どうも。
パルシェンって定期的に環境に刺さるような気がします。
★本日のおしながき
霊獣ランドロスの役割変遷
霊獣ランドロス(以下、ランドロス)は育成の幅が広く、環境に合わせて役割を柔軟に変えられるのが魅力だ。
まずは初登場のS8からS15現在の暫定のものまで、幾つかデータをピックアップしたので役割の変遷を確認する。
平均して高いのは「いじっぱり」だが、S12~S13は「しんちょう」が最も高い。ハバタクカミの電磁波無効枠として人気だった記憶があり、仮想敵に合わせた性格選びだと思われる。S8~S11の「しんちょう」は4番手で、3番目に多いのは「わんぱく」だった。
意地+陽気の普遍性とは別に、腕白の減少と慎重の増加はランドロスの役割変化を示すひとつの要素といえそうだ。
「こだわりスカーフ」の割合と「とつげきチョッキ」+「オボンのみ」の割合を見ると、登場からしばらくはアタッカー色が強く、S12あたりから主に特殊方面へのメタカードとして採用されているような変遷が読み取れる。
S8~S13とS14以降で「とつげきチョッキ」の採用率が大きく変わり、S8~S10は「こだわりハチマキ」の採用率の方が高い。鉢巻型の減少とチョッキ型の増加から、攻撃面の数値よりも耐久性の確保が求められていることが分かる。
全シーズンで最も高いのは飛行だが、徐々に鋼が増加している。S8~S11では鋼よりもフェアリーが多く採用されていたが、S12から鋼が取って代わった。
S14の構築記事が公開された影響かS15ではチョッキ×鋼テラスが増えている。ちなみに「ポケモンバトルデータベース」様に掲載されている構築記事のうち、100位以内のランド入り記事でこれに当てはまるものは7/15件でほぼ半数。
これら3種のデータを総合すると、拘り型のアタッカー(主に飛行テラス)は普遍的な攻撃のカードであるが、今急上昇しているのはHD振り×チョッキ×鋼テラスである。
このトレンドは何を意味するのか調べてみたところ、ハバタクカミやガチグマ(アカツキ)、サーフゴーといった既存の特殊アタッカーに加え、レギュFから登場したブリジュラスにも強いことが追い風となり、積極的に採用されていると分かった。
対ランド式脱出システム
前提が長くなってしまったが、ここから今回の本題に入る。
前項で述べたランドロスの急増により、安易にハバタクカミを投げるとディスアドを発生させてしまう。硬いランドロスを嫌って引けば後続に負担をかけてしまい、引かずともハバカミという強力なカードを失ってしまうのだ。
そこで、過去に対ランドロス対面のディスアドを爆アドに変換できる戦術記事を投稿したことを覚えているだろうか。剣盾時代の話で取り上げたのも一回なので覚えていな読者の方が多いだろう。
この記事では脱出パックを持たせたムゲンダイナでムゲンダイビームを撃って一体飛ばし、死に出しで出てくるランドロスの威嚇で退場させ、ランドロスに強いパルシェンを着地させることで有利対面を作る対面操作戦術について書いている。
それを流用し、ステラバーストとの相性も良く無理なく脱出パックを持てるハバタクカミでランドロスを誘い、パルシェンを着地させることで不利をアドバンテージに変換することを狙う。
努力値:28-252(+)-68-0(-)-4-156
HPは珠なので10n-1、Aは特化、BDは余りと端数。Sは+2でランク補正を考慮しない殆どのポケモンを抜けて、無振り霊獣ランド-1。ランドより速くするとからをやぶる→とんぼがえりなどで被ダメージが増えるので、Sを落とさないランドの後攻を取れるように。
テラスタイプは地面。ライコの電気技を透かしつつ積む、鋼テラスランドへの打点を作る、一応でんじは対策など用途は多岐に渡る。
実戦レポート
こちらはハバタクカミ+ガチグマのチョッキランドの仮想敵が2枚入っている。相手のデッキはランドライコで、こちらのハバカミに対して後投げできそうなポケモンはパッと見でランドしかいないのでチョッキ持ちのHD振りと推測。
仮想敵が2枚いるので比較的初手に出して様子見しやすく、どちらにせよ選出は必須だと思うのでハバカミを初手に置き、パルシェンもセットで選出。単体で選出に組み込みやすいチョッキ熊を添えた。
初手ハバタクカミとランドロス。
エナジーの場合流して剥がす、眼鏡でも電磁波でも対応できるので、パーティ的にランドロスが初手に来るのは順当か。いかく発動でAが下がり……
だっしゅつパックが発動。チョッキランドを一点読みするなら、この対面はディスアドしかないのでスタンバイフェイズの段階でハバカミを下げて……
パルシェンの着地に成功。
3枚ある手札のうち2枚を開始早々に見せてしまうディスアドの是非はあるが、相手の手札を確認したうえでそれより強いカードを出せる、そこから優位を作っていくというのが対ランド式脱出システム。今回の本質はこれでお終いなので、ここからは淡々とパルシェンで敵を倒していく。
ランドロス→ブリジュラスに交代、流し際にからをやぶる。
ランドが鋼テラスと仮定するならテラスを使用、チョッキ持ちはくさむすびを持つ傾向がある(採用率20.6%、全体6位)ので、無理やり居座れないこともない。今回はブリジュラスが出てきたので、多段ヒットするつららばり読みのじきゅうりょく型だと思った(後に頑丈が発覚)。
地面テラスタルを使用→テラバーストでがんじょう発動。
ブリジュラスはハーブ型でエレクトロビームを透かした。ランドの裏に置いてつららばりを読むなら特性はじきゅうりょくの可能性があり、てっぺき/ボディプレス/でんじは/鋼打点 のような構成だとでんじはを拒否できて、打点も確保できるので地面テラスを使ったらビームだった。見当違いな読みをしていたので正直ラッキー。
ブリジュラスからランドロスに交代、そういうこともあるだろうと思って選択していたつららばりで処理。HP1のブリジュラスを残す必要があったかは不明だが、ハバカミの邪魔になるランドの除外に成功した。
死に出しカイリュー。
しんそくを耐え返しのつららばりで処理。ここでテラスを使わなければ使いどころがないように思えるが、使わない(使えない)ということは飛行(17.8%、全体3位)か。
ちなみにカイリューが特化+ノーマルテラスの場合、今回使用しているパルシェン(129-209)がB-1で51.9%~61.2%ダメージ、さらに鉢巻なら77.5%~91.4%ダメージになるので使っていたと思う。
非常にパルシェンに対して薄い選出だったので、初手ハバカミのディスアド回収から結果的に爆アドになった。パルシェンはブリジュラスで見るか、削ってカイリューのしんそく圏内に入れるといったイメージだった可能性がある(その場合カイリューはあの場面でテラスを切れるノーマルか鋼でありそうな雰囲気はあるが)。
残りHP1のブリジュラスを倒して勝ち。対戦ありがとうございました。
結果として1球も投げずにアクシデントで降板したハバカミ投手から代わったパルシェン投手が完封勝利を達成したが、相手がパルを重く見て+2パルより速いエナジーカミやタイプ有利の水ウーラオスを選出していたらどうなの?という話ではある。後述するが、パルシェンは現在使用率142位まで落ちており環境的に評価を下げて選出を組み立てた可能性がある。
あとがき
パルシェンについて少し触れておくと、初期環境はある程度の使用率を残していたが、現在ではギリギリ150位以内に掲載される程度にとどまっている。評価を下げた理由はわざわざ書くまでもないが、依然として攻撃タイプの氷やサブの岩は環境的に通りが良い。
本編でも触れたように鋼テラス+くさむすびランドには勝てないが、多くの場合ランドロスを流してからをやぶるを積めるのはダイナパルの頃から分かっていたので、ハバカミどうこうというより、純粋にパルでアドを稼ぐために有効な動きと言える。いわばハバカミは囮まである。
また、パルが最も使われていた初期環境と比較してヘイラッシャやラウドボーンといった天敵が使用率を下げているので、(積みアタッカー全般が)動きやすくなったと感じる。S+2でも抜けないエナジーカミも眼鏡型が増えたことで(下表)、積んでも縛られるといったことが少しは減る。
はじまりはランドライコとよくマッチングして、これらのポケモンに一貫する行動を持つポケモンはいないかというところからスタートしたので、できればハバカミで対ランド式脱出システムを発動させたうえでサイクルを破壊したかった。
こちらは諸々あって対ランド式脱出システムは機能しなかったが、ランドライコ意識の地面テラスパルで上手く立ち回れた例。パックを使えなかったので、ライコ対面で地面テラス+からをやぶるで強引に積んだ。
最後攻撃を受けた段階でHPが珠ダメを下回ってしまったので、最終的には両者全滅になったが、パルシェンが全部倒してくれた。
おわりに
データというか理由付けの部分が長くなってしまいましたが「〇〇だから△△」というのを客観的に語るうえで、最も必要になるのがデータの部分なのでご容赦ください。
それから今作匿名TNで遊んでいる方が多く、そのための匿名なので、いつも施しているお名前を隠す加工を試験的に省きました。お叱りを受けたら匿名TNでも加工します。