どうも。
★本日のおしながき
鉄球カイリューってなに?
文字通り、くろいてっきゅう(以下、漢字表記)を持たせたカイリューですが、カイリューに黒い鉄球を持たせるメリットとは何でしょう?トリックルーム下での運用でしょうか?
カイリューはS種族値80、昨今の上に伸び続けるS種族値事情を考慮すると、昔は中速帯だったS80族も低速帯になってきているように感じますね。
S80なので無振りで100、最遅で76と確かにカイリューはトリックルームに向いているポケモンに思えます。強力な先制技を持っているのでトリル/非トリルで左右されにくいのも器用ですね。
ただ、残念ながらカイリューに黒い鉄球を持たせる意図はこのアイテムの代表的な効果である「持たせたポケモンのSを0.5倍にする」という部分ではありません。
インヴィジブルバリアってなに?
黒い鉄球のもうひとつの効果である「持たせたポケモンは空中にいられなくなる」を利用することで、飛行タイプや特性ふゆうのポケモンがフィールドの効果を受けられるようになります。
それを活用して急激に増えたでんじは持ちのポケモンや、技マシンとして再登場したどくどくなどの状態異常を相手視点では見えない方法で対策するのがインヴィジブルバリア(見えざる障壁)コンボです。
これ自体は前作ポケモン剣盾で、ダイジェットを積んだポケモンに対して繰り出してくるでんじはオーロンゲから守る手段として考えたのが始まりですが、あらゆる角度から状態異常が飛んでくる昨今の環境を鑑みて、今こそ必要なのではないかと思いました。
増え続ける電磁波の闇
先日更新した記事に添付したグラフですが、カイリュー・サーフゴー・ハバタクカミといった登場から現在まで高い使用率をキープしているポケモンの、でんじは採用率の推移を簡単にまとめました。
こちらは「ポケモンバトルデータベース」様に掲載されている、昨シーズン(S10)最終1~50位の構築記事のうち、状態異常にする技と採用しているポケモンをピックアップした表です。キラースピンのように100%追加効果のあるものは掲載しましたが、フリーズドライ等の追加効果が100%発動しないものは含めていません。
このように模範となる成績を残した構築は得てして参考にされるので、傾向としてこれらの状態異常技持ちのポケモンが増える場合がありますね。
★素直にラムのみでよくない?
ラムのみはリサイクルやしゅうかくを考慮しなければ1回きりだが、鉄球ミストフィールドはフィールドが持続している間は何度でも状態異常を防げるという点で差別化ができる。
また、あくび→黒馬バドレックスといったきんちょうかんでラムのみの使用を縛る動きも無関係(ケースとしては稀だが)。なによりエンタメ性という点で鉄球ミストフィールドが上回る。
【ポケモン剣盾シングル】インヴィジブル・バリア・レックウザ - 受けルガチアンチ
殆どの場合が有限であるラムのみとは違い、複数ターン持続して貼り直しも可能なミストフィールドが、昨今の増える状態異常技への対策として上等なのではないかと思った理由です。
鉄球カイリューを考察する
まず鉄球カイリューの強みとして(1)相手視点でミストフィールドの対象外である、(2)2種の先制技で鉄球のS半減効果に縛られにくい、(3)フィールドのターンが終了した後は不要になる鉄球を外すなげつけるが使える、という3点を提唱しています。
(1)について、これはオリジナル版でも説明していますが、相手視点でフィールドの効果を受けないカイリューにどくどくやでんじはを空撃ちするターンに竜舞を積むアドバンテージが生まれる、例えばどくどく+じしんしかダメージソースがないグライオンなどは一旦引く際にもう一度竜舞を積むターンが生まれる、といったようにターン制バトルに於いて致命的な1~2ターンの遅れを与えられるのが強みです。
(2)について、オリジナル版では竜舞+ダイジェットで半減されるSを補いましたが、それができないので先制技を複数使えるポケモンが望ましく、しんそく+アクアジェットでそれなりに範囲も取れるカイリューが優秀だと思いました。
(3)について、先制技の速さ比べ(カイリュー同士のしんそく早打ち対決など)で不利を取るので、不要になった鉄球を捨てる術があるともっと動かしやすくなると感じました。また、カイリュー自身が拘りトリックで動きを制限されるポケモンなので、押し付けられた際にそれらの解除にも一役買うでしょう。ついでに、なぜカイリューが状態異常にならなかったのかタネ明かしもできます。
今作はテラスタルがあるのであまり気になりませんが、フィールド下では受けるドラゴン技が半減されるので、カイリューの場合は実質等倍で受けられる点もすべてが噛み合っていると思いました。
上記はあくまでも自分の欲しい要素を詰めただけなので、カスタマイズ性の塊であるカイリューは変更の余地がたくさんあると思います。
努力値ははじめからSを捨ててHAベースでいいと思いますが、無振り+鉄球だとS50からのスタート(=S30族)なので、みがわり等を採用するなど構成によっては多少Sを振ってもいいかもしれません。また、なげつけるを採用する場合は解除後を想定して同様にSに割くのもいいと思います。
なげつけるを採用する場合は鉄球の解除後に竜舞で上げたSを生かせるので、しんそくorアクアジェット、なげつける、テラバースト(飛行)といった組み合わせでもミストフィールド前後で動き方が変わって面白いと思いました。
アンコールを入れるとフィールドの効果中は無効化される状態異常技で縛れるので、さらに悪質度が増して面白いと思いますが、基本後攻なので相手の技を見てからでは間に合わないのが使いにくいでしょうか。
テラスタイプについて、マルチスケイルと合わせて居座りやすく、アクアジェットの火力を伸ばせる水テラスが合うのではないかと考えましたが、そこはテラバーストの採用や明確な仮想敵の有無などで工夫の仕様はあると思います。
文字ばかりで退屈だと思うので、休憩がてらここで参考映像をご覧ください(いずれも十数秒)。
なげつける(でんきだま)の場合は「ミストフィールド云々~」というメッセージが表示されないようで、余計に混乱を招きそうでした。
カイリュー以外でもできるの?
そもそもこのコンボに必要なパーツを分解すると(1)ミストフィールド、(2)飛行タイプや特性ふゆうで浮いているポケモン、(3)黒い鉄球になります。
(1)と(3)はある程度絞られますが、(2)のチョイスがとても難しいと思っています。どうしても鉄球によるS半減効果を克服しなければいけないので、カイリューのようにSに関係なく動ける強力な先制技持ちのポケモンか、相手の攻撃を2~3発受けて返せるだけの高耐久・高火力ポケモンが望ましいです。
パッと見で合いそうなのは耐久値をはじめ全体的に数値が高く、タイプも優秀、元のSが低くて鉄球のデメリットが少ない霊獣ラブトロス(鉄壁瞑想ドレキ?)や、特性かそくでS半減をカバーしつつ、でんじはを誘いやすいメガヤンマはカイリューと違ったアプローチができると思います。
ちなみに、浮いているポケモンでなげつけるを覚えるのはゴースト、ヨマワル、ユクシー、エムリット、アグノム、リザードン、カイリュー、ワタッコ系統、グライオン系統、デリバード、ペリッパー、ビークイン、フワライド、トルネロス、ボルトロス、ランドロス、ルチャブル、カラミンゴだそうです。一度限りのダメージソースとして捉えないのであれば、鉄球解除はトリック等でもいいですね。
あとは読者の皆様に任せますので、いつものランクマはもちろん公式大会や仲間大会で使ってみてください。
参考文献:【ポケモン剣盾シングル】インヴィジブル・バリア・レックウザ (弊ブログ)