どうも。
今回と次回の投稿はS27最終日に挑戦を続けた名も無きプレイヤーの記憶を記録に残すための記事を作成します。
★本日のおしながき
ムゲンダイビームの浪漫
ふと、ムゲンダイビームを撃ちたくなった。
基本は特殊技がベースとなるムゲンダイナの汎用攻撃技といえばダイマックスほうが挙げられる。この技はDM中の相手に対しては威力が2倍(100*2=200)になるが、常時は威力100止まりの中~高火力技に落ち着いてしまう。
高耐久を生かすならりゅうせいぐんによる一撃離脱はムゲンダイナのデザインに合わないので、相手のDMに対する牽制にもなるダイマックスほうが一番使いやすいことは揺るぎない事実としてある。
ただ、非DMポケモン相手にもう一声欲しいと感じる場面があるのも事実。例えば、全盛期に猛威を振るったラティオスのりゅうせいぐん(ナーフ前)の火力指数は182*140*1.5=38,220で、ここから珠だの眼鏡だの性格補正でさらに指数を伸ばすことができる。フルマックス(特化+眼鏡)で63,000とあの時代では頭ふたつは抜けていた。
一方、ムゲンダイナのダイマックスほうの火力指数は197*100*1.5=29,550(DM相手だと59,100)がベースとなる。連射可能かどうかという違いはあるが、いまいちムゲンダイナのC種族値を実感できない理由はここかもしれない(とはいえ、特化+眼鏡で相手がDM中だと指数は97,200出る)。
ということで、相手側が施している耐久調整もろとも吹き飛ばすことができるムゲンダイビームをネタ抜きに有用な要素として計算できないか考えることになった。
ムゲンダイビームの得と損
ムゲンダイビームは威力160とDM技をも超えるパワーを秘めているが、これを使用すると1ターン動けなくなってしまう。
例えば、ムゲンダイナをC特化で強化アイテムを持っていないと仮定するとダイマックスほうで稼げる打点(指数)は216*100*1.5=32,400となり、ムゲンダイビームの場合は216*160*1.5=51,840となる。
両者の差は19,440あるが、1ターン休みもカウントして2ターンで51,840の打点を稼ぐムゲンダイビームと、2ターン続けて攻撃すれば32,400*2回の打点を稼げるダイマックスほうはどちらがアド得かというと、シンプルに打点だけ見れば後者である。
仮に「ダイマックスほうだと10,000の打点が足りないが、返しの攻撃でムゲンダイナが倒されてしまい、次のターンは無い」という状況があったとする。その場合は51,840の打点を有するムゲンダイビームが欲しくなるのではないかと考えた。
しかし、ムゲンダイビームを撃ってしまうと相手を倒せたとしても次のターンは反動で動けなくなってしまうので、結局はアド損になってしまう。昔のはかいこうせんは相手を倒した場合は反動を無視できるという仕様があったが、令和の時代にそのようなクソ仕様は残っていない。
では、ムゲンダイビームを使うことを前提に、生じてしまうアド損をどのように回収していくか次の項で考えていく。
※アド損=アドバンテージ損。例えば、1体倒すのに2体消費した場合は1体分のアドバンテージを相手に与えるためこちらは損をすること。本記事ではムゲンダイビームを使うと実質2ターン、うち1ターンは行動権を失うのでアド損と表現している。
アド損をどうリカバリーするか
導き出した答えはだっしゅつパック。りゅうせいぐんではないのに、だっしゅつパックを採用することにした。
S27のポケモン使用率を見ると2位に霊獣ランドロスが存在する。1位はザシアンなので、禁伝を除いた一般ポケモンの中ではサンダーやメタモンを抑えて最も高い位置にランクインしている。
PokémonHOMEでより詳細に見ると「霊獣ランドロスが」倒したポケモントップ10の6位がムゲンダイナで「ムゲンダイナを」倒したポケモントップ10の5位が霊獣ランドロスとなっていることから「霊獣ランドロスは比較的ムゲンダイナに強い」ということをデータが示している。
いったん整理すると、全体2位の使用率を誇る霊獣ランドロスはデータ上ムゲンダイナに強いということが分かっている。ここまで書けば賢明な読者の皆様は察していると思うが、ムゲンダイビームを撃って1ターン動けなくなったムゲンダイナに霊獣ランドロスを死に出しさせ、発動するいかくをトリガーにだっしゅつパックを起動するというのが今回の狙いとなる。
S27でムゲンダイナが持っていたアイテムトップ10にだっしゅつパックは存在しないので、霊獣ランドロス側も「ここで出したら脱出されるかも……」ということは警戒しないと思う。むしろ、1ターンの隙を見せているうちに剣舞を積む、先にダイジェットを積んでおくといった選択肢が挙がると思うので、案外合理的なのではないだろうか。
また、イベルタルや黒馬バドレックスに対して存在感を発揮するガオガエン(採用率64位)あたりに引かれた際も脱出して有利サイクルを作れなくもない。
脱出後のアドを稼ぐ
ムゲンダイビームを撃って動けなくなったところに霊獣ランドロスを死に出しさせ、いかくの発動でだっしゅつパックを使い離脱するという基本線は固まったが、脱出したあとに誰を場に出すのか決めなければいけない。
こちらは後出しする権利を持っているので、ランドロスにとってめちゃくちゃ不利なポケモンを出せることが望ましく、さらに流し際に積むことでアタッカーとして強烈な存在となれるポケモンであると最良だ。それは誰かというとパルシェン氏しかいないと思う。
霊獣ランドロス側からするとDMをしなければ(襷も考慮して)パルシェンを一撃で倒すのが極めて難しいので、一度引いて威嚇を入れ直すという意味でも強烈に交代を誘うことができる。流し際にからをやぶるを積むことができれば、ムゲンダイナが作ってしまったアド損を爆アドへと変換できるのではないかと考えた。
からをやぶるの場合は自身のBD-1と引き換えにACSを+2ずつできるので、一度積むだけで十分なアドを稼ぐことができる積み技だ。竜舞などと違って準速でも1積みで最速ザシアン~最速黒馬バドレックスを抜きつつ、いのちのたまで火力を盛ることで耐久に振ったザシアンも確定で倒せるラインまで押し上げることが可能。最速レジエレキはパルシェンが最速でも無理。
実戦レポート
とりあえずムゲンダイビームを撃つ。
これは襷が発動した残りHP1のマンムーなのでムゲンダイビームを撃つ必要は無かったが、このあと霊獣ランドロスを死に出しされたらサイクルができないので、一か八か霊獣ランドロスが出てくる読みのムゲンダイビームという背景がある。
この戦術の答え合わせをするために霊獣ランドロスを誘いたいので、パーティ全体を霊獣ランドロスに薄く見せているため絶対に出てくる確信はあった。
演出が格好いい。
読み通りムゲンダイビームを撃って1ターン動けなくなったムゲンダイナに対して霊獣ランドロスを死に出ししてきた。
恐らく、襷マンムーでステロを撒いて剣舞かダイジェットで先に展開をしようという選出意図だったと思う。
リバースカードオープン!
ランドロスの威嚇にチェーンして罠カード脱出パック発動!フィールドのムゲンダイナを手札に戻すぜ!
これマズかったのが、この後判明するがパルシェンに対して引けないので捨て鉢になったランドロスがDMしていたらパルシェンが破壊されていた可能性があった。
このターンはいわなだれで攻撃してきたが、パルシェンが怯んだ場合も負け筋になっていた可能性がある。パルでランドを流せるという固定観念に囚われてしまった。
被ダメージ、行動順からランドロスは陽気ASくらいだと思うが、Sに振っていなければパルシェンが先に動いてからをやぶるを使用してしまうため「パルシェン対ランドロスはランド側が引いてくれる」という何の根拠もない信頼の基に動いてはいけない。
とはいえ今回は想定通りにムゲンダイナが作ったアド損を爆アドに変換することに成功した。
対戦相手はマンムー、霊獣ランドロス、ジュナイパーという選出だったのでパルシェンに対してサイクルを回せなかった模様。パルシェンにものすごく薄い選出なので、ステロを撒いて襷を割り、ランドロスを先に展開して処理しようという意図があったのかもしれない。
この試合はパッと見で相手のポケモンすべてにパルシェンが強く出られるので、ただムゲンダイビームを撃つというより、パルシェンがからをやぶるを使用するターンを捻出するためにムゲンダイナで霊獣ランドロスを誘ったというニュアンス。
仮にパルシェンが倒れてももう一度ムゲンダイナを出せるところも利便性がいい。要するに交代に必要な1ターンを踏み倒しているので展開速度も非常に早い。
※黒塗り部分は次回のネタバレになってしまうので隠しました。
Bが1段階下がってHPが半分くらい減っていて、もしジュナイパーのかげうちで思いのほか打点を稼がれるとマズいので気を抜かずにDM。
選出の誘導、あえてムゲンダイナで隙を見せてランドロスを呼ぶ、パルシェンを通し切るといった三つの要素が神懸かり的に噛み合ったパーフェクトゲームだった。
注意点など
「ムゲンダイナを温存しつつ、交代に必要な1ターンをスキップしてパルシェンを展開できる」というと聞こえはいいが、実際には霊獣ランドロスピンポイントメタ戦術なので汎用性は低い……とは言い切れない。
前述のように霊獣ランドロスはS27の使用率で2位だが、1位にいるザシアンは禁伝ポケモンなのでザシアンを含めて2体までしか同一パーティに存在できない都合上、制限のない霊獣ランドロスの方が実際には遭遇しやすいかもしれない。
使用する際の注意点としては、先発で出すと思わぬところで脱出パックが暴発してしまうので、基本的には後発からムゲンダイナを出すこと。これはムゲンダイビームを撃った後に霊獣ランドロスの死に出しを誘って退場するためのギミックパーツなので当然といえる。
また、通常このような使い方をされるのは少ないと思うので、せっかく戦術通りに作用しても「あっ、流星群用の脱出パックが暴発した!」と思われてしまうところが悲しい。「ムゲンダイビームのアド損を回収するために持たせていたのか、やるな」と思って欲しいというのが本音。
ちなみに、ダブルバトルだとムゲンダイビームを撃ったムゲンダイナに味方がほえるを使って退場させるコンボがあるみたいで、何シーズンか前に実際に使用されて感動した。
おわりに
霊獣ランドロスピンポイント系の戦術は当ブログのお家芸ともいえるが、前述の通り使用制限のない一般ポケモンだからこそメタを張って成功する確率が高い。ネクロズマ系統のプリズムレーザーやディアルガのときのほうこうといった1ターンの反動がある禁伝ポケモンの大技でも応用できるので、ぜひ遊んでみてほしい。
それでは今回はこのへんで。何かありましたらTwitterかコメント欄にお願いします。
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