受けルガチアンチ

ポケモンバトルにエンタメを

【雑記】2月(S15)1週~4週のランクマ人口推移

 

 どうも。

 2024年2月のランクマ人口(シングル)について何やかんや。

★本日のおしながき

2024年2月のランクマ人口推移

 S15がスタートしたのが2024年2/1の13時からなので、そこから1週間後の2/8の13時に1回目の観測をし、さらに1週間後の2/15の13時……といったように1週間ごと決まった時間にPokémonHOMEで公表されている数字を記録しました。

★2月1週目 2/8 13:00

 ランクマ総人口:201,262人

 3桁ボーダー:R1722.823

★2月2週目 2/15 13:00

 ランクマ総人口:266,940人

 前週比:+65,678人(+32.6%)

 3桁ボーダー:R1808.152

★2月3週目 2/22 13:00

 ランクマ総人口:311,503人

 前週比:+44,563人(+17.0%)

 3桁ボーダー:R1867

スマホからPokémonHOMEにアクセスできず(エラー)、ポケモンバトルデータベース様に掲載されていた数字を参照

★2月4週目 2/29 13:00

 ランクマ総人口:348,620人

 前週比:+37,117人(+11.9%)

 3桁ボーダー:R1932.318

★2月最終

 ランクマ総人口:352,843人

 3桁ボーダー:R1953.074

 前期の最終が436,055人なので83,212人の大幅減(-19.1%)になった。

 マスボ級人口は前期105,262人に対し96,526人8,736人減少(-8.3%)した。総人口の減り方と比較して微減なので、毎月プレーする固定層に大きな変化はなかったと見られる。マスボ級人口はSVの中では7番目に高い数字を記録。

 レート2,000達成者は前期630人に対し今期621人9人の減少になった。同一レギュレーション最初のシーズンが最も多くなり、2シーズン目は下がる傾向がこれまでのデータから分かるが、1シーズン目→2シーズン目の下げ幅が最も小さかった(レギュE:631→396、レギュD:474→403、レギュC:456→321など)。

 S15を含む全シーズンの数字は以下の記事に

前月比

<総人口>

<増加率>

<3桁ボーダー>

雑感

 前項で掲載したグラフの通り、総人口・増加率・3桁ボーダーの推移は前月と大きく変わりませんが、ランクマの総人口が大きく減りました。

 サービス開始で最も人口が膨らんだS1から、10万人台の離脱が続いたS6を除外すると、83,212人の減少は最も大きい数字です。減少率の-19.1%は全期間(S1~S15)で5番目に大きな数字になり、DLC前後編の配信で盛り上がったムードに終焉を感じます

 ただ、最初の項にも書いた通り、マスボ級人口やレート2,000を達成したプレイヤー数は前月と比較して大きな差は無いので、固定層に大きな変化はなく、DLCで戻って来た休眠中だったプレイヤーが再び離れてしまったのだと推測しています。

 つづいてこちらをご覧ください。

 全期間中の総人口、マスボ級人口、R2,000達成者数を多い順に並べ替えた表になります。

 DLC後半の配信で大きく盛り返したS13~S14はS5以来の総人口400,000人を記録しました。S5当時は徐々に先細っていった最中とはいえ、まだ人が多かった時期に肉薄する数字まで回復したことを評価すべきでしょう。

 そこから一気に80,000人規模の減少はインパクトがあり、全期間で6番目の数字を記録したシーズンから同10番目まで低下したのは若干の寂しさを覚えます。

 ですが、マスボ級人口とR2,000達成者の数字を見ると前月と大きく変わらず、まだ高い水準を維持していることが分かります。これまで書いたことの反復になりますが、S7~S8のような固定層の大きな離脱は見られず、総人口の大きな減少こそありましたが特段ネガティブなイメージを持つ必要はないでしょう。

 ライト層的にはDLC後半配信のS13~14の2か月遊べたら十分だと思いますし、毎月のマスボ級維持を目的としなければ、たまに少し遊ぶ程度でいいと思います。

 来月はレギュレーションFの3か月目で、もう一月あるので数字はさらに厳しくなることが予想されます。時期的に中弛みもあり、3月は学生さんも我々社会人も等しく忙しくなる時期なので、一旦お休みするにはちょうどよい期間です。これといって上がり目もないので、S16ではさらに減り(30万人が攻防のラインか)、S17(レギュF最終月)で盛り返すようなイメージでしょうか。

 

おわりに

 個人的にはキョジオーンやヘイラッシャ、ラウドボーンなどあまり相手にしたくないポケモンが減って過去イチで遊びやすい環境だと思います。レギュCの頃のような閉塞感や、BIG6が騒がれていた時期よりパーティに幅があり、対面・サイクル・天候・受けなど多様なものを見られるので、対戦していて楽しいですね。

 先月も書きましたが、カイリューとハバタクカミは「殿堂入り」ということでお休みしていただいて、この2体を除外したレギュF環境が個人的にベストに近いと感じます。型が多すぎて初手カイリューの対応を誤ると試合が壊れる、ハバカミ式猫騙しなど十分に強いことはみんな知っているので殿堂入りして、どうぞ。

 

筆者→Mなか (@Mnaka_udn0525) / X

 

【雑記】ご無沙汰しております

 

 お久しぶりです。

 先月末から最近まで、自分自身もそうですが周り(という親族)でもいろいろなことがあって、ゆるりとゲームを遊んだりブログを更新したりという時間を取れませんでした。個人的なことなのでどうのこうの話す必要はないですし、適当に察しておいてください。

 

 SNSを見る時間とかゆとりも無かったので昨シーズン終盤からほぼ触れていなくて、構築記事や反省記事を見落としていると思います。それについては順を追ってひとつずつ読ませていただくつもりです。

 

 図らずもデジタルデトックスというか、そこまで大げさではないんですが諸々の情報を遮断する期間ができました。

 ぶっちゃけた話ですが、最近レートとか順位の話題に辟易している部分があって、それらの報告について純粋な気持ちで「おめでとう」と思う反面「そういうところじゃない部分でポケモンの話をしたい」みたいに思っていました。

 ちょうどそういう時期にSNSとかネットに触れられない時期が重なって「よかった」というと語弊はありますが、まぁよかったです。

 

 それは何でかというと、自分の遊び方を確立している一方で「みんな頑張っているのにこれでいいのか?」と5世代の頃はレートガチ勢だった自分が問いかけてきて、人と比較しても仕方ないし、ストレスを感じたり苦にならない範疇でポケモンを続けたいので今のままでいいはずが、それすらもレートとか順位という数字から逃げる言い訳に思えてきて疲れちゃったなと考えていました。

 バトレボからネット対戦を初めて、厨ポケ狩り講座を観てより対戦にのめり込んで、レートガチ勢だったのは5世代だけだったので、元々がカジュアル寄りのプレイヤーであると思いますが、良くしていただいているプレイヤーが頑張っているのを見ると、後ろめたさみたいなものを感じる瞬間ってあるんですよね。

 

 まぁそれはどうでもいいのですが、また少しずつやっていきます。

 今月は4か月あるレギュFの3か月目なのでセーブしつつというか、自分と周りの状況を見つつ、私生活重視でなんやかんややっていこうと思います。

 

 それに付随してというか、ついでなので書いておくと、筆者のように「レートとか順位以外の部分で話をしたい」というプレイヤーは多分いると思うんですが、そういう人たちによる、そういう人たちに向けた「最終3桁やレート2,000を目指すうえで必要のないテクニック」みたいな、ぼくらが学生の頃に厨ポケ狩り講座を観て楽しんでいたような感覚で触れられるポケモンメディアを作れたらと夢見ています。

 それは自分が主導である必要はないのですが、単独でも共同でも活字でも動画でも形は問わず、勝ち負けよりも「ポケモン対戦って楽しいよね」という部分に焦点を当てたメディアを作れたらいいなと。

 ランクマの人離れを見ると、DLCバブルが弾けた今後は数字が下がる機会が多くなると思うので、ライト層にも対戦を楽しいと思えるような、訴えかけられるようなメディアがあればなと思います。

 

 あと全く関係ないんですが、今年馬券が全然当たらなくて苦しいです。去年の春、ダービーくらいまで「買えば当たる」みたいな時期があって、面白くて仕方なかったのですが全然当たらないですね。データの使い方とか予想の仕方はそのときと変えていないのですが、それって自分の取り組みが良かったわけじゃなくて運が良かっただけじゃん!みたいなね。高松宮記念まで馬券の購入は止めておこうと思います。

 ついでにウマ娘3周年もおめでとうございます。アニメ3期は観ていたのでオルフェとジェンティルドンナの存在が示唆されていたのは知っていましたが、サンデーサラブレッドクラブを代表するような2頭が3周年で出てくるんだ~と思いました。もう育成できるのでしょうか?

 キャロットからはシーザリオが出てくるみたいなので、同一クラブで筆者の脳を今もなお強烈に焼き付けている「あの馬」も将来的に登場したりするのでしょうか。何はともあれ、競馬という新しい趣味に出会うきっかけを作ってくれてありがとうございます。今後も末永く。

 

【ポケモンSVシングル】ぼ う お ん ジ ャ ラ ラ ン ガ ~ようこそ無音の世界へ~

 

 どうも。

 たぶん強いです。

★本日のおしながき

構築記事の影響力

 読者の皆様は構築記事をどれくらい読むだろうか?

 現代のポケモンバトルは情報戦の様相を呈していて、筆者が最も心血注いでレート対戦をしていた5世代の頃よりも情報の拡散や流行り廃りのサイクルが早く「知らない」は「勝てない」時代になったのだ。

 

 そういう意味でいうと今回のテーマである「オーロンゲ+ママンボウサイクル」も知らなければ攻略が難しいテーマだと思う。

 前期(S14)最終4位を記録したプレイヤー氏がポケ徹さんに投稿したパーティがあり、レンタルも公開していることからS15の序盤~中盤は同じ並びのパーティを何度か見かけたプレイヤーは多いのではないだろうか。

 ねこだましすてゼリフで削り+デバフを入れてサイクルを回すオーロンゲ、優秀な水単タイプでさいせいりょくを持ちクッションとして優秀なママンボウを軸に回し、拘りアタッカー(当該記事では鉢巻パオ、眼鏡ツツミ)を通す。また、TODに強いグライオンも組み込まれており、受け2+攻め1や受け3といった選出の柔軟性もあって、知らなければ崩すイメージを持ちにくい。

 同じ並びを何度も見たので恐らくレンタルであることは感じていたが、この構築自体を知らなかったので崩す手段がなく「うーん、時間掛かりそうだから何手かやってダメそうなら降参でいいやw」くらいのスタンスだった。

 だが、そうも言っていられない程度に見かけたので、これが流行りなら何かメタカードを用意しても面白いかもしれないと考えた。

 

聞こえねェってのは得になる

 最も対策しなければいけないのは小回りの利くオーロンゲの立ち回りだと思った。ねこだましの削りは微々たるものだが、回復手段が無ければグライオンによるTODを成立させてしまい、すてゼリフで火力を削がれるとママンボウさいせいりょく圏内に入る、グライオンみがわりを残しやすくなるといったデメリットが生じる。

 このオーロンゲに自由を与えてしまうとペースを握られてしまうので、すてゼリフ(音技)を無効化できるポケモンを探したとき、ジャラランガが取り巻きのポケモンにも強そうだった。

 この構築には亜種がたくさん存在し、レンタルではないものも多いのですべてに当てはめることは不可能だが、少なくともレンタルをそのまま使っているのであれば完封できそうなジャラランガを育成した。

努力値

 212-0-204(+)-0-0-92

 グライオンを考慮するとHP総量で不利にならないためたべのこしを持つのでHPは16n+1で最大、Sは当該記事のグライオン(116)+1、残りはBに振ってできるだけ高く。

 当該記事のオーロンゲはイカサマを持っているのでA個体値は0。

わざ

 特性はぼうおんなのですてゼリフによるデバフは受けないが、Aを上げるはらだいこソウルビートを使うとイカサマの火力を上げてしまうので、ジャラランガ種族値で最も高いBの数値で攻撃できる一致技のボディプレスを中心に組み立てた。当該記事にゴーストテラスを使用するポケモンがいないのもポイント。

 当該記事のグライオンはHDベースの鋼テラスなので十分に積んだボディプレスでも十分だが、音技のスケイルノイズを見せることでテラスを催促させたり本体のHPを積極的に削ったりも視野に入れたい。

 みがわりはテラスを使わずにグライオンの毒を回避する、残した状態で拘りアタッカーと対面できるようにする。

テラスタイプ

 グライオンの毒を対策できて当該記事のパオジアン、テツノツツミの氷技とオーロンゲのウルクラッシュに耐性がある

 テラスを使っても当該記事のグライオン(A4振り)のじしんなら、B+2でみがわりが残るので大きなデメリットにはならない。

 また、当該記事のパオジアンにせいなるつるぎが、カミツオロチにだいちのちからが無いので基本的に鋼テラスが裏目になることは無いはず。

とくせい

 ボディプレスを主体とするのでそもそもすてゼリフの干渉を受けないが、ぼうおんにすることで技そのものを失敗させて、オーロンゲを手動で交代させなければいけなくなる。効果は一度きりだが、すてゼリフを使うターンにアドが生まれるのでオーロンゲの選出そのものを腐らせることが可能。

 

実戦レポート

 並び順が同じなのでレンタルの可能性がある。

 同じと仮定するなら初手からジャラランガでいいが、明確なメタカードは初手に出したくないのでライコから。記事によると初手で最も多かったのはオーロンゲなので、猫→台詞まで行動は読める。電気技をチラつかせ、グライオンかカミツオロチを炙り出すことで残りの1枚を推測しやすくなると思う。

 初手タケルライコオーロンゲ

 ねこだましすてゼリフの基本的な動き。この動きは確かに強いが、早々に手札を2枚晒してしまう。

 例えば、この場面だと電気技を読めるのでデバフ込みとはいえ直接ママンボウには引きにくく、グライオンかカミツオロチの有無が確認できる可能性が高い。そのどちらかが出てきた場合は、ロンゲ+グライorオロチなので見えていない1枚はママンボウである可能性が高いと推測できる(グライを出す場合は受け3が多いと書かれている)。

 オーロンゲからグライオンに交代。

 どくどくりゅうせいぐん、脱出パックで交代。このタイミングならジャラランガを出しても良さそう。

 グライオン→オーロンゲに交代。

 一応アレンジが加わっていた場合に備えて鋼テラスタルを使用、てっぺき1積み。

 ねこだましすてゼリフ(無効)→みがわり

 ここは読めているというか基本の動きなので安定してみがわり。仮に見えていない手札がパオかツツミの場合はみがわりを置いて処理したい、次のターンオーロンゲは手動で交代しなければいけないので、流し際にもう一度てっぺきを積める。

 当該記事の個体と仮定した場合、B+4ならツツミが等倍テラスを使ってもボディプレスで確定一発になる。

 オーロンゲ→グライオンに交代、流し際にてっぺき

 当該記事のグライオン(177-150)だと、+2ボディプレスで32.2~37.8%ダメージ(みがわりを破壊可能)、+4で47.4~56.4%ダメージ、+6で63.8~75.1%ダメージ。

 ネチネチと不毛な時間を過ごしグライオンを突破。スケイルノイズの脅しに屈さず鋼テラスを切らなかったが、HDに厚いこととノイズのパワーがなかったのでこの枠は別の技に変えた方が良い(後にラスターカノンにした)。

 対戦ありがとうございました。

 ボディプレスに後出し可能なポケモンがいないと思うのでグライオンで居座った時点で厳しかったと思う。まもるのターンに合わせて空撃ちするてっぺきを読んで交代するにしろ、一体倒れた時点で詰みなのでイメージ通りに勝てた。

 次はアタッカーがウーラオスラティオス、カミツオロチの枠がモロバレルの亜種との対戦。ネットに答えが落ちているレンタルを完封できるのは当然なので、構成が異なる可能性のある亜種のパターンも。

 パーティは異なるが選出の理屈は1戦目と同じで、後攻とんぼが可能なハッサムから。ウーラオスラティオス両方に(タイプ上は)強いアシレーヌを添える。

 サイクル構築との対戦は長引くうえに同じことをするので途中から。

 1戦目と違って鋼テラス裏目になる(主に水ウーラオス)場合があるので、ハッサムアシレーヌで回しつつ相手の手札を全て確認したうえでジャラランガを着地させる。

 みがわりねっとう

 ここでみがわりを残した時点で、相手の手札的にオーロンゲ以外で壊せないのでかなり有利になったと思う。

 てっぺきクイックターン(オーロンゲに交代)→てっぺきイカサマ

 B+4の時点で無振りオーロンゲのウルクラッシュは27.1~33.8%ダメージまで抑えられる。ここのイカサマはテラスかAを上げる積み技を読んだのだと思う。

 てっぺきウルクラッシュ

 ねっとう、クイックターンイカサマを被弾してもみがわりが壊れなかったが流石にこれは無理。

 ボディプレスでオーロンゲを処理。

 裏のポケモンは見えているのでみがわりを置くよりもオーロンゲを処理し、数的優位を作っておけば負けない状況にしておく。仮にオーロンゲがHB特化でも+6ボディプレスで倒せるが、レンタルではないので一応鋼テラスを使用した。

 仮にモロバレル炎テラスだった場合、鋼テラス裏目になる可能性もあるが、テラスを使った時点でボディプレスを通してしまうので問題なしか。何にせよここは安定行動のみがわりキノコのほうし

 対戦ありがとうございました。

 

あとがき

 序~中盤は頻繁に見かけたが、最近は見かける頻度が減って対戦データを集めるのに苦労した。レンタルを見かける機会は減ったが、アレンジの効くコンセプトなので亜種はこれからも開拓されていくのかもしれない。

 全然理解していなかった頃はオーロンゲを回されているだけで消耗して「勝ち目がなさそうだし降参でいいやw」と投げていたので、やはり情報を仕入れるというのは大事だと再確認した。もっと早くにジャラランガを入れていればと後悔するばかりだ。

 今回のように攻撃をACに依存しなければすてゼリフ対策のぼうおんは必要なく、よりグライオンに重点を置いた浮いている鋼ドータクンエアームドでもいいかもしれないし、シンプルにクリアチャームを持たせるのもいいかもしれない。

 

おわりに

 よく練られた素晴らしいデッキだと思います。このような新機軸のものを広め、多くのプレイヤーが参考にし、それに対するメタが生まれ……と切磋琢磨するのがポケモンの楽しさであるので、メタられるデッキを作って成績を残したプレイヤーに敬意を表します。

 

筆者→Mなか (@Mnaka_udn0525) / X

【ポケモンSVシングル】A S 2 5 2 振 り 珠 グ ラ イ オ ン

 

 どうも。

 陽キャグライオンってコト…?

★本日のおしながき

イントロダクション

戦う顔をしたグライオン

 今ではすっかりポイズンヒールの印象が定着し、TODに自信ニキとして多くのプレイヤーに認知されているグライオン。だが、ポイヒは5世代で追加された特性であり、登場初期の頃は「すながくれ」による回避に自信ニキとして活躍していた。どちらにせよ印象は良くないポケモンである。

 今回注目するのは3つある特性の中で最も陽キャっぽいかいりきバサミである。相手からの効果でAが下がらないというものであり、正直クリアボディの下位互換といっても過言ではないが、Aデバフの代表格であるいかくや現在流行中のデバフサイクルから干渉を受けないのは優秀といえる。

 

グライコ爆誕

 そんなこんなで純粋なアタッカー型グライオンを運用するが、さすがにA種族値95程度のポケモンをメインアタッカーに据えられるほど、ポケットモンスタースカーレットバイオレットの世界は甘くない。

 では「かいりきバサミグライオンとは何だったのか?」となってしまうし、この記事はここで終了になってしまうが安心して欲しい。パーティの「崩し」を担うアタッカーとして今回は活躍してもらう。

 基本的には前々回投稿した【ポケモンSVシングル】ハバカミパルシェン ~対ランド式脱出システム~ と同じギミックを使う。環境に増えているHDに厚いランドに弱い特殊アタッカーを積極的に繰り出し、有利対面なら削ってランド対面なら威嚇をトリガーに発動する脱出パックで対面操作をする、というもの。前回はハバカミ×パルシェンだったが、今回はグライオン×タケルライコの「グライコ」の組み合わせを使う。

 ライコは基本的にランドロスに弱く、りゅうせいぐんとの組み合わせで無理なく脱出パックを採用できて、ランドロスグライオンに目立った打点が無いのでランドロスグライオンの対面から優位を作っていく。

努力値:A252(+)、S252、端数H

わざ:クラブハンマー→こおりのキバに変更

 現環境のランドロスは陽気の割合が減少し、意地っ張りや慎重が増えているので、A種族値が足りないこともありSは準速で十分と判断した。

 技はランドだけを意識するなら4倍打点になるこおりのキバでいいが、ガチグマやディンルー等を意識してクラブハンマーを採用した。が、結果としてカイリューに打点が欲しいことが多かったのでこおりのキバを採用。剣舞をしない場合、こおりのキバならH振りランドに対して乱数1(75.0%)になるので、逃げられる前にランドを処理するならクラブハンマーよりも優秀。

 テラスは耐性重視で。他のポケモンにテラスを使う必要性が薄い場合、パオジアンやハバタクカミに無理やり居座って殴れるところも良い。

 

実戦レポート

 やや怪しいが初手ライコから。ハバタクカミと鉢合わせた場合は必殺の鋼テラスヘビーボンバーで強引にアドを稼ぐ。初手ブリジュラスの場合はビームかステロかはっきりしないのでどちらにせよ判断が難しい。

 初手タケルライコランドロス

 対ランド式脱出システムが発動し、グライオンを着地させて……

 と思ったら操作ミスでオーガポンを出してしまった。引くに引けないのでとりあえずつるぎのまいとんぼがえりでランドが逃げていく。

 これの何がマズいかというと、オーガポンのがんじょうが剥がれることもそうだが、グライオンでランドを処理しなければ結局ライコの通りが悪いので、このシステムそのものの意義が潰れてしまう

 こうなってしまったら仕方ないので、はたきおとすで削りを入れラスターカノンで倒された。ブリジュラスの特性はじきゅうりょくたべのこしを没収したのでてっぺきボディプレス型と推測。このタイプはボディプレス+鋼打点なのでとりあえずグライオンを投げておけばなんとかなるはず。

 グライオンがポイヒ型にしろこの対面はじしん一択なのでランドロス交代読みでつるぎのまい、ブリジュラスはステルスロックだった。

 前々回もブリジュラスの型を読み違えたが、これはじきゅうりょく+ステロドラテ型だろう。それならドラゴンテール(ほえる)も視野に入れて、悠長に剣舞ではなくじしんから入るべきだったので、もっと見る目を鍛えなければいけない。

 ブリジュラスはフェアリーテラスを使用、正直にじしんを撃ったがB+1ブリジュラスを+2珠じしんで倒し切れた。オーガポンのはたきおとすは無駄ではなかった。

 続くオーガポンは隠し玉のダストシュートで処理。炎はあまりSに振らないイメージだが、ここはイメージ通りグライオンが先行した。ツタこんぼうは急所ランク+1の上振れ要素があるため、B種族値の高いグライオンといえど無振りなので吹き飛びそう。上を取られていたらここで終戦の可能性もあった。

 珠は珠でもいのちのたまなのでポイズンヒールの可能性は低く、ピンですながくれも考えにくいので、かいりきバサミであることはバレていると思うが、ランドにサイクルを回されても干渉されないのは優秀。

 対戦ありがとうございました。

 ライコ脱出→グライ着地をしてればもっと楽に、グライを倒されたら詰みといった状況にはならなかったが、結果として役割破壊技をフル活用してゲームを作れたと思う。

 今度はきちんと着地させるパターンを。

 明確な不利がランドロスしかいないのでライコ先発、ペアでグライオン。行動保証があり単体で選出に組み込みやすい岩オーガポンを添える。襷ウーラオスと選択になるが、相手の下三体を見ると岩ポンを選びたくなる。

 初手タケルライコハッサム

 10まんボルトとんぼがえりハッサムはなまじ耐久があるのでとんぼがえりを成立させやすいが、正直ハッサムに対して薄めの選出なので、ここで削りを入れられたのはよかった。

 出てくるランドロス。威嚇をトリガーに対ランド式脱出システムが作動。

 ライコの瞑想型を意識する場合、初手ハッサムはたきおとすも考慮できると思うが、脱出パックを没収されなくて助かった。

 今度こそグライオンを着地。今回もオーガポンを選出しているので間違えないように点呼と指差し確認をしてから出した(大嘘)。

 既にハッサムが見えているので、ランドを処理すれば最低でも一体はライコで倒せるポケモンがいる。ここはのんびり剣舞を積むより、ランドを早々にサイクルから除外してライコを通すことを優先したい。こおりのキバはランドがHDと仮定すると前述の通り75%の乱数なので、ダメージ的にB振りではない。

 ランドの行動はステルスロックアタッカー型のグライオンは秘匿性が高いため、こおりのキバのような役割破壊技は殆ど警戒されない。

 ランドロスアシレーヌに交代。

 どちらにせよランドからグライオンに有効打は無く、ライコに安易な電気技を許さないためランドを残す価値はあり、じしんは撃ちにくい対面なので交代読みが決まりやすい。がんせきふうじ裏目になるが、つるぎのまいを積んだ。

 ダストシュートアシレーヌを処理。

 アシレーヌの型が分からないので、HB系だとじしんでは怪しい。外しのリスクがあるので一応鋼テラスを使用しておいた。アシレーヌが多く採用するテラスタイプは(S15暫定33.1%)、(同27.4%)で次いで(同13.3%)、(同10.1%)になる。ダストシュートを見せていない段階でテラスを切るとじしん裏目になりやすいので、ここはリスクを取って正解だったか。

 ランド先出し→ハッサム。こちらはライコと岩ポンの2枚残しているのでほぼ勝ち。

 万が一グライオンかいりきバサミではなかった場合を考えると、一応ランドを先に出していかくを入れられるか確認する意味はあると思うので、この出し方は間違いではないと思う。どちらにせよ全員グライオンより遅い時点で縛りが完成している。

 半分手前まで削れたハッサムを倒して勝ち。対戦ありがとうございました。

 ハッサム飛行テラスもたまにいるのでじしん裏目になる可能性もあるが、それならそれで裏の2枚で縛れているので問題なかった。毒が効かないハッサムみがわりを貫通できるアシレーヌの選出はポイヒグライを考えると間違っていない選出だと思うが、今回も役割破壊技をフル活用して完封してくれた。

 

あとがき

 とにかく強かった。環境に多いオーガポンやアシレーヌフェアリーテラスを切らせたポケモンに対するダストシュートがあまりにも強く、崩しのカードとして真価を発揮した。

 S15暫定のグライオンに関するデータを幾つかピックアップ。採用上位の数字がはっきりしているので、グライオンを見たら最も気を付けなければいけないのは自ずとポイヒ型になる。それ以外のことはあまり考える必要はないとデータが示している

 特に今回崩しのカードとして活躍した役割破壊技(こおりのキバ、クラブハンマー、ダストシュート)はデータにないもので、2.5%を切る採用率であればそんなものを考える方が悪手に繋がってしまう。

 ちょうはつ+どくびし+ステログライオンは何かの構築記事で拝見したことはあるが、剣舞アタッカーはもこう氏が約3か月前に投稿したスケショ型以外で見たことが無い。

 前々回投稿したパルシェンと違ってアタッカー型に秘匿性があり、ポイヒ型は対策しなければ詰みかねないので選出を歪められるところも、グライオンの良さだった。グライオンが苦手な水ウーラオスは概ねライコで縛れるところも相性が良い。

 

おわりに

 前々回と今回はランドロスを誘ってゲームを組み立てる例を紹介させていただきましたが、パオジアンに脱出パックを持たせてガオガエンを呼び、水テラス眼鏡ツツミを着地させても面白いと思います。何かしら一体犠牲を差し出さなければいけない火力があるのでね。

 カミパルシェンの記事に対していただいた感想で「カミでおじさんを誘って出てくるのがパルシェン、メスガキ美人局」や「左の技巧派に合わせて準備したら右の速球派が先発してきた」など秀逸なものをいただきました。例えが上手くて唸りました。ありがとうございます。

 

筆者→Mなか (@Mnaka_udn0525) / X

※サムネ用

 

【ポケモンSV 番外編】ぶっしー杯 参加してみた

 

 どうも。

 一般ポケモンオタク、SV仲間大会に参加してみたシリーズ第七弾です。楽しく遊べたのでいつも通り簡潔に振り返ります。

★本日のおしながき

大会概要

主催:ぶっしー 氏

開催日時:2/20(火) 21:00~23:59

ルール:シングルバトル オフィシャルルール1

制限:タイプ統一(テラスタイプは自由)

   準伝とパラドックスは合わせて1体まで

その他:対戦回数99回

    持ち時間7分

    総合時間20分

    負けた側が30秒待機(再戦対策)

参加者:75名(順位がついたのは74名)

 

事前考察とデッキレシピ

 まず制限対象と各タイプの分布を掲載します。

 制限カードを一枚組み込み、それをある程度の軸として運用するのであれば、今作最強ポケモンであるハバタクカミを使えて、優秀な一般ポケモンで脇を固められそうなゴースト(ミミッキュ、イダイトウ、サーフゴーなど)とフェアリー(アシレーヌミミッキュ、Aキュウコンなど)のバリューが高そうだと思いました。

 特性や複合タイプで偏りを気にせず強いパーティを組める飛行も昔からタイプ統一の定番であり、カイリューやブリジュラスなどが制限カードと無理なく共存できそうなので、一般ポケモンを先に考えたときに強いタイプでしょう。

 Hヌメルゴンやブリジュラスといったテラスを使わずに弱点タイプと戦えるポケモンがいて、高種族値ポケモンが集まりやすいドラゴンは一般ポケモンだけでも強いパーティを組めそうです。

 では、自分が使うデッキはの5タイプから選ぶ……と見せかけて選ぶのはノーマル一択です。

レジギガス:AB252、H4

ポリゴン2:HB252、D4

ポリゴンZ:CS252、H4

ドーブル:HS252、B4

メタモン:H252

Hゾロアーク:S252、BD振り分け

レジギガスをみんなで介護しよう

 せっかくの仲間大会なので、制限枠としてレジギガスを使えるノーマルを選びました。ゾロアーク拘りトリック+いちゃもんによるわるあがきの強制や、ドーブルでんじはしおづけなど相手を妨害する動きで少しでもターンを稼げるようにしました。

重力電磁砲で別軸も

 レジギガスを選出するのが不適切なパーティには別軸として、じゅうりょくでんじほうの電気技を主体とした動きができるように準備しました。その場合はポリゴンZがエースアタッカーになるので、実質レジギガスポリゴンZのダブルエースになります。

 

大会レポート

 個人的な事情で出遅れてしまい、22時過ぎから対戦をスタートしました。15戦くらいできればいいかと思いましたが、結果的には12戦で終了時間を迎えます。もう少し対戦しかたったのは事実ですが、中身のない試合はひとつとしてなかったので満足できました。

 タイプ統一初心者の筆者的に人気しそうなタイプとして事前考察の項で5つ挙げましたが、実際のマッチングはどうだったのかというと、地面と水が3回ずつ、氷・霊・毒・超・闘・竜が1回ずつでした。地面は主催のぶっしー氏に対するリスペクトもあるのかもしれませんし、水は天候も絡めると役割集中して強いタイプなので「なるほどな」という感想です。

 なんと初戦は主催のぶっしー氏でした。仲間大会で主催者様と対戦するのはこれで2回目ですが、配信の有無にかかわらず緊張します。

 で、対戦後に机に置いたコントローラーを落とした際に「対戦を続ける云々」のところでAボタンが入力されてしまい、負けた側の30秒待機を守れず再戦になってしまいました。完全に筆者の不注意だったので申し訳ございませんでしたの一言に尽きます。

 それ以外は再戦が発生しませんでした。自分の不注意以外で再戦がなかったのは久しぶりだったような気がします。

 

 前提としてタイプ統一という制限があるので、ここで食わず嫌いをしてしまうプレイヤーもいるかもしれませんが、普段タイプ統一をしない筆者が実際に遊んでみてルール作りも良かったと思います。

 まず、テラスについてプレイヤーに自由が与えられていたのが遊びやすさを感じた理由のひとつです。例えば「テラスもタイプを揃えてください(純正統一)」や「テラスなしのルールです」となってしまうと「テラスをしなくても強いタイプ」「テラス依存が低いポケモン」などに偏りが生まれてしまい「せっかくの大会なのに同じ顔触ればっかりだなぁ…」となる可能性が考えられるからです。

 つぎに、準伝パラドックスの制限がちょうどよく感じました。パワーカードを制限することでタイプ間の格差を少しでも減らそうといったような解釈もできますし、全体的なデッキパワーを落とすことで、表現は正しくないと思いますがランクマより少しカジュアルに遊べる環境作りになっていたと思います。

 実際、筆者のデッキでもレジギガスが最長で3ターン生存したり、重力を発動してから効果が切れるまで試合が続いたり、なんとなくいい勝負になるような試合が多かったです。

 

結果と感想

 12戦1勝11敗でレート1364.079、最終順位は74(/74)でした。

 この1勝はメタモンで変身したポケモンとの同速勝負勝ち+急所引きというとんでもない運だけ野郎でした。

 レジギガスは12戦で7度選出しましたが、一度も調子を取り戻すことなく大会が終わりました。前の項で書きましたが生存した最長ターンは3です。

 勝ち筋が曖昧なデッキでしたが「みんなでレジギガスを介護する」「重力電磁砲を撃つ」「デコレーション+かわりものメタモン」といった準備したギミックはいずれも最低でも2回以上発動できたので楽しかったです。

 タイプに限らず何かしらに制限があると「〇〇ができるポケモンがいない」とかコンボパーツ不足に陥りがちですが、その点でドーブルという何でも屋がいるのはノーマル統一の特権だと思いました。メタモンも然り。

 これは筆者が普段タイプ統一に取り組んでいないからこその感想だと思いますが、そのタイプで統一するのであれば取り繕ったりせず弱いところは弱いままにしておきたいので、本当はノーマル単統一にしたかったです。ただ、ドーブル以外で拘りトリックといちゃもんを両立できるポケモンがいなかったので、ゾロアークを採用しました。

 

おわりに

 本大会の企画・運営を行ったぶっしー氏に感謝と労いを、対戦してくださった全てのプレイヤー諸兄姉に感謝とリスペクトを送ります。タイプ統一という自分にとっては新鮮な体験と楽しい時間を過ごせました。

 ルール作りや全体的な感想はそれぞれの項でしっかり書けたので後語りすることはありません。タイプ統一初心者でも遊びやすいバランスの取れた大会でした。

 

筆者→Mなか (@Mnaka_udn0525) / X

 

ギャラリー

 メタモンでAキュウコンをコピーしてオーロラベールを使う、どさくさに紛れてドーブルで重力を使うなどやりたい放題でした。でんじほうも連発しましたが、最後はメタモンの同速勝負勝ち+有効急所引きの運だけでした。

 チョッキアタッカー型のラグラージをデコレーションしてコピーに成功しましたが、あってもH振りのみだと思うので思ったより柔らかく、ウーラオス自慢の拳法の前になすすべなく敗れたのでした…

 一度も調子が上がりませんでしたが、だれしもそういうことが起こります。朝起きて調子が悪くて布団から出られなかったり、低気圧で身体がダルかったりしますので責めてはいけません。

 ちなみにNNは布袋(ヌノブクロ)ではなく布袋(ホテイ)と読みます。後ろから見たら布袋寅泰氏のギターっぽく見えるじゃないですか?

 

おわり。

 

【ポケモンSVシングル】ハバカミパルシェン ~対ランド式脱出システム~

 

 どうも。

 パルシェンって定期的に環境に刺さるような気がします。

★本日のおしながき

霊獣ランドロスの役割変遷

 霊獣ランドロス(以下、ランドロス)は育成の幅が広く、環境に合わせて役割を柔軟に変えられるのが魅力だ。

 まずは初登場のS8からS15現在の暫定のものまで、幾つかデータをピックアップしたので役割の変遷を確認する。

 平均して高いのは「いじっぱり」だが、S12~S13は「しんちょう」が最も高い。ハバタクカミの電磁波無効枠として人気だった記憶があり、仮想敵に合わせた性格選びだと思われる。S8~S11の「しんちょう」は4番手で、3番目に多いのは「わんぱく」だった。

 意地+陽気の普遍性とは別に、腕白の減少と慎重の増加はランドロスの役割変化を示すひとつの要素といえそうだ。

 こだわりスカーフの割合ととつげきチョッキ「オボンのみ」の割合を見ると、登場からしばらくはアタッカー色が強く、S12あたりから主に特殊方面へのメタカードとして採用されているような変遷が読み取れる

 S8~S13とS14以降でとつげきチョッキの採用率が大きく変わり、S8~S10は「こだわりハチマキ」の採用率の方が高い。鉢巻型の減少とチョッキ型の増加から、攻撃面の数値よりも耐久性の確保が求められていることが分かる。

 全シーズンで最も高いのは飛行だが、徐々にが増加している。S8~S11ではよりもフェアリーが多く採用されていたが、S12からが取って代わった。

 S14の構築記事が公開された影響かS15ではチョッキ×鋼テラスが増えている。ちなみに「ポケモンバトルデータベース」様に掲載されている構築記事のうち、100位以内のランド入り記事でこれに当てはまるものは7/15件でほぼ半数。

 

 これら3種のデータを総合すると、拘り型のアタッカー(主に飛行テラス)は普遍的な攻撃のカードであるが、今急上昇しているのはHD振り×チョッキ×鋼テラスである

 このトレンドは何を意味するのか調べてみたところ、ハバタクカミガチグマ(アカツキ)サーフゴーといった既存の特殊アタッカーに加え、レギュFから登場したブリジュラスにも強いことが追い風となり、積極的に採用されていると分かった。

 

対ランド式脱出システム

 前提が長くなってしまったが、ここから今回の本題に入る。

 前項で述べたランドロスの急増により、安易にハバタクカミを投げるとディスアドを発生させてしまう。硬いランドロスを嫌って引けば後続に負担をかけてしまい、引かずともハバカミという強力なカードを失ってしまうのだ。

 そこで、過去に対ランドロス対面のディスアドを爆アドに変換できる戦術記事を投稿したことを覚えているだろうか。剣盾時代の話で取り上げたのも一回なので覚えていな読者の方が多いだろう。

 この記事では脱出パックを持たせたムゲンダイナでムゲンダイビームを撃って一体飛ばし、死に出しで出てくるランドロスの威嚇で退場させ、ランドロスに強いパルシェンを着地させることで有利対面を作る対面操作戦術について書いている。

 それを流用し、ステラバーストとの相性も良く無理なく脱出パックを持てるハバタクカミでランドロスを誘い、パルシェンを着地させることで不利をアドバンテージに変換することを狙う。

努力値:28-252(+)-68-0(-)-4-156

 HPは珠なので10n-1、Aは特化、BDは余りと端数。Sは+2でランク補正を考慮しない殆どのポケモンを抜けて、無振り霊獣ランド-1。ランドより速くするとからをやぶるとんぼがえりなどで被ダメージが増えるので、Sを落とさないランドの後攻を取れるように。

 テラスタイプは地面。ライコの電気技を透かしつつ積む、鋼テラスランドへの打点を作る、一応でんじは対策など用途は多岐に渡る。

 

実戦レポート

 こちらはハバタクカミ+ガチグマのチョッキランドの仮想敵が2枚入っている。相手のデッキはランドライコで、こちらのハバカミに対して後投げできそうなポケモンはパッと見でランドしかいないのでチョッキ持ちのHD振りと推測。

 仮想敵が2枚いるので比較的初手に出して様子見しやすく、どちらにせよ選出は必須だと思うのでハバカミを初手に置き、パルシェンもセットで選出。単体で選出に組み込みやすいチョッキ熊を添えた。

 初手ハバタクカミランドロス

 エナジーの場合流して剥がす、眼鏡でも電磁波でも対応できるので、パーティ的にランドロスが初手に来るのは順当か。いかく発動でAが下がり……

 だっしゅつパックが発動。チョッキランドを一点読みするなら、この対面はディスアドしかないのでスタンバイフェイズの段階でハバカミを下げて……

 パルシェンの着地に成功。

 3枚ある手札のうち2枚を開始早々に見せてしまうディスアドの是非はあるが、相手の手札を確認したうえでそれより強いカードを出せる、そこから優位を作っていくというのが対ランド式脱出システム。今回の本質はこれでお終いなので、ここからは淡々とパルシェンで敵を倒していく。

 ランドロスブリジュラスに交代、流し際にからをやぶる

 ランドが鋼テラスと仮定するならテラスを使用、チョッキ持ちはくさむすびを持つ傾向がある(採用率20.6%、全体6位)ので、無理やり居座れないこともない。今回はブリジュラスが出てきたので、多段ヒットするつららばり読みのじきゅうりょく型だと思った(後に頑丈が発覚)。

 地面テラスタルを使用→テラバーストがんじょう発動。

 ブリジュラスはハーブ型でエレクトロビームを透かした。ランドの裏に置いてつららばりを読むなら特性はじきゅうりょくの可能性があり、てっぺき/ボディプレス/でんじは/鋼打点 のような構成だとでんじはを拒否できて、打点も確保できるので地面テラスを使ったらビームだった。見当違いな読みをしていたので正直ラッキー。

 ブリジュラスからランドロスに交代、そういうこともあるだろうと思って選択していたつららばりで処理。HP1のブリジュラスを残す必要があったかは不明だが、ハバカミの邪魔になるランドの除外に成功した。

 死に出しカイリュー

 しんそくを耐え返しのつららばりで処理。ここでテラスを使わなければ使いどころがないように思えるが、使わない(使えない)ということは飛行(17.8%、全体3位)か。

 ちなみにカイリューが特化+ノーマルテラスの場合、今回使用しているパルシェン(129-209)がB-1で51.9%~61.2%ダメージ、さらに鉢巻なら77.5%~91.4%ダメージになるので使っていたと思う。

 非常にパルシェンに対して薄い選出だったので、初手ハバカミのディスアド回収から結果的に爆アドになった。パルシェンはブリジュラスで見るか、削ってカイリューしんそく圏内に入れるといったイメージだった可能性がある(その場合カイリューはあの場面でテラスを切れるノーマルか鋼でありそうな雰囲気はあるが)。

 残りHP1のブリジュラスを倒して勝ち。対戦ありがとうございました。

 結果として1球も投げずにアクシデントで降板したハバカミ投手から代わったパルシェン投手が完封勝利を達成したが、相手がパルを重く見て+2パルより速いエナジーカミタイプ有利の水ウーラオスを選出していたらどうなの?という話ではある。後述するが、パルシェンは現在使用率142位まで落ちており環境的に評価を下げて選出を組み立てた可能性がある。

 

あとがき

 パルシェンについて少し触れておくと、初期環境はある程度の使用率を残していたが、現在ではギリギリ150位以内に掲載される程度にとどまっている。評価を下げた理由はわざわざ書くまでもないが、依然として攻撃タイプの氷やサブの岩は環境的に通りが良い。

 本編でも触れたように鋼テラス+くさむすびランドには勝てないが、多くの場合ランドロスを流してからをやぶるを積めるのはダイナパルの頃から分かっていたので、ハバカミどうこうというより、純粋にパルでアドを稼ぐために有効な動きと言える。いわばハバカミは囮まである。

 また、パルが最も使われていた初期環境と比較してヘイラッシャやラウドボーンといった天敵が使用率を下げているので、(積みアタッカー全般が)動きやすくなったと感じる。S+2でも抜けないエナジーカミも眼鏡型が増えたことで(下表)、積んでも縛られるといったことが少しは減る。

 はじまりはランドライコとよくマッチングして、これらのポケモンに一貫する行動を持つポケモンはいないかというところからスタートしたので、できればハバカミで対ランド式脱出システムを発動させたうえでサイクルを破壊したかった。

 こちらは諸々あって対ランド式脱出システムは機能しなかったが、ランドライコ意識の地面テラスパルで上手く立ち回れた例。パックを使えなかったので、ライコ対面で地面テラス+からをやぶるで強引に積んだ。

 最後攻撃を受けた段階でHPが珠ダメを下回ってしまったので、最終的には両者全滅になったが、パルシェンが全部倒してくれた。

 

おわりに

 データというか理由付けの部分が長くなってしまいましたが「〇〇だから△△」というのを客観的に語るうえで、最も必要になるのがデータの部分なのでご容赦ください。

 それから今作匿名TNで遊んでいる方が多く、そのための匿名なので、いつも施しているお名前を隠す加工を試験的に省きました。お叱りを受けたら匿名TNでも加工します。

 

筆者→Mなか (@Mnaka_udn0525) / X

【ポケモンSV 番外編】カイリュー1on1 参加してみた

 

 どうも。

 一般ポケモンオタク、SV仲間大会に参加してみたシリーズ第六弾です。楽しく遊べたのでいつも通り簡潔に振り返ります。

★本日のおしながき

大会概要

主催:エモルガ

開催日時:2/14(水) 21:00~22:59

ルール:シングルバトル ノーマルルール

使用可能ポケモンカイリューのみ

その他:対戦回数20回

    持ち時間3分

    総合時間12分

    テラスタル可能

    育て方・持ち物自由

    手持ちはカイリュー1匹のみ

    負けた側が30秒待機(再戦対策)

参加者:650名(順位がついたのは637名)

 

事前考察とデッキレシピ

 大会直前に改めて告知ポストを確認したところリポスト700件以上、いいね1,500件以上のリアクションがあり、古今東西カイリューに自信ニキ・自信ネキが集まり、本気で獲りにくる客層も多くなると大会前に予想しました。

 また、対戦ルールに於いて技やテラスタイプなど禁止事項が設けられていないため、いうなればハリファイバーもカオス・ルーラーも強欲な壺も何でも使い放題のデュエルであり「ファンデッキ(面白カイリュー)を持ち寄って楽しくデュエル!」という雰囲気にはあまりならないだろうと考えました。

 これらを踏まえ、どのようなカイリューで参加しようか考えた結果、以下を育成しました。

テラスタイプ:ゴースト

@きあいのハチマキ

努力値:100-100-100-100-100-0

実数値:179-183(+)-128-133-133-76(-)

※Sは最遅

 仲間大会でも全力投球絶対に勝ちたい、仲間大会だからこそちょけて遊びたいなどプレイヤーによって嗜好は異なります。あくまで筆者はランクバトルと仲間大会は棲み分けたいので圧倒的後者の考え方になります。せっかくこのような大会を設けていただいたので、楽しく遊べるようなカイリューを育成しました。

 まず努力値は沖縄振りです。100ずつきれいに振りたいので残りの有効な8は振っていません。

 Sを最遅にすることで下からアンコールを狙うカイリューを牽制し、でんじはを入れることでS151相当のカイリューまでを抜けるので、下からでんじは→アンコールを基本の動きとして組み込みました。

 ゆびをふるはアンコールされない技であり、それでいて全ての技になるのでカイリュー同士で想定している対戦に、想定していない技を出すことで変数を発生させられるのではないかと考えて採用しました。

 テラスタイプは飛行以外のテラバーストを意識しない場合、カイリュー同士の対戦で弱点を突かれにくいタイプのゴーストにしました。エスパーとの二択ですが、無効タイプがある方を採用しました。

 持ち物はコンセプトに合いそうなきあいのハチマキを採用しました。マルチスケイルとテラスタルがある以上、一撃で倒される機会はあまり多くないと予想し、削れた状態からでも可能性を残せるアイテムを選びました。

 

大会レポート

 まず簡単な勝敗とゆびをふるで出た技を一覧にしたシートを。

 いくつかピックアップして。

 「2」の試合だとS操作+アンコールの同コンセプトで、この場合こちらは最遅なので勝ち目は無し、即降参でした。でんじはアンコールの順だとこういうことが起きてしまうので、以降の試合はアンコール→(相手のテラスを見つつ)でんじはの順に修正。

 「7」は地面テラス+クリアチャームで絶対にS操作許さない型ですね。自陣のカイリューのS操作技について、無効化されないこわいかおとの選択でしたがクリチャが裏目になる、指振りの試行回数を稼ぎたいのででんじはにしましたが、どちらにせよ裏目に出るならこわいかおを採用すればよかったかな、と思う場面が多かったです。

 「12」「13」「19」は同じプレイヤーでした。12~13は連戦だったので、必ずしも相手が30秒待機するとは限らないなら、勝った方も30秒待ってから潜った方がいいなと思いました。割とどの大会でも負けた側が30~45秒待機するのが周知されているので、そのへんは自分も気を付けます。

 

 つぎに、各項目の採用率トップ10を見て答え合わせというほど大仰なものではありませんが、どうだったか考えましょう。

 Sを落とす性格(勇敢、呑気、冷静)が幾つか見られるので、両刀の弱保型以外にも何らかの理由で敢えてSを落としたカイリューが一定数いたのでは。筆者のカイリューも後攻アンコ対策で最遅にしましたが、アンコ対策でいうとメンタルハーブが7.9%で3番目に多く採用されたアイテムになりました。

 結果としてクリアチャームは4.1%以下の採用だったので、S操作技をこわいかおにして裏目に出る可能性の方がでんじはより低かったということですね。そこは失敗でした。最近の流行だとワイドブレイカー等も考慮して、結構多いと予想していました。

 テラスは鋼やフェアリーといったランクバトルでも人気のタイプを筆頭に、地面やゴースト、相手がなんらかのテラスを使用する前提のステラなどこの環境ならではといったものも並んでいます。

 実際にじしんアイアンヘッドを被弾する機会が多く、これらが弱点になる鋼やフェアリーを避けて正解だったと思う一方、ゴーストの強みが霊テラバで同じゴーストテラスのカイリューを叩けたこと以外見つからなかったので、もっと考える余地があったと思います。

 アンコールは最も採用された技になりますが、後攻を取りやすくする程度の対策でくらったのは一度のみでした。他はゆびをふるにアンコール、アンコールにアンコールといった巡り合わせで回避した試合が幾つか。

 なげつけるはテラスタイプとの兼ね合い(毒々玉→鋼テラスなど)やアンコールがあるので、積極的に採用できませんでしたが13%も採用されていて意外でした。確かに20戦で2回遭遇しているので、人気は実感できましたね。

 

結果と感想

 20戦6勝14敗でレート1403.107、最終順位は604(/637)でした。

 開幕10連敗して11戦目で初日が出たときはホッとしました。早く1勝して安心したかったので初勝利の〆は指振りではなく確実に倒せるテラバーストを選択してしまいました。ワシはなかなか初日が出なくて変化する相撲を取る力士か。

 沖縄振りが生きたかというと「妙に耐えるな」とか「やけに(特殊の)火力があるな」と思う程度に効いていました。指振り型ならではの沖縄振りとの相性です。

 内訳を見るとテラバーストで勝った試合が殆どですが、あまり指に拘るとトス行為になりかねないので、そのへんはバランスを考えて遊べたと思います。S操作+アンコから指振りの試行回数を稼ぐ基本的な動きは成功する機会が多かったので、素直に霊テラバを連打していれば勝てた試合が幾つかあったような…

 1on1は二度目ですが、技やテラスに制限を設けないルール作りも良かったと思います。あれはダメこれはダメという主催側の「こうやってね」という意図が透けるルールはシラけるので、正攻法でも絡め手でも何でもアリだからこそ、この大会は楽しかったです。

 

おわりに

 本大会の企画・運営を行ったエモルガ氏に感謝と労いを、対戦してくださった全てのプレイヤー諸兄姉に感謝とリスペクトを送ります。有意義な時間をありがとうございました。

 できることが多いポケモンでの1on1は「何をしようかな?」と準備段階でのワクワクがあり、実際に大会が始まると「きみのカイリューは何をするの?」というお祭り感が楽しかったです。

 真剣に勝負をしたくて考察をしたプレイヤーからすれば、筆者のようなスタンスのプレイヤーは邪魔なので参加しないでくれと思うかもしれませんが、同じくこの大会を楽しんでいるプレイヤーと対戦できたり、やろうと思ったことを表現できて楽しい時間を過ごせました。終わってほしくない、まだしがみついていたいと思わせてくれるような、とても良い大会でした。

 

筆者→Mなか (@Mnaka_udn0525) / X

 

ギャラリー

 ハチマキは二度発動しました。ハチマキ発動→指振りで一発逆転の技を引くというムーブを20戦あれば一回くらいできるのではないかと期待しましたが、そんなことはありませんでした。

 要は18戦は手ぶらで戦ったに等しいので、事前考察で流行りそうと幻影に怯えたクリアチャームでも持たせた方がマシでした。

 全体的に引きは渋かった印象がありますが、地面テラス個体にシードフレアを当てたところが一番良い引きだったと思います。

 きあいだめやでんじほうなど有用な技は随所で引きましたが、前後の技が弱かったり自前のでんじはと重複したりで生かせないケースが多かったです。

 637名プレーした大会のたった20試合で指振り対面が発生したのは驚きました。

 しゃかりきになって勝利を目指すことも大事ですが、仲間大会はとにかく楽しく遊びたいので嬉しかったです。

 

おわり