どうも。
S18の書き溜めた分です(1/2)。
★本日のおしながき
オニシズクモキュレム
山﨑福也と伏見寅威、荒木雅博と井端弘和、大谷翔平と水原一平といったように名コンビと呼ばれる組み合わせは何にでも存在する。
ポケモンにも「バンギローブ」や「ウルガナンス」など相性の良い組み合わせは多数存在するが、オニシズクモ(ねばねばネット)と白キュレムもそうではないだろうか。
剣盾時代のオニシズクモの使用率を見ていこう。剣盾では初期から収録されているポケモンなのでS1から記録が残っているが、使用率150位以内に記載されているのは12シーズンのみとなっている。
ところが、剣盾発売から1年半以上経過したところで8世代におけるオニシズクモのハイライトが訪れる。禁伝解禁→再度準伝までときて二度目の禁伝環境になったシリーズ10(S21~S23)において、118-74-95位という使用率を記録した。そのうち74位は8世代における自身の最高順位である。
ドラパルトに始まりザシアン、黒馬バドレックスの登場で従来のSラインが大幅に伸びた剣盾環境に於いて、襷に頼らずねばねばネットを撒けるオニシズクモのポテンシャルが評価されてのことだと思うが、禁伝に多いS90~S95はS-1で抜けるようになる範囲が広く、中速の禁伝との組み合わせも見かけた。
残念ながらオニシズクモ、白キュレムどちらの視点からも同じチームに入っていたポケモンのトップ10に名前は無かったが、ねばねばネット+ダイマックスするチョッキ白キュレムのようなパーティはそれなりに存在した記憶がある。
どのように付加価値をもたせるか
前回の記事で取り上げたレシラムと同じで、白キュレムはダイマックスの恩恵を受けていたポケモンの一体だと思う。
主力技として使えそうなものは威力100を超える技が少なく、サブウェポンは豊富ではあるが不一致技ということもあり少々バリューを欠く。ダイマックス技として使用することで威力を上げられる、自身にバフを掛けて倒されにくくするなど、8世代の恩恵を強く受けていた。また、黒馬バドレックスやカイオーガ、今作では未登場のイベルタルといった特殊アタッカーのエース格と撃ち合えるポテンシャルがあるというのも追い風だった。
ところが今作ではこれといった強化要素が無く、シンプルな特殊アタッカーとして使うのであればミライドンやコライドンとシナジーがあるテツノツツミやハバタクカミといった一般ポケモンの方が組み込みやすく、リミット1制限のある禁伝コストを支払ってまで起用するポケモンではない。
ダイマックスとは違う付加価値を見出せなければ起用する意味がないので、今回はこちらの白キュレムを準備した。
@あつぞこブーツorいのちのたま
テラスタイプ:地面(テラス優先度高め)
努力値:4-0-0-252-0-252
氷技を撃ちたい相手が悉くテラスタルで回避してくるので、思い切って氷技を抜き、空いたスペースにふういんを採用することでミライドンを(ほぼ)完封できる構成にした。
ミライドンが採用している技トップ10(数字は記事作成時のもの)をまとめた。表中太字はテラス+封印で対策しているものであり、ミライドンの主要な技は概ね抑えられている。
テラバーストの採用率が40%超、採用されているテラスタイプは氷が25.7%(2番目に多い)、水が19.1%(3番目に多い)なので、威力が10高いだいちのちからではなく封印可能なテラバーストで地面打点を作った。
実戦レポート
対電気タイプが共通するポケモン統一。ミライドンがパーティ単位で作用する強化パーツなので、かなり強そう。恐らく相手視点ではこちらのテツノカイナを見てくると思うが、ねばねばネットによるゲームメイクと相性の良いキュレム+イダイトウで、オニシズクモと合わせて水二体選出で強気に。
初手オニシズクモとストリンダー。
どくびしを撒かれる→ねばねばネット→アンコールをされる。オニシズクモはH振りのみだと強化アイテムを持ったストリンダーの一致弱点技は厳しいが、このポケモンはチョッキか襷のイメージがあるので突っ込んだ。いい塩梅に削られたら自然とイバン圏内に入るので、むしろ都合が良かったりする。どくびしは考慮していなかった。
あつぞこブーツを装備しているので撒き物の影響を受けず、ストリンダーはもう一度どくびし。サイクルを意識するならどくびしは一回で止めた方がいいが、重ねるということはまもみがをするマルマインか、瞑想系のミライドンがいるか。
地面テラスタルを使用、テラバースト→ほっぺすりすり(無効)。
先発で非拘り、非チョッキで風船でもないなら恐らく襷を持っていて場を整えるのが役割だと思うので、でんじはなどで麻痺する可能性を潰すためにテラスを使用した。
ストリンダーの襷はラッキーといえばラッキーで、例えばスカーフでねばねばネットを相殺するキュレムより速いポケモンに、先んじてふういんを決めておくターンができた。そもそも殴る前にふういんを選んでおくべきだったという説もある。
ストリンダーを処理して死に出しミライドン。
ねばねばネットでSダウンし、スカーフ(27.1%、記事作成時)以外ならキュレムが先行できる。尤も、この試合では先回りして封印したので絶対に上を取らなければいけないわけではない。
対戦ありがとうございました。
ミライドンを場に出してから長考していたので、どの技が封印されていてどの技なら使えるか考えていたのだと思う。前項で掲載した表にあるように、イナズマドライブ等の電気技はテラスタルで、りゅうせいぐんとテラバーストは封印で縛っているので、ミライドンを出したはいいが使える技が無かったのだと思われる。
電気統一の場合、誰かしらが氷テラス+テラバーストを仕込んでいると思うので、キュレムが地面タイプになる都合上早い段階で封印できたのは良かった。
フリーズドライ抜きキュレムだとウーラオス(水と仮定)が面倒なので、引き先として物理方面に厚い元横綱のドルジを選出。先制技持ちや、ステロ撒きが得意そうなポケモンがいるのでイダイトウはお留守番。
初手オニシズクモと草オーガポン。
ねばねばネットを撒く、イバン発動とびつくなどある程度仕事はできたがオーガポンの火力がかなり高くて驚いた。鉢巻確定。
死に出しテツノカイナ。
ツタこんぼう(急所)被弾→ドレインパンチでオーガポンを処理。テラスを使用して急所とはいえ、耐久にかなり割いているテツノカイナに等倍でこのダメージは恐ろしい。草は攻撃タイプとして通りが悪いが、この爆発力は魅力的だと思った。
死に出しミライドン。
りゅうせいぐん被弾でテツノカイナはお役御免。正直ここは半減とはいえ残りHP的に電気技でもよかったと思う。
死に出しキュレム。
ここはネットを踏んでいる上にりゅうせいぐんでCダウンもあるので引くかもしれないが、捨て気味に居座った場合をケアして地面テラスタルを使用、ミライドンからブリジュラスに交代、テラバースト。居座りをケアするならふういんでいい場面だが、さすがにデバフが多すぎるので引いてもいいようにテラバーストを選択した。裏にブリジュラスがいる確証があったとかそういうのではない。
恐らくだいちのちからなら一撃で倒せたダメージだったが、テラバーストを耐えられたのでここも先回りしてふういん(スカーフミライドンを考慮)。ブリジュラスは特性がじきゅうりょくだったので、B+1ボディプレスを被弾した。
満を持してキュレム対ミライドンの対面。お互いに最後の一体は禁伝ポケモンで正々堂々力比べといきたいところ。
キュレムが先行したのでスカーフではないが、テラバーストが運悪く(?)急所に当たったので相手のミライドンに対してふういんがどれくらい干渉したのか見られずに試合が終わってしまった。
ブリジュラスから被弾したボディプレスで残りHPは129だったので、眼鏡りゅうのはどうなんかは負け筋になり得る。この場面で何を選択したのか分からないが、持っていたアイテムと技次第でこの急所が有効だったのか関係なかったのか分かれるので、少々後味の悪い終わり方になってしまった。対戦ありがとうございました。
あとがき
オニシズクモ(ねばねばネット)とのコンビネーションは中速を補えて便利であるが、それは既に過去の実績が証明しているので、これといって補足する必要はない。
どうしてもアタッカーとしての型落ち感がぬぐえなかった。近年だけ見るとふとうのけん、くろのいななき、ハドロンエンジンなど一部条件は付くものの自強化系の特性を持った禁伝が登場し、数値以上のパワーを発揮する禁伝が増えた。これら次世代のアタッカーに対し、純粋な数値がウリのホワイトキュレム氏にとってダイマックスという強力な後ろ盾を失った今、シンプルなアタッカーとして活路を見出すのは難しいと感じた。
だからこその封印型による、+αの役割を持たせたアタッカー型という使い方をしたが、封印型の宿命である汎用性のダウンをどう評価すべきかは難しい。前期(S18)は最終的に使用率が10位だったミライドンは今期(S19)暫定で7位、禁伝全体では最も使用率が高くなっており、このままミライドンが増えるのであれば使えなくはない。
おわりに
直接対戦とは関係ないのですが、BWはキュレムの色乱数は可能でもレシラム/ゼクロムはブロックルーチンがあってできないんですよね。そのキュレムもBW2では謎の消費が発生して乱数がズレるので、もしこれから旧ロムで色乱数をしたいならBW2ではなく無印を推奨します。ボルト/トルネ/ランドのイベントが発生するのも無印で、ボルト/トルネは徘徊乱数なので面倒ですが、現環境でも使用率が高いランドは固定シンボルなので、色乱数も簡単ですね。5世代はガンテツボールが無いのでボールに拘る方はマイナスポイントだと思いますが、乱数自体は簡単なので色違いが欲しい方は旧ロムを活用するのもいいと思いますよ。