねェってのは得になる
最も対策しなければいけないのは小回りの利くオーロンゲの立ち回りだと思った。ねこだましの削りは微々たるものだが、回復手段が無ければグライオンによるTODを成立させてしまい、すてゼリフで火力を削がれるとママンボウのさいせいりょく圏内に入る、グライオンがみがわりを残しやすくなるといったデメリットが生じる。
このオーロンゲに自由を与えてしまうとペースを握られてしまうので、すてゼリフ(音技)を無効化できるポケモンを探したとき、ジャラランガが取り巻きのポケモンにも強そうだった。
この構築には亜種がたくさん存在し、レンタルではないものも多いのですべてに当てはめることは不可能だが、少なくともレンタルをそのまま使っているのであれば完封できそうなジャラランガを育成した。
✓努力値
212-0-204(+)-0-0-92
グライオンを考慮するとHP総量で不利にならないためたべのこしを持つのでHPは16n+1で最大、Sは当該記事のグライオン(116)+1、残りはBに振ってできるだけ高く。
当該記事のオーロンゲはイカサマを持っているのでA個体値は0。
✓わざ
特性はぼうおんなのですてゼリフによるデバフは受けないが、Aを上げるはらだいこやソウルビートを使うとイカサマの火力を上げてしまうので、ジャラランガの種族値で最も高いBの数値で攻撃できる一致技のボディプレスを中心に組み立てた。当該記事にゴーストテラスを使用するポケモンがいないのもポイント。
当該記事のグライオンはHDベースの鋼テラスなので十分に積んだボディプレスでも十分だが、音技のスケイルノイズを見せることでテラスを催促させたり本体のHPを積極的に削ったりも視野に入れたい。
みがわりはテラスを使わずにグライオンの毒を回避する、残した状態で拘りアタッカーと対面できるようにする。
✓テラスタイプ
グライオンの毒を対策できて当該記事のパオジアン、テツノツツミの氷技とオーロンゲのソウルクラッシュに耐性がある鋼。
テラスを使っても当該記事のグライオン(A4振り)のじしんなら、B+2でみがわりが残るので大きなデメリットにはならない。
また、当該記事のパオジアンにせいなるつるぎが、カミツオロチにだいちのちからが無いので基本的に鋼テラスが裏目になることは無いはず。
✓とくせい
ボディプレスを主体とするのでそもそもすてゼリフの干渉を受けないが、ぼうおんにすることで技そのものを失敗させて、オーロンゲを手動で交代させなければいけなくなる。効果は一度きりだが、すてゼリフを使うターンにアドが生まれるのでオーロンゲの選出そのものを腐らせることが可能。
実戦レポート
並び順が同じなのでレンタルの可能性がある。
同じと仮定するなら初手からジャラランガでいいが、明確なメタカードは初手に出したくないのでライコから。記事によると初手で最も多かったのはオーロンゲなので、猫→台詞まで行動は読める。電気技をチラつかせ、グライオンかカミツオロチを炙り出すことで残りの1枚を推測しやすくなると思う。
初手タケルライコとオーロンゲ。
ねこだまし→すてゼリフの基本的な動き。この動きは確かに強いが、早々に手札を2枚晒してしまう。
例えば、この場面だと電気技を読めるのでデバフ込みとはいえ直接ママンボウには引きにくく、グライオンかカミツオロチの有無が確認できる可能性が高い。そのどちらかが出てきた場合は、ロンゲ+グライorオロチなので見えていない1枚はママンボウである可能性が高いと推測できる(グライを出す場合は受け3が多いと書かれている)。
オーロンゲからグライオンに交代。
どくどく→りゅうせいぐん、脱出パックで交代。このタイミングならジャラランガを出しても良さそう。
グライオン→オーロンゲに交代。
一応アレンジが加わっていた場合に備えて鋼テラスタルを使用、てっぺき1積み。
ここは読めているというか基本の動きなので安定してみがわり。仮に見えていない手札がパオかツツミの場合はみがわりを置いて処理したい、次のターンオーロンゲは手動で交代しなければいけないので、流し際にもう一度てっぺきを積める。
当該記事の個体と仮定した場合、B+4ならツツミが等倍テラスを使ってもボディプレスで確定一発になる。
オーロンゲ→グライオンに交代、流し際にてっぺき。
当該記事のグライオン(177-150)だと、+2ボディプレスで32.2~37.8%ダメージ(みがわりを破壊可能)、+4で47.4~56.4%ダメージ、+6で63.8~75.1%ダメージ。
ネチネチと不毛な時間を過ごしグライオンを突破。スケイルノイズの脅しに屈さず鋼テラスを切らなかったが、HDに厚いこととノイズのパワーがなかったのでこの枠は別の技に変えた方が良い(後にラスターカノンにした)。
対戦ありがとうございました。
ボディプレスに後出し可能なポケモンがいないと思うのでグライオンで居座った時点で厳しかったと思う。まもるのターンに合わせて空撃ちするてっぺきを読んで交代するにしろ、一体倒れた時点で詰みなのでイメージ通りに勝てた。
次はアタッカーがウーラオスとラティオス、カミツオロチの枠がモロバレルの亜種との対戦。ネットに答えが落ちているレンタルを完封できるのは当然なので、構成が異なる可能性のある亜種のパターンも。
パーティは異なるが選出の理屈は1戦目と同じで、後攻とんぼが可能なハッサムから。ウーラオスとラティオス両方に(タイプ上は)強いアシレーヌを添える。
サイクル構築との対戦は長引くうえに同じことをするので途中から。
1戦目と違って鋼テラスが裏目になる(主に水ウーラオス)場合があるので、ハッサムとアシレーヌで回しつつ相手の手札を全て確認したうえでジャラランガを着地させる。
みがわり→ねっとう。
ここでみがわりを残した時点で、相手の手札的にオーロンゲ以外で壊せないのでかなり有利になったと思う。
てっぺき→クイックターン(オーロンゲに交代)→てっぺき→イカサマ。
B+4の時点で無振りオーロンゲのソウルクラッシュは27.1~33.8%ダメージまで抑えられる。ここのイカサマはテラスかAを上げる積み技を読んだのだと思う。
てっぺき→ソウルクラッシュ。
ねっとう、クイックターン、イカサマを被弾してもみがわりが壊れなかったが流石にこれは無理。
ボディプレスでオーロンゲを処理。
裏のポケモンは見えているのでみがわりを置くよりもオーロンゲを処理し、数的優位を作っておけば負けない状況にしておく。仮にオーロンゲがHB特化でも+6ボディプレスで倒せるが、レンタルではないので一応鋼テラスを使用した。
仮にモロバレルが炎テラスだった場合、鋼テラスが裏目になる可能性もあるが、テラスを使った時点でボディプレスを通してしまうので問題なしか。何にせよここは安定行動のみがわり→キノコのほうし。
対戦ありがとうございました。
あとがき
序~中盤は頻繁に見かけたが、最近は見かける頻度が減って対戦データを集めるのに苦労した。レンタルを見かける機会は減ったが、アレンジの効くコンセプトなので亜種はこれからも開拓されていくのかもしれない。
全然理解していなかった頃はオーロンゲを回されているだけで消耗して「勝ち目がなさそうだし降参でいいやw」と投げていたので、やはり情報を仕入れるというのは大事だと再確認した。もっと早くにジャラランガを入れていればと後悔するばかりだ。
今回のように攻撃をACに依存しなければすてゼリフ対策のぼうおんは必要なく、よりグライオンに重点を置いた浮いている鋼のドータクンやエアームドでもいいかもしれないし、シンプルにクリアチャームを持たせるのもいいかもしれない。
おわりに
よく練られた素晴らしいデッキだと思います。このような新機軸のものを広め、多くのプレイヤーが参考にし、それに対するメタが生まれ……と切磋琢磨するのがポケモンの楽しさであるので、メタられるデッキを作って成績を残したプレイヤーに敬意を表します。