どうも。
前回に引き続き盤外戦術について書きます。
★本日のおしながき
選出画面における印象操作
現行の制限なしルール(シリーズ13)だと禁伝でパーティが固まるので難しいと思うが、例えば「スカーフエラがみの一貫を作ると危険なウオノラゴン」や「物理アタッカーを入れないと詰むラッキー」のように、パーティ内に突出した数字を持つポケモンがいると、そのポケモンについて対戦相手が持つ印象は強くなる。
選出画面における印象操作というのは(1)ある特定のものに弱く見せて初手に誘導し、(2)それに対する完璧なメタファーを準備して、(3)パーティの弱点を的確に排除するといった三種の要素から形成される。つまり「このポケモンはこうだろう」「この技が一貫するだろう」といった印象を相手に抱かせることにより、こちらにとって有利に働くようコントロールが可能になる。
戦術紹介
現環境のグラードン(全体使用率6位)はステルスロックの採用率が54.4%、でんじは(27.6%)+なげつける(20.9%)の採用率が48.5%という数字が公表されている(9/21時点)。
直前のS33のデータを見ると、この3つは採用された技のトップ10には存在せず、禁伝の使用制限がない現環境だからこそのグラードンの起用法といえる。この手のグラードンは一致技(断崖or地震)+岩技(岩封など)+補助技2つの構成になりがちなので、非常に嵌めやすいといえる。
これまでもカバルドン*1やラグラージ*2といった起点作成型の地面ポケモンを嵌めてきた実績(?)があるので、グラードンも嵌めることはできないかと模索した。
※*1:【ポケモン剣盾シングル】大脱出★重力晴れシングルバトル - 受けルガチアンチ
*2:【ポケモン剣盾シングル】カッサカサ乾燥肌シングルバトル【ルージュラ】 - 受けルガチアンチ
今回はグラードン側から見てそこまで不利ではなく、且つ地面+岩の攻撃範囲を受けられるポケモンとして原種ヤドランを使用する。パーティ全体でステルスロックに弱く見せて選出画面で印象操作を施し、初手に引っ張り出したグラードンをヤドランでロックしてTODを狙っていく。
グラードンの攻撃を余裕をもって受けるためにHB特化、持ち物はアッキのみ。
現環境のグラードンはいじっぱりの採用率が50.1%となっているため、ダメージ計算はA特化と仮定して行った。起点作成グラードンが持つヤドランへの最大打点がだんがいのつるぎなので、A特化グラードン(A222)のだんがいのつるぎはHB特化ヤドラン(202-178)に対して84~100ダメージで確定3発になる。
てっぺきではなくからにこもるを採用した理由として、遂行速度は落ちるが初期PPが40あり最大まで増やすことで64回使用できるため。いやしのはどうについてはグラードン側がわるあがきの自傷ダメージによる強制脱出を防ぐため。
実戦レポート
解説する試合のパーティと選出。
今回のパーティはステルスロックが刺さるポケモンを上から順に4体並べ、選出画面において「ステルスロックが有効だな」という印象操作を施す。
この「上から順に」というのはTwitterで「選出画面で相手のパーティを確認するときは上から下or下から上の順?」というアンケートを実施した結果、94%が上から下との回答をくださったので、印象操作をするには強く印象を与えたいものを上から順に並べるのが良いのかと思われる。
★選出の仕方について
TODの判定は(1)残機数、(2)3体のHP割合、(3)残りHPの合計の順に行う。初手グラードンをヤドランでロックするので(1)はドロー、可能な限りわるあがきといやしのはどうでHP割合をコントロールするので(2)で有利にすればいいが、万一グラードンがわるあがきを発動しないまま試合が進んだ場合、ヤドランは自発的にグラードンのHPを削れないので(3)の判定に及ぶ可能性がある。
それを考慮してH振りホウオウ、H振りハピナス、H振りヤドランで合計HPを盛り(計777)、TODでの勝率を可能な限り高くするための選出になる。
標準的な起点作成グラードンの場合、初手のとおせんぼうが通ればほぼ勝ち。
ひでり状態なので水技は実質等倍、くさむすびでも一撃では倒れないのでグラードンはステルスロックを撒きたくなるはず。
数値受けはできるものの、序盤の準備をより安全に行うためにアッキのみを持たせている。2手目以降にグラードンは攻撃、ヤドランはからにこもるを選択するので、1ターンに2度Bが上がって実質てっぺきを積んだのと同じ。3手目以降になまけるで立て直す際により安定感が増す。
たべのこしの場合は毎ターン入る回復エフェクトもTOD戦術と相性が良いが、同居するマーシャドーで使いたかったのでアッキにした。基本的にはたべのこしを推奨。
やることがないターンは合計64回使えるからにこもるを空撃ち。グラードンもやることがなくなったのでこらえるを使用。これで技構成がだんがいのつるぎ、ストーンエッジ、ステルスロック、こらえるだと判明。
わるあがきを使用し始めたタイミングでヤドランに無駄ダイマックス、ウォール→ウォール空撃ち→ウォールで演出を含めてしっかりと時計を進めた。
わるあがきは最大HPの1/4分の反動を受けるので、グラードンのHPが1/4になるタイミングでいやしのはどうを使用すればよい。
いやしのはどうは最大HPの半分を回復するので、グラードンの残りHPが3/4をキープできるように管理し、ヤドランのHPがそれよりも下回らないようになまけるを使って適宜回復する。
ここまではコマンド入力を可能な限り早く済ませ、残り3分のアナウンスが出た時点で可能な限り時間を使って技を選択する。
大体ここまででの残りPP数はこんな感じ。
とおせんぼうとからにこもるを適宜空撃ちしてターンを消費したが、まだ余力がある程度にPPが残った。念のためになまけるは最低でも2は残して最終盤を迎えたい。
時間切れで判定勝ち。放置をせず、最後まで戦ってくれた対戦相手に最大限の感謝と敬意を表したい。
反省点
良い乱数を引いて勝った後に「あそこで急所引いてすみませんw」のような言葉を見かける。敗者はこんな言葉を欲しいなんて思わないし、個人的には優しさや気遣いではなく敗者の尊厳を踏みにじる行為だと思うので、こういった言葉は好きではない。
なので、初めからTODをすると決めて臨んでいる以上、対戦相手に悪いと思ってはいけないと考えている。申し訳ないと思うのであれば、初めからやるなという話なので。
印象操作について、実によくコントロールできたと思う。的確に初手グラードンを呼び込み、ヤドランはしっかりと役割を遂行してくれた。今回は別テイクも幾つか準備しているので、よければ下記リンクからこの戦術にもっと触れてほしい。
おわりに
これにはヤクルト村上も阪神ベンチに向かって「初手グラードンはアカンすよ!」と言わざるを得ない。
それでは今回はこのへんで。何かありましたらコメント欄かTwitterまでお願いします。
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