どうも。
★本日のおしながき
ルージュラの基礎情報
ルージュラ〔Jynx〕
タイプ:こおり エスパー
特性:どんかん/よちむ
(かんそうはだ)
種族値:65-50-35-115-95-95(計455)
<PokémonHOMEデータ>
特性:かんそうはだ(94.1%)
どんかん(5.2%)/よちむ(0.7%)
性格:おくびょう(88.0%)
ひかえめ(6.9%)
せっかち(3.9%)
※1.0%未満略
道具:きあいのタスキ(84.2%)
こだわりスカーフ(12.4%)
こうかくレンズ(1.2%)
ふうせん(1.0%)
※1.0%未満略
わざ:あくまのキッス(94.7%)
れいとうビーム(94.1%)
サイコショック(62.9%)
わるだくみ(44.2%)
エナジーボール(28.8%)
サイコキネシス(27.9%)
トリック(12.8%)
くろいまなざし(3.9%)
こごえるかぜ(2.6%)
めいそう(2.6%)
使用率:139位(S19暫定)
意外と高い素早さや、特殊方面の優秀な数値を持っているので、それなりに活躍してきたポケモンの1体。ただし、物理面(主に耐久)が深刻なので、5世代はドラゴン環境だったにも関わらず、ローブシンやキノガッサのマッハパンチで縛られてしまうため活躍の機会は少なかった。
とにかく器用なポケモンであることに疑いはないものの、前述の通り壊滅的な物理耐久が足を引っ張るのか、そこまで使用率は伸びていない。剣盾には冠の雪原で初登場を果たすも、なんとこれまで使用率トップ150でフィニッシュしたことがない。
特殊勝利とは
例えば、遊戯王ならエクゾディアやウィジャ盤を揃えるといった、相手のライフを0にする以外の方法でデュエルに勝つ、もしくはデッキ切れでドローができなくなるといったことで勝利することを指す。
ポケモンに話を戻すと、一般的な勝利条件は相手の手持ちポケモンをすべて倒すことだが、TOD(=Time Over Death、時間切れによる判定勝ち)という特殊勝利条件もある。
TODについて少しだけ触れると、試合時間がなくなるとその時点で勝敗は判定へと持ち込まれる。ボクシングなんかと一緒ですね。定められたラウンドで決着がつかなかった場合、どれだけ積極的にパンチを出したか、ダウンをしたかなど総合的に見てどちらが勝利にふさわしかったか判定を下すといったものです。
ポケモンの場合は、まずは残ったポケモンの数を比較する。要は、時間切れの段階で多くポケモンを残せていた方が勝ち。それでも決着がつかない場合は、3匹分の残りHP割合、3匹のHPの合計といったように、どれだけ余力を残して終わったかということが問われる。
ポケモンがつまらなくなる要因の一つとして批判されがちな戦術だが、受けループなどはその典型のひとつで、相手を倒せなくても使用者側が負けなければいいという理に敵った戦術ともいえる。
そこまで深く対戦に取り組んでいないプレイヤーにすれば嫌悪感しかないと思うが、こういう戦術(=無限戦術、自分が負けないことに重きを置く)は昔から存在することなので、個人的にこういった戦術を批判する気にはならない。つまらないことは間違いないので、嵌ってしまった時点で潔く降参でもすればいい話ですし。
今回のルージュラは、ある特殊な条件下で試合開始からすぐにTODを狙うものとなっています。ただ、その「ある特殊な状況」というのはものすごく限られた条件下なので、エクゾディアを揃えるのと同じくらいの気持ちで読んでいただけると助かります。
ふうせんルージュラ
まずは、どういう原理なのかを知っていただきたいので、しばらく座学にお付き合いください。風船+乾燥肌で何をするのか大体イメージがつく方は、次項へ飛んでいただいて構いませんが、せっかくなので読んでみてください。
「合わせて~」に載せた記事はどちらもカバルドンを役割対象としたモジャンボ、ユレイドルについて書いたものとなるが、今回のターゲットはラグラージとなる。
カバルドンとラグラージには多くの共通点があって「1、あくび+ステロで場を整えることができる」ことや「2、耐久力に秀でている」ことに加え「3、弱点が少ないので役割遂行しやすい」ことが挙げられる。共に最低限の火力を有しているので、先発サポート型でもタイプ一致地震の火力は侮れない。
いま、カバルドンとラグラージの関係性に変化が生じていて、PokémonHOMEの使用率データを見るとラグラージが15位、カバルドンが20位とついにラグラージが逆転した。
ラグラージが剣盾環境に登場したS12から今日まで、同データでカバルドンを上回ってシーズンを終えることはなかったが、どうやら今シーズンはラグラージの方が上で終えそうになっている。
カバルドンは「ふきとばし(ほえる)」により自身が居座る、ラグラージは今作から「ほえる」が廃止され「クイックターン」を習得したことで、よりスムーズな対面操作ができるようになった。
どちらも大体初手で出てきやすいポケモンなので、嵌めることは容易であることに変わりはないが、上記の違いにより、カバルドンをロックする方法(=とおせんぼう+ねをはる、まきつく+吸盤)が通用しないのがラグラージの特徴となる。
流行がカバルドンからラグラージへと遷移するのであれば、ターゲットはラグラージへと変えていかなければいけないので、ラグラージのクイックターンを無効化する方法を探ったとき、特性かんそうはだにより水技を無効化できるルージュラに白羽の矢が立った。
クイックターンを無効化しても手動で交代されては意味がないので、相手の交代を(可能であれば永続的に)縛ることができる技を使えるポケモンでなければ、この戦術は成立しない。
水技を無効化する特性「よびみず」「ちょすい」「かんそうはだ」を持つポケモンで「くろいまなざし」「とおせんぼう」を使えるポケモンを探したところ、なんとこのルージュラが唯一のポケモンとなった。
そして、このルージュラにふうせんを持たせることでラグラージの攻撃技として採用されがちなじしんも無効化すれば、嵌める準備は完了。
特殊勝利条件を満たすためには、初手でルージュラとラグラージが対面することが望ましい(TODを狙うので、手持ちをまっさらな状態にしておきたい)。ふうせんを持ったルージュラを怪しんでラグラージが引けば失敗、居座って「あくびで流せばいいか~」と油断した瞬間、その勝負に勝利したことに等しい。
ルージュラは初手でくろいまなざしを使うことでラグラージの手動による交代を縛り、かんそうはだによりクイックターンも無効化することで、ルージュラが引かない限りこの対面でロックすることができる。
あとはラグラージにクイックターンとじしん以外の攻撃技がなければ、のんびりと時間を使ってギリギリでラグラージを倒すことで数的優位を作り、TODを完成させるというプランとなっている。
よく見るラグラージの技構成はクイックターン(20→32)、じしん(10→16)、ステルスロック(20→32)、あくび(10→16)と、総PPは最大で96となる。TODを狙うので、ルージュラの総PPがこれを下回るときつくなってしまう。
あくびを喰らって眠るターンを考慮しても、ある程度のPPを確保しなければいけないので、今回使用したルージュラの技構成はれいとうビーム(10→10)、めいそう(20→32)、ひかりのかべ(30→48)、くろいまなざし(5→8)で総PPを98とした。
れいとうビームはすべて使い切るとラグラージが倒れてしまうので、れいとうビーム以外(総PP88)を空振りしたとしても使い続ける必要がある。相手のラグラージが全ての技のPPを増やしていたとしても、差は8で眠りターンも含めるので十分。
以上が原理の説明となります。
「でもこれって、机上論でしょ?」となると思うので、次項では実践例を紹介していきます。
ラグラージ絶対嵌めるウーマン
前項の理論を実践したスクショと共に、説明していきます(対戦相手に配慮して、スクショは一部調整しています)。
ラグラージは初手に出てきやすいポケモンなので、こちらのパーティを「ステルスロックが刺さりやすい」「ラグラージをワンパンできるポケモンがいない」編成にしておくことで、相手が選出しやすくなる。
初手はくろいまなざし一択。初手でラグラージが引かなければ5割くらい勝ち。初手ダイマのアタッカー型ラグラージでなければ勝ち確定。
クイタンは乾燥肌で無効、黒い眼差しで手動交代も無効。あとは試合時間と持ち時間を管理しつつ、時間を稼げば終わり。
ルージュラの乾燥肌を認知していないプレイヤーが一定数いて、特にラグラージは「変なことをされてもあくびで流せばいい」「クイタンで帰れる」という認識の甘さを招きやすいポケモンなので、嵌めやすいといえば嵌めやすい。
対面のロックに成功。このスクショを撮影したときのラグラージはクイタン、あくび、ステロ、まもるだったので風船が生きる場面はなかったが、特性+アイテムでクイタン+地震の両方を無効化できるので、対ラム霊獣ランドロス用に氷技を持っていない限り、負けることはない。
残り試合時間が1分くらいのタイミングでダイマ→ダイアイスでラグラージを処理しに行く。タイミングを取るのが難しい場合は、瞑想を積む前に冷凍ビームでHPを減らし、HP割合で勝てるようにしておく。
ラグラージを倒せば、時間切れの段階で残りポケモンの数が3対2で上回り、完封勝ちを決めることができる。
つまり、初手でラグラージとの対面を作ることができて、相手が乾燥肌+風船のリスクを評価せずにあくびorステロで入ってきた場合で且つ、ラグラージに水+地面以外の攻撃技がなければ勝ち。この3つの条件を揃えるのは難しそうに見えるが、ラグラージ(あくびステロ系)を機械的に使うプレイヤーは多いので、ルージュラという出すだけで勝てるポケモンの存在を見落としがち。
おまけ
ルージュラの乾燥肌、なぜか知られていない。
ミミッキュ(かげうち)、エースバーン(ふいうち)、ゴリランダー(グラスラ)といったポケモンが環境に一定数存在するのに、先制技で死んでしまうような物理耐久しかないルージュラが現環境で採用される理由は、かんそうはだという特性しか理由がないはず。マスボ級でもその特性すら認知されていないというのは残念でならない。
二枚目のカメックスはあくび+クイタン型で、クイタンワンウェポンだったのでルージュラから逃げることができず、カメックスのキョダイマックスわざには特性を無効にする効果がないので何もできない。三枚目のウオノラゴンはスカーフエラがみ、ダイマを使った後なので、どうしようもない。
おわりに
いかがでしょうか。やっていることは陰湿極まりないので拒絶反応を示す方もいると思いますが、これもまたポケモンバトルですし、あまり使われていないポケモンを起用するメリットでもあると思います。
一応、PokémonHOMEのデータにはルージュラの「ふうせん」も「くろいまなざし」も掲載されているので、可能性は排除できないと思いますが、こればかりは事故のようなものなので、気にしなくてもいいと思います。
使う側も使われる側も面白みはないので非生産的なポケモンですが「組み合わせ次第でこういうバトルの勝ち方もできるんだよ」という例を示せたのなら幸いです。
今回ターゲットにしたラグラージは環境に一定数存在するので狙いやすいうえに、これからも減ることは無いと思うので刺さりやすいはず。よければ真似して遊んでみてください。
それでは今回はこのへんで。
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